Sugeredwater

地方の片隅で、なんとか生息しています。

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最近の記事

人を外から連れてくることにおいて必要なことは何か?

一定の広さを持つ民間人が所有する、地域にとって貴重な林を少しでも保護する「保存樹林」という制度が、かつて勤めていた自治体にはあります。 その保存樹林の担当だった時、 「市が指定した保存樹林からウチの庭に枝が落ちてくる、持ち主に指導しろ」 という苦情の電話がかかってきました。 上司と共に保存樹林の持ち主のところに伺うと、 「ウチは元々ここに住んでいて、周辺が勝手に開発された」「開発されたところに住んでいる連中が、ウチの林に勝手に犬の散歩に入ってきて、フンも始末せず帰っていく、

    • 地域のお祭りを伝えること

      仕事が変わりまして、noteの更新が滞っております。m(_ _)m その変わった先では、地域のお祭りやイベントについて調べる機会がままあります。しかし、その起源・由来、開催に至る主催者の思い、山車や神輿があればそのデザインの意味とか、ネット上に上がっていることは稀で、よく分からないことが多い、ということに改めて気づきました。(もちろん、その地域の方に聞いてみるのが一番なのですが、まだ変わりたてということもあって、誰に聞くべきかわからなかったり、聞けるほどの関係性をまだ構築で

      • 雑誌的な空間

        2024年159日目。 柳瀬博一さんの企画・「メディアの話をパワポも映像も使わずにやる夕べ」、その3に行ってきました。 これまで3月4月と2回開催され参加してきたのですが、5月は開催をキャッチできず、もうこれまでかと思っていたのですが(開催されたとしても仕事で行けなかった可能性が高かったですけどね)、杞憂でした。(前2回は下記リンク参照) さて、3回目に参加するにあたって、流石にそろそろ読まないと失礼だろう、ということで、事前に柳瀬博一さんの著書『国道16号線 「日本」を創

        • 「関心領域」にすべき社会問題が多すぎる

          2024年150日目。 ふと思い立ち、レイトショーで『関心領域』を観てきました。(いや「聴いてきた」というべきか?) 自分が語るまでもなく、既に多くの方の感想で、アウシュビッツから聞こえてくる「音」とその影響、登場する2匹の犬への関心の違い、途中で挿入される「ヘンゼルとグレーテル」等々について指摘されているので、ここでは異なることを2つほど。 ひとつは「凡庸な悪」。(まあこれも多く言及されていますが。) 嘔吐、つまり自分が何をしているのか認識しているにも関わらず、その任務

          作る喜び、美しさへの希求

          2024年119日目。 5年ぶりに開催された磯蔵酒造さんの「ちょっ蔵 新酒を祝う会」へ向かう途中、うかつにも入蔵券を忘れるという失態を犯し、会場で酒を飲むことは諦めて一旦家に帰って自家用車で会場に向かうも、常磐道の事故渋滞で行手を阻まれ、友部駅前のコインパーキングは満車で入れず、その他いろいろあってなかなか前に進めず疲労困憊、これは神様からの「無理に参加するな」(前2日も十分飲んだだろう)というメッセージだという結論に至り、私自身は参加を取りやめ。仕事関係者も来るらしいという

          作る喜び、美しさへの希求

          アートが社会的課題をテーマとして扱うことの意義って?

          2024年111日目。 開催前に炎上した結果「江戸アメイジング」という文字が消えた「大吉原展」、批判が正当なものかどうか確認すべく、行ってきました。 結論から言うと、批判を受けての「女性の人権侵害を熟考する機会」とする声明に対して、見学者に対して具体的にどのように材料を編集し提供したのか?ということが、最後までよく分かりませんでした。 違和感を覚えたところをいくつか上げると、 ・入口に2つ掲げられた「ごあいさつ」のひとつめ、二段落目の二番目と三番目の文の前後のつながりが

          アートが社会的課題をテーマとして扱うことの意義って?

          ダンバー数とスナック

          2024年103日目。 柳瀬博一さんによるメディア論の講義「メディアの話をパワポも映像も使わずにやる夕べ」。 「全部で10回ぐらいやりたい」とのことで、どれぐらいの頻度でやるのかな?と思いきや、【その2】は今月とのことで、今回も参加してきました。 ※【その1】はコチラ↓ 今回はスナックの話からスタート。 スナックは通常、地元の常連客に支えられる小規模なビジネスで、開店から3年を超えるとママ/マスターが亡くなるまで閉店することはほとんどない。 その理由は、運営コストの低さ

          ダンバー数とスナック

          今更ながらPERFECT DAYS

          2024年98日目。 「オッペンハイマー」でも「Winny」でもなく、今更ながら「PERFECT DAYS」を観てきました。 修行僧の如くルーティンを務める毎日は、一日も同じ日ということはなく常に新鮮であるように感じることができて、でもそこにはちゃんと感情の起伏もあり、主人公はそれさえも受け入れることで日々充実して生きている。私自身、行動をできるだけルーティン化したいという欲望を持っていますが、それは、世界は常に変化してしまうので、それなら考える部分を減らして変化を楽しんだ

          今更ながらPERFECT DAYS

          水戸との遭遇#01水戸の城下道・上市編

          きっかけ2月下旬、水戸についてのブログ「みとぶら」の管理人でパパ友の加藤さんがFacebookにて「水戸マニアの会」みたいなことをまたやりたいなあ、という投稿をされていたのを見つけたのが今回のコトと発端。今年に入ってから「とにかくまず動こうぜ」的な話を散々聞いてきたことから、即座に「じゃあやりましょう!いつやりますか?」と持ちかけ、加藤さんとの話題でよく上がっている「道との遭遇」(CBC制作)にインスパイアされた街歩きを開催することになりました。題して「水戸との遭遇」。(「ブ

          水戸との遭遇#01水戸の城下道・上市編

          AIは人から創造という行為を奪うのか?それとも助けるのか?

