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2022年同人誌装丁まとめ


はしがき

4年目の装丁まとめnoteです。
昨年のnoteも、たくさんの方に閲覧頂きましてありがとうございます。(更に前の記事も閲覧して頂けるのは嬉しいです!)
今年もどなたかの楽しい同人誌制作の参考となりましたら幸いです。

①2022.3月頒布|A5本(ホロPP)


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実物①
実物②

【仕様一覧】
印刷所|プリントオン
サイズ|A5(本文2段組小説)
ページ|60ページ(表紙込)
 表紙|ファンタス アカ 200kg
遊び紙|越前和紙 やわらがみ七夕ハート
 本文|淡クリームキンマリ 72.5kg
 加工|表紙ホログラムPP(フラワー)
 加工|小口角丸加工


▶紙と特殊加工

プリントオンのリバーシブルセットを利用しました。
リバーシブルセットは、表紙で利用しているファンタスの白い面に表紙1・4がくるセットです。印刷会社によっては、この白い面に印刷するのがデフォルトだったりします。
今まで本の内容などから、あまり使用する機会のなかったファンタスが使えたのが嬉しかったです。
ファンタスを利用している作例は数多ありましたが、ホログラムPPのフラワーを利用している作例があまりなく、製作時にデザインバランスのイメージをとるのが難しかったです。

ホログラムPPは今までにも使用したことがありますが、フラワーは初めて使用しました。
ホログラムPPの種類の表記は印刷所によってまちまちでして、フラワーと書いてあっても印刷所によっては柄が異なる場合があります。

ファンタスにホログラムPPを掛けてしまうと、表紙が固くなり開きにくい表紙になってしまうのではないかと不安でしたが、かなり開きやすいので、読む時の負荷も気にならない仕上がりでした。

この本は、去年ひたすらきれいな本を作った反動のまま、可愛い本を作りたい一心で出来上がりました。
可愛いを乗算させるために、角丸加工もしました。角丸加工に合わせて、表紙のデザインも色の切り替わり部分は角丸にして合わせています。

遊び紙の越前和紙(やわらがみ七夕ハート)は、スプリングフェアで選べる遊び紙でした。(通常でもオプションで選択可能です)
中にちらばるハートの数は本ごとに違うので、頒布前の点検で確認するたびに個体差があって面白いです。
和紙なのですが、ややツルッとした光沢感がありました。下の本文はほとんど透けないですが、光沢感のおかげでファンタスのツルッとした雰囲気とは喧嘩せずに済んだかなと思います。

▶表紙デザイン

普段文庫サイズの本を作成しているので、A5にはA5にしかできない映えるデザインにするのが難しかったです。
表紙に使用した赤色も、ファンタスのパキッとしたレッド感よりも抑えたものにしています。本のタイトルに似合うような春っぽい、柔らかな印象に仕上がるようにしました。

②2022.6月頒布|B6本(特殊加工なし)


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実物①
実物②
実物③

【仕様一覧】
印刷所|コミックモール
サイズ|B6(本文1段組小説)
ページ|70ページ(表紙込)
 表紙|キュリアスIRホワイト 146kg
遊び紙|ニューラグリン 90kg シルバー
 本文|書籍用紙ナチュラル 56kg

▶紙の話
特殊加工をしない本を頒布しました。(本文が遅々として進まず、当初やりたかった装丁変えざるを得なかったとも言います)

表紙は何度か使用したことのあるキュリアスIRホワイトです。キュリアスは以前にも説明を載せていますが(参考:2019年同人誌装丁まとめ)上品なラメが美しい紙です。写真を撮るとラメが飛んでしまうのが難点です。
キュリアスIRは美人な紙だと思っています。個人的に特殊紙にはPPをしないほうが好きです。
キュリアスは紙に迷った時に選びがちな紙でもあるのですが、次に使う機会が流通している間にあれば良いと願っています。
去年使用したキュリアスはTLイリディセントですが、キュリアスを使わない年がないってくらい使用しているので、好きな紙が様々な理由で廃盤になっていくのが寂しいです。

遊び紙のニューラグリンは初めて使用しました。ギリギリまでタントを使用するか悩んでいたのですが、コテコテな感じにせず、ラフでシンプルなニューラグリンにしました。
シルバーですが、白っぽい。表紙と比較してやっとシルバーやグレーっぽさがわかるくらいでした。表紙のデザイン、紙の風合いとはまた違った雰囲気を楽しめるのではないかなと思います。

春に可愛い本を作成したら、次はいつもの雰囲気に戻ってきてしまったなあというデザインになった本でした。

本文は書籍用紙ナチュラルを利用しました。
かなり白っぽい紙ですが、読みにくいということはありません。56kgなのですが嵩高の紙なので、ページが多くなると厚みを感じそうなタイプです。今回は70ページと厚くないので、気になりませんでした。

▶本のサイズ
今回初めてB6縦型の本を頒布しました。
A5のようなドンと主張してくる感じではなく、文庫本のように手のひらに収まりがよいサイズです。
2段組にしても、1段組にしても本文の作りやすさが出そうなところも良いです。
デザインも少し大胆な雰囲気にしても合いますし、アプローチのしがいがありそうなサイズです。

③カード・リボン巾着


カード①実物

▶カード①
【仕様】
 用紙|ペルーラスノーホワイト180kg
印刷所|グラフィック


カード②実物

▶カード②
【仕様】
 用紙|新・北斎180kg
印刷所|グラフィック

どちらもグラフィックにて印刷していただきました。
冬の雰囲気にし、既刊につけたのが①、
春に頒布した本につけたのが②です。
想像以上に余部がありましたので、頒布する本より多いです。

新北斎は初めて利用しました。
和紙風味のある紙です。あたたかみのある雰囲気が欲しかったので、春のやわらかい陽射しのようなそんなイメージになったら良いなと思っています。

入稿する際に、3Dプレビューというのがあったのですが、普段利用する印刷所では見かけない機能でしたので、面白かったです。好きなだけ眺めてから入稿しました。

▶リボン巾着

実物

印刷所|オレンジ工房
 内容|リボン巾着

1度試してみたかったリボン巾着が作れて満足です。オレンジ工房さんがこの巾着を始めた頃から気にはなっていたのですが、作る時間があったので作成しました。発色も印刷もきれいで、もちマスがギリギリ2つ入れられるくらいの大きさです。

今年はあと2冊作るつもりでいたのですが、諸々忙しく手が回らなかったです。
来年も箔押ししたり、きらきらの紙を使ったりなど、手に取ってわくわくしてもらえるようなものを作っていきたいですし、本だけではなくアクリルものも挑戦したいなと考えてます。

それでは、皆さま良いお年を。


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