![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126458421/rectangle_large_type_2_3b71f5d78a342144ee52cc2a0d67f497.jpg?width=1200)
宇都宮ライトレールはよく考えられている
2024年2日目(181)。
2日連続で通常ではありえないことが起こり、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が相次いで発生した1995年を思い出さずにはいられません。しかし、そんな中でも多くの人たちの日常は続きます。私も、用事で宇都宮に行ったついでに、何かと評判の宇都宮ライトレールを遅ればせながら体験してきました。
乗車した駅は清原地区市民センター前駅。ここはLRT(ライトレールトランジット)の線路と並行して、バス乗り場、タクシー乗り場、駐輪場、そしてパークアンドライド用駐車場(なんと無料!)があり、交通結節点となっています。ちなみに周囲は工業団地です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126437244/picture_pc_f1107e5b0e95cd62340e3068b504bb79.jpg?width=1200)
左側の建物はトイレで、なんと隈研吾が設計。そんなところにも隈研吾。どこにでも出てくる隈研吾。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126437824/picture_pc_b9963e82c0b91d6b533e1dcddb519008.jpg?width=1200)
無料ということで満車。台数が足りないとの苦情も出ているとの噂もありますが、そりゃそうだ。
左奥にはバスの姿もあります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126438026/picture_pc_a49782d770727c1d2ce902c648074314.jpg?width=1200)
カッコよい!
低床なので、ホーム面との高さはもちろんなく、ホーム面も道路面との高さの差はあまりありません。階段はなく緩いスロープでホームへアプローチできました。
すぐにやってきたLRTに早速乗り込み、宇都宮駅へと出発。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126438293/picture_pc_429be4f25b8c3256d26d6a4b0de092df.jpg?width=1200)
改札はなく、基本的には車両内のICカードリーダーにタッチして乗降を管理。これだと不正乗車もできそうですが、ヨーロッパのように不正発覚の際の罰金が厳しいのかもしれません。
また、現金を使用する場合は、特定の乗車口を使う必要があります。
資料を見たところでは、ICカードはSuica/PASMOとは別に「totora(トトラ)」という宇都宮独自のICカードが使えるようになっています。このカードは、Suicaと同様の機能を持ち、Suicaが使える鉄道やバスは全国どこでも使える他、複数の交通事業者の定期券をまとめられるようになっているようです。
なお、現金での乗車は時間がかかるため、高齢者や高校生には、totoraを配布(!)しているとのこと。
14時台の乗車でしたが、車内は思ったより混雑していて、座席はほぼ満席。子どもだけで乗っているグループもあり、宇都宮市民にはある程度浸透しつつあるのを感じます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126439614/picture_pc_97bb73e541b95ab0f97c49a254806060.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126439695/picture_pc_305ff6824ed0983d9fe0bd33c568db8d.jpg?width=1200)
工業団地を抜けると田園風景。沿線開発の余地がありそうだなーと思いながら眺めていました。市街地に入り、宇都宮大学陽東キャンパス駅からは人がたくさん乗り込んできて車内は一気に混雑。しかし、ほどなく宇都宮駅に到着し、乗車から30分弱・300円のLRTの旅はスムーズに終わりました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126440181/picture_pc_a405fe486c9b1160608b99bcb06d032a.jpg?width=1200)
平日通勤時間帯は1時間に8本。休日日中でも1時間に5本。交通機関は1時間に4本未満になると待ち時間が長く感じられるようになり利用者が減少すると言われているので、これだけの本数が運行されていれば、沿線の人たちは積極的に使うのではないかと思います。(もっと運行本数は少ないかと思ってました。)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126480475/picture_pc_0c880dd5bf5e338180aafe2c74d43bb2.jpg?width=1200)
JR、バス、タクシー、送迎用車両にそれぞれアクセスしやすくなっていました。
乗ってみての感想ですが、路面電車最後発ということで、LRTとしての押さえるべき点をしっかりと押さえた、という感じがしました。
一般論として、ハードというヤツは整備直後は物珍しさで人が集まるもので、その時点での集客や評価で成功を叫ぶのは時期尚早だと思います。ただ、この宇都宮のLRTは、とてもよく研究して現実に落とし込んでいるように見えました。このことから、欲が出て沿線開発をやり過ぎた結果乗客が多すぎてパンクするような展開にならない限り、市民に定着していくのではないかと予想します。
生活の豊かさというのは選び取れる自由があることに由来するものだと思います。移動手段でも同様で、目的地に行くための交通手段が限定されず、選択可能であることが、住む人たちの幸福感を上げることに繋がっているのではないでしょうか。限られたリソースの中で無限にサービスを維持したり増やしたりすることはもちろんできませんが、何かの手段がひとつだけ用意されていれば十分、ということでは本来ないと思います。
かつて、とある水戸の昔を知る方と路面電車の話になった際、「一度廃止したものを復活させるなんてナンセンス」と一刀両断されたことがありました。水戸で路面電車が廃止された当時(1966年)は高度経済成長を経てクルマ社会が全面的に日本に浸透していた頃でもあり、当時としては路面電車の廃止は正解と感じやすかったのかもしれません。しかし、そこで思考停止するのは、やはり違うよな…と、宇都宮ライトレールを体験して、改めて感じました。
余談ですが、宇都宮に行ったついでに足を伸ばして、壬生町でガンダムマンホールも観てきましたよ。(既に暗かったこともあって、監視カメラの存在とかはちょっとわかりませんでした。)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126456394/picture_pc_88b99de5e808de12da8e2729404e7772.jpg?width=1200)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?