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Z6と過ごした3ヶ月の話。

ついにミラーレス機デビューしました。

4月某日、私は昨年7月に購入したD600手放して、NikonのZ6を購入しました。
私は大してお布施はしておりませんが、筋金入りのニコン党員ですからミラーレスだってもちろんニコン一択ってわけです。
一応カメラ学生なので、最新とカメラとはいかずとも、最新のシステムを試しておくのは絶対に必要だなと思ったんです。食わず嫌いが出来る時代じゃない。

はじめに言っておきますが、私はもうすでにZ6を手放しております。Zのシステムごと、手放してしまいました。正直、これから書くこの記事にタメになるようなことは無いと思います。「Z6を3ヶ月使ってわかったこと」みたいな記事とは違います、あくまで思い出日記です。つまらなくても、怒らないでほしい。

なんでZ6にしたの?

貧乏カメラ学生なのでお金はありませんので、とりあえず中古で探すわけですが、Z5なんかはフルサイズで性能も十分で、価格もお手頃なうえにSDカードのデュアルスロットで求めていたものがほとんど揃っていました。
でも…肩液晶がついてないことだけが、気になりました。撮影中の設定はD7000にして以降ずっと肩液晶を見ていたので、ここが無くなるのは撮影のテンポを変えてしまうので絶対に嫌だったんですよね。
そこで出て来たのがZ6。スペックは申し分なく、連写スピードもZ5より早い中級機という感じで、特徴もないのが特徴みたいな、いわば普通(に良さげ)なカメラでしたが、Z6iiが発売されたこともあって型落ち価格になっていたのでZ5と大差ない値段だったのです。肩液晶も付いているし、電池もD600から使いまわせるし(=V1とも引き続き共通化できる)、これで決まりです。XQD(またはCF Exprees Type-B)の1スロットなのが唯一欠点に感じましたが、ここは我慢です。高額なカードも我慢です。

こんな感じでNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sと、FTZのついたセットを購入しました。D600は下取りに出して3万円くらいでした。4万台で買ったから、悪くない。

ちなみにこれは良く考えているように見えますが、すんごい短時間に決めました。ほぼ衝動で買ったんですね。私の悪い癖というか、もはや生き様です。悩んでいる時間が何よりも嫌いなんです。

Z6はどうだった?

とにかく、便利。

これは私のカメラ遍歴のせいかもしれません。
私は2012年1月に最初の一眼レフとして新品のNikon D5100を祖父からプレゼントしてもらいました(感謝)。これを2016年9月に苫小牧駅の汽車の中で壊すまで使用し、その後は中古でD7000(2010年発売)を手に入れ、昨年までメインとして使用し、7月には初めてのフルサイズ機としてD600(2012年発売)をこれまた中古で手に入れました。
要は僕、最初のカメラを除いて「現行機」というものに長いこと触れてくることはありませんでした。これは最初の大学時代(今は2回目の大学生をやっています)には音楽にすべてを捧げていたからで、カメラは優先順位の低い趣味だったからもありますし、単純に安い機材でも良く写るから、それで満足してしまい、高価な機材や現行機をわざわざ買うまでもないと思っていたからです。
でも、2012年発売の製品と、2018年発売の製品では機能が進歩しています。みなさんや、今の僕にとっては当たり前ですが、 撮った写真をアプリで転送できるし、スマホを外部シャッターとして使えるし、モニターできるし。ショバでUSB充電できるし、カメラにコードを挿せばバッテリーも充電できちゃう。

まずはハード面で、その便利さに驚いたんです。浦島太郎ですね。

いや、そんな当たり前のことより、ミラーレスカメラとしての発見もたくさんありましたよ。

小さい、薄い、軽い。

まずは取り回しのしやすさ。
フルサイズで760gのD600も一眼レフカメラとしては小型で取り回しがしやすいとは思っていましたが、Z6は675gともっと軽くなりました。その上、ミラーユニットがないミラーレス機で筐体が小型化しているということもあり、実際の重量差よりずーーーっと軽く感じたんですよね。
軽いカメラはどこにでも持って行きたくなるもので、買ってすぐは小旅行ばかりしていました。そのせいで金欠になりましたので、もはや欠点ってことにしようかしら。

