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私には姉がいる。

年齢は3歳年上で、今年34歳になる彼女とはとてもよく趣味が合い実家を出た今でも月に数回はLINEのやりとりや電話をするくらいの仲良しである。

きょうだいのある友人を見ると皆どれもきょうだいの事を嫌っていて、連絡のやり取りすらないものが大半なのだが、私は姉と気がよく合うのでその感覚は理解できない。今日はそんな姉についての話をしたいと思う。

年上のきょうだいというのは年下のきょうだいに対して多大な影響を与えるもので、彼女も私に多く影響された。

小学4年生ごろの事だ、彼女が友人から借りてきたというカセットテープに録音されていたのはZEEBRAと真木蔵人の曲で、ビートたけしのヤクザ映画の主題歌だった曲である。小4の子供にはいささか刺激の強い曲だとは思うが、擦り切れる程繰り返し聞いたものだ。”俺らお前の英語わかんだぜ?ハハ!”という歌詞がお気に入りだった。家族でカラオケに行った時もZEEBRAの声真似をしながら姉と歌った覚えがある。ガラガラ声で呪文のような歌を歌う息子を見て父や母はどう思っていたのであろうか…

また、姉は優しい性格をしていたので、外食に行った際などは食事、ジュース、デザートなんかの類は食べるのが早い私によく分け与えてくれたものだ。私が子供の時代から太っているのも姉の影響のひとつなのだ。

あとこんな話もある。

子供の頃の私はそれが面白かろうが面白くなかろうが、暇を潰すために漫画や雑誌を読む癖があった。自分の本を読み尽くしてしまった私は、姉の部屋の本をこっそり借りて読むことが多かった。ノンノというファッション雑誌を盗み読んでいた事もあった。その影響で田中美保と木村カエラは今でも好きだ、もう20年来のファンになる。

そしてある日私はとても興味深い本を見つける事になる。あのONE PIECEである!

その当時のONE PIECEは今ほど人気はなかったものの、事前情報で手が伸びる海賊の漫画、なにやらとても面白い、というくらいの知識はあった。

これは読まない手はない!私は喜んでONE PIECEを手に取り、ページをめくった…はて?これが人気の漫画なのか?読み進めてもバトルシーンは一向にないではないか。そんなはずはない、これはあのONE PIECEなのだ…!と自分に言い聞かせながら読み進める。そして読破。私は狐につままれたような気分になっていた。なぜなら、そのONE PIECEはこのような内容であったからだ。

ゾロがルフィの事を可愛いと思っている。ゾロとルフィがよくキスをしている。ナミがルフィを眠らせて服を脱がしている。ルフィがゾロと裸で抱き合いながら『俺、ゴムだから…』などというシーンがある。それ以上は…思い出したくない記憶である。

大人になって気づいた事なのだがあの日の私はONE PIECEの同人誌を知らずに読んでしまったのである…

私は、その影響で今でもONE PIECEの事が大嫌いなのであった。



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