          2024年84日目。 自分が目指す方向よりも、人に言われた方向に進んだ方が、結果的に面白かったり上手くいくことが多かった人生を歩んできたので、誘われたらできるだけお受けさせていただく姿勢で人生に臨んでおります。ということで、今日はお誘いを受けてのインプット活動です。 図らずも、AIに関する話を聞くのは今週3回目。今回はAIの時代の創造性についてのお話「創生と共生」をデジタルハリウッド大学大学院にて。 ChatGPTについては、昨年春の日経サイエンスの特集で、「次にくる文章を

          AIは人から創造という行為を奪うのか?それとも助けるのか?

          動詞のまちづくり

          2024年71日目。 情報収集において、これは!と思う方をSNS上で勝手にキュレーターに設定しているのですが、その内のひとりである柳瀬博一さんがパワポなしでメディアについて実験的に語る会を催すと聞き、行ってきました。 参加者は40名ほど。開始前に「僕は時間は守るので、90分できっちり終わる」とおっしゃっていたはずなのに、結果90分の予定が150分になってしまうぐらい、熱量と面白さの詰まった講義。 メディア=❶コンテンツ❷手段・形式(プラットフォーム)❸再生装置(ハードウェア

          動詞のまちづくり

          「常陸」が読めない話はブランド化と関係ある?

          この記事が周囲で話題なのでちょっと。 記事を読んで、私は「駐車場がないから商店街に人が来ない」的なロジックだなと感じました。そのように主張する商店街に人が来ないのは、そもそも多くの人を惹きつける店がないとか、不動産オーナーが設定する家賃が相場よりも高いが故にテナントが入居できず空き店舗がポツポツと存在する故に空間的に魅力に欠けるからであって、駐車場がないこととは直接関係がないのではないでしょうか。 このことから考えて、「常陸」が読めない人が多いので「ブランド化」が失敗する

          「常陸」が読めない話はブランド化と関係ある?

          目的と手段とは整合性が取れているか?〜東京ホームタウン大学2024にて

          2024年48日目。 上司より「Aという目的のためにBという方法を実行すること」を指示された時、「Bを実行してもAは達成されない」が見えてしまうことがままあります。 その時にどう対処するかは難しいですが、私の場合、上司からの信頼を深く得ているのであれば、上司がAという目的を抱くに至った背景を深掘りし、場合によってはBではなくCを実行することも視野に入れるようにしています。(信頼を勝ち得ていない場合は、数々の指示の実行を積み上げることから始めます。) これはプロボノでも同様

          目的と手段とは整合性が取れているか?〜東京ホームタウン大学2024にて

          【視聴録】「光る君へ」第六話

          2024年42日目。 今回の「光る君へ」、古典の知識も感性も乏しい自分にはなんとも難しかったけれど、世の中には物識りな方がたくさんいて、かつ、そうした人たちが知識を共有してくれる時代なので、助かります。 そう、ラストの三郎(道長)からまひろに贈られたあの和歌。 ちはやぶる神の斎垣(いがき)も越えぬべし 恋しき人のみまく欲しさに ・ちはやぶる=「神」という言葉を出す時の枕詞(決まり文句) ・神の斎垣(いがき)も越えぬべし=神域の神聖な場所の境界をも超えてしまおう ・恋しき

          【視聴録】「光る君へ」第六話

          普通に生きたい人たちと隠された課題

          2024年38日目。 隅田公園リバーサイドギャラリーで、福島大学地域未来デザインセンター・相双地域支援サテライト主催のパネル展「「被災地」福島十二人の12年」が2月9日まで開催されていると聞き、急遽行ってきました。 福島県浜通りの12の市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)からそれぞれ一人ずつ、1枚の大きな肖像写真が飾られ、そこに、それぞれの人生が簡潔に語られた文章、そして各市町村の現況の説明が添えられる、

          普通に生きたい人たちと隠された課題

          渋沢史料館と飛鳥山公園

          2024年34日目。節分。 渋沢栄一についての展示を行う渋沢史料館が2月1日より再開したと聞き、いそいそと行ってきました。 場所は江戸時代からの桜の名所で、渋沢栄一が晩年を含む人生の1/3を過ごした飛鳥山公園にあります。素直に京浜東北線経由で王子駅から行ってもよかったのですが、宇都宮LRTに乗って間もないこともあって、都電荒川線に乗ってのんびりと行ってみることに。 途中、車内で「栄一翁散歩もなか」のアナウンスが流れたりして、7月3日の新札発行前ですが、新一万円札の肖像になっ

          渋沢史料館と飛鳥山公園