グリップも、Nikonを持って来た人には快適。

小さくなると気になるのはグリップですが、これは私にとっては快適そのものでした。カメラのグリップについてはメーカーによってそもそも持ち方が異なるので一概に何が持ちやすいかは難しいのですが、Nikonを持って来た人の握り込むようなグリップには良くあうような気がします。95点くらい。

EVFは嫌味のない、素晴らしい体験。

ファインダーは唯一無二で思考のもの、特に作品を思案する際にはファインダーが無いのは考えられない。これは今でもそう思う節はありますが、こんなことを言ってミラーレス機を避けているのであれば、もったいないかもしれません。
ZのEVFはこれまでのファインダーとは質が異なりますが、撮るものをきっちりと写す、素敵な経験だとオススメすることができます。こればかりは覗いてみて、というほかありません。覗いたものが、そのまま撮れる感覚は、自分の制作意欲にダイレクトに繋げられ、作品制作には間違いなくアドバンテージでしょう。余計なことを思案するより、とりあえず作り上げる、デジタル的なアプローチは新鮮な感覚でした。
またDXクロップはミラーレスの大きな武器ですよね。EVFのなかで、そのまま像が大きくなってくれます。単焦点レンズが好きな私にとって「もう一声!」を乱発しやすくて助かりました。

右手で完結する操作系統

これが一番快適だったかもしれません。撮影中の動作がすべて右手で完結するのは、磯貝しい撮影やラフなスナップ時にも大変重宝しました。Fnにプレビューを入れるようにしましたので、左手は添えるだけでした。

写りは僕の知っているNikonでありながら、より良いもの。

Nikonの絵には「ディティールをしっかり写してくれる」という漠然としたイメージを持っています。かれこれ10年以上使っていますので、なんとなく一貫してそのような印象を抱いていました。
Z6はディティール感がしっかりとした僕の期待した、いや、それよりずっとシャープな「気持ちが良いNikon」でした。

f/8 1/500 ISO100
AF-S NIKKOR 300mm F/4D
f/5 1/320 ISO100
AF-S Nikkor 70-200mm f/4G ED VR(200mm)

これらはFTZを介したFマウント用レンズで撮ったものですが、素晴らしい写りです。ただただ嬉しかった。旧サンヨンに至っては、手ぶれ補正が効くんですよ?もう最強装備になってしまいました。

Zレンズは圧巻のクオリティ。

思わぬ収穫といったら失礼にあたるかもしれませんが、キットで付いて来たZマウントの標準レンズ NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sには驚かされました。
上位のSラインではありますが、開放F値はF4で、キットレンズゆえに中古相場も4-5万で取引されているため、そこまで期待していなかったというのが正直なところで、「標準ズーム持っていなかったし、ちょうどいいか」程度の気持ちでしたが…

f/4.5 1/4000 ISO400
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S(24mm)
f4.5 1/640 ISO100
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S(55mm)
f4.5 1/640 ISO100
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S(55mm)

大変失礼いたしました!
本当にF4.5で撮ったんだっけというくらいボケるし、印象的な濃淡の描写。ただただ、こんな絵を見たことがなくて、これがZの世界か、と。Fマウントになぜ私が縋っていたのか分からなくなるような、大きなカルチャーショックを受けた瞬間でした。Zレンズが素晴らしいのは皆様も知っているところと思いますし、色んなレンズがありますが、高いもの、または人気でちっとも手に入らないものも多いですから、このレンズを通ってないなら是非使ってみてください。
「キットレンズ」にこういうのを入れるの、やめてくださいよ(笑)

高感度耐性。

凄いね、これ。夜も電車が撮れます。

f6.3 1/160 ISO10000 NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(200mm)

ノイズリダクションも含めて、ディティールが崩れることは避けられないものの、高感度を気にせず使えるということは撮れる時間や機会が増えるということで、メリットでしかありません。

Z6のフィーリングはこんな感じ。
レンズ遍歴はこの後に軽く書こうと思いますが、これが僕のZ6に対してとっても心を打たれたこと(の中で今覚えていること)。

じゃあさ、

Z6で好きじゃなかったことは?

シャッター音。

わかってはいましたよ。わかってはいた。わかっていたんだけど…ダメだった!最初は耐えられなかった!
正直、カメラはシャッターフィールも大事だと思っています。たぶん人よりシャッターフィールの中で、シャッター音を大事にしている人間ゆえ、この「ドゥルン」っていうシャッター音と、手に伝わる感覚がもーーー気持ち悪い。
静かなのは場面によっては便利ですし、撮っている人間には(後で書きますが連写時を除いて)ちょうど良いショックも伝わって来て良いと思うんですけどね。んー、これだけはカメラとも呼びたくないレベルで嫌いでした。
もっとも、ミラーレス機なんてだいたいこうで、Z6は良い方だと言う方もいらっしゃいますから僕の主観でしかないことですし、今はもうすっかりミラーレスユーザーですから、なーんにも思いませんけどね!

高速連写時のショック。

これは普通に嫌でした。
せっかく昔のフラッグシップに並ぶような、11コマ/secの高速連写が出来るのに、使ってみるとシャッターショックでEVFの像が動く動く…私の技量が足りないといえばそれまでかもしれませんが、こんなにカメラを振り回されるとは思いませんでした。カメラが軽いから、余計かなぁ…あんまり使う機能では無かったですが、いざという時でも使いづらかったので、ちょっと残念。あんまり指摘されているようには思えないんですけどね。

センサーゴミ入りすぎ。

これもミラーレス共通の課題かもしれませんが、センサーゴミには苦労しました。Zの大きいマウントと、すぐそばに迫るフルサイズセンサー…外でレンズを雑に交換する機会が多い私には、ちょっと過保護にしてあげる必要があったのがストレスになりました。特に私の前のカメラはD600というセンサーゴミには頭を抱えていた個体(改良済みでしたが)でしたので余計。あんまり絞り込んで撮ることも少なめではあるものの、さすがに頻度が高すぎてイライラしちゃった記憶。キヤノンさんみたいに、シャッターが閉まるような設計だったら良いのにって思ってました。Nikonさん、なんとかなりません?

ちなみに電源ONの状態でバッテリーを抜けば、シャッターが閉まった状態を作り出せます。でも大抵面倒で忘れちゃうんだよね。

純正の縦位置グリップがないこと。

それっぽいのはあるんですよ、MB-N10といって…でもあれはレリーズがついていない拡張バッテリーケースで、縦位置撮影の利便性は向上しません。
私はバッテリーの息が短いのが気になっていたので、AliExpressで7000円ほどで互換品を購入しました。一応、ケーブルを繋げば縦位置撮影も出来ますが、みっともないので使いませんでした。

見た目はモードラっぽくて、とってもかっこよくなります。EMと一枚。

これはZ6iiで改善されましたので、さすがに同じこと思った人が多いんでしょうね!

シングルスロットも少しの不満要素でしたが、いうて最後のは「Z6iiを買えや貧乏人」と言われればそれまでですので、大した問題ではありませんね。

あ、あとペンタ部のロゴは嫌い!なんかZは全体的に字がちっちゃくてバランスが悪くないですか?これは本当によろしくないと思うんだよね。

というか、僕はこの記事で、Z6の良いところと悪いところを列挙したかったわけでも無かったのですが、構成的にはこう言う方がやりやすいわけです。

Z6にどんなレンズを使った?

さて、ここからはZ6と共に買ったNIKKOR Z 24-70mm f/4 S以外にも、Z6にあわせてZマウントやFマウント、その他のマウントのレンズを購入しました。

PENTAX D-FA 100 mm f/2.8 MACRO WR

え?いきなりKマウント?
はい、そうです、Kマウント。見た目がカッコよくて、質感の良い、中望遠のマクロレンズが欲しいなぁ〜と探していたところ目に入ったんです。私は隠れたPENTAXのファンだったりするんです。
Kマウントのレンズが使用できるように、K&F Conceptのマウントアダプターを購入しました。
数少ないZ6の写真だったので、この組み合わせをヘッダー画像にしています。

f/? 1/1000 ISO100
f/? 1/640 ISO100

初めての等倍マクロ。実効F値であったり、薄いピント面であったり、大変勉強にもなりました。
これもシステム変更のため、一瞬で手放してしまったのですが、良いレンズでした。後継も決まったらしいですね。
しかしなんで手放したんだろう、計画性がないんだよねぇ…いや、それよりお金が無いんです。

NIKKOR Z 40mm f/2

重さたった175g、価格も新品で3万円。値段も重さもフェザー級なことに惹かれて、数年ぶりに新品で購入しました。
間違いなく、一番外へ持ち出したレンズです。軽さは正義である。

f/2.8 1/2500 ISO100
f/6.3 1/50 ISO1400

50mmとはまた違った40mmの画角が魅力的でした。
安いレンズですが、安っぽい写りになることは少ないので、案外寄れないことと、開放はそこまで使えないことを除いてはとっても使える。好きな言葉ではありませんが、これは「コスパ」が良いんじゃないんでしょうか。

SIGMA Contemporary 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM

今っぽい画角でしょう、100-400って。
暗すぎでしょう、って思っていたんですが、高感度を繰り出しやすいミラーレス機(および最新鋭レフ機)において多少暗くても使えるんじゃないかと思って、70-200 F4を下取りして挑戦してみました。なんといっても「買えば幸せになる画角」という噂もあるらしい?
EマウントとLマウントにはDG DNのシリーズがありますが、これはレフ機向けレンズですので、Fマウント用です。

f/6 1/640 ISO1600 (320mm)
f/7.1 1/640 ISO400 (210mm)

正直写りはちょっと甘くて、せっかくのZの解像も活かしきれない感じしてそこまで好きにはなれませんでした。といいつつ、一時期このレンズしか持ち歩かなかった程度には気に入っており、最初は気に入らなかったバランスも案外慣れると心地よく…今のカメラでも買おうか迷うレンズです。幸せになるかどうかは、結局撮れ高によりそうですが。

NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

最後は買ったレンズではありませんが、レンタルして素晴らしく気に入ったレンズです。
高倍率ズームなんてものは画角の自由度は高いものの、微妙に重い上に画力は最低で、旅行用としても結局不満が残るレンズという印象でした。しかしこれは8.3倍の高倍率なうえに、570gと軽量で、強力な手ぶれ補正を備えていてハード面でもアドバンテージがありますし、絵もしっかりシャープでNikonらしさが崩れないものとなっていた印象です。
正直、私の短いZ生活の中で、一番オススメのレンズです。

f/6.3 1/20 ISO3600 (200mm)
f/6.3 1/400 ISO100 (200mm)

下の写真なんか特に綺麗で…バリバリに解像したシャープな絵を吐く高倍率ズームなんて、素晴らしい時代になりましたね。Zにこのレンズがあるだけで、一台持ってても良いと思います、本当に。

それでも私は7月末日をもってZ6を手放しました。

不満などない。

理由はシャッター音でも、シャッターショックでも、センサーゴミでも、縦グリでもありません。
なんとなくです。なんとなくなんです。

僕の一番のカメラ友達の先輩をEOS RユーザーからZ6ユーザーに引き摺り込む程度にはこのカメラをオススメできるんです。

でも一つ言えるのは僕に撮ってZ6は少し良いカメラすぎるというか、良い子すぎました。何も考えなくても、それなりの絵が簡単に撮れてしまう。

写真を学ぶ学生として、撮りやすい写真機より、作品的なアプローチがしやすいカメラを求めてしまったのです。そのカメラが何かが見つかったというより、Z6はその位置にいなかったのです。
お金があればこのまま持っていたかったですが、そうもいかないので3ヶ月という短い間でしたがZ6と、4本のレンズを一気に手放しました。

8月からは作品撮りのカメラをLUMIX DC-S1に、電車や飛行機を撮るカメラをNikon D3に買い換えました。
この話はまた今度。

Zにはいつか戻って来ます。
超望遠単焦点はZで使うしかない。待っててよ!

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