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Garageプレイ記録と感想―雌機械は蛙の夢を見る

先日、幻のアドベンチャーゲームと名高い「Garage」のリマスター完全版がiOs向けに配信開始されました!!

といっても、お恥ずかしい話、私はこのゲームを知らなかったのです。「この人がすすめるものは面白い」と信用をおいている奇書がよみたいアライさんという方がTwitterで勧めていたので即ポチったのですが、もう大正解。

「ガラージュ」この奇妙な装置は被験者の深層意識に働きかけ奇怪な暗闇の世界を作り出すのだと言われている。

主人公が放り込まれたのは、崩れそうな木造建築物と 錆びた金属とあらゆる場所が汚水で満たされた閉ざされた空間であった。
そして自分自身の体も機械とも生物ともつかないものに変わり果てているのを発見する。

複雑な構造の迷路のようなこの世界を主人公は彷徨う。

この世界の出口を求めて―。

AppleStoreより引用

無事にエンディングを見ることが出来ました!

※ただしエンディングは1つしか見ていない(マルチエンドらしい)

というヌルいプレイヤーなので、内容やシナリオの解説は全くできませんが、プレイを振り返りながら感想をつらつら書いていこうと思います。

とにかく世界観とグラフィックが良くて(グラフィックはきれいという意味ではなく、癖があるのが癖になる)、雰囲気が好きな人はプレイして損はない作品です。

はじまり

new gameからゲームを始めると、突然謎の部屋で主人公が気が付きます。
わけのわからないまま、あたりに散らばるメモや、「シェンの手紙」という手紙を読んでいきます。シェンの手紙は「この部屋で目覚めたものへ」から始まり、まさに主人公に向けて書かれています。
「できることなら、このいかがわしい世界から脱出しなさい。」
シェンからの手紙には、そんな言葉がありました。

※この画像はかなり後半のスクショです

自室から出ると、まさに「なんだこれ」という空間が広がっています。

主人公は、私は、この猥雑で幻想的で、汚くて美しい世界をぐるぐると回って、まさに回っていくことになるのです。

とりあえず、マジですぐ死ぬ

このゲームには「順応度」「燃料」というものがあります。

燃料はそのとおり燃料。主人公だけではなく、この世界のキャラクターはみんな機械なので、動くのに燃料がいります。尽きるとゲームオーバーです。
そしてもう一つの順応度。これは「私が私である感じ」度数みたいな……ほら、私から髪の毛が一本なくなっても私でしょ?多分指がなくなっても、腕もなくなっても、足もなくなっても私だけど、いつかは私じゃなくなるじゃない?その私度数みたいな…なんだそれ!

とにかく、その順応度がなくなるとオトヌケという状態になり、世界の人物たちと会話ができなくなります。何言ってるか理解してもらえないので。
つまり順応度が足りなくなると燃料を補給しに行っても補給できない、のです。

そして慣れるまでマップがかなりわかりにくい。
主人公は車輪でガタガタ動いていくので、路線がある方向にしかいけません。そして街はだいたい円形になっていて、円には内周と外周の2路線があります。山手線の内回り・外回りみたいな感じです。
どこになにか把握できるまで、とくに序盤は燃料不足でヒィヒィいっていました。

燃料を補給しよう

機械たちの燃料は「白瓦斯」です。白瓦斯の補給はどう行うかというと、雌機械のお腹にあなたの出力軸をいれてかき回します

はい、そうです。雌機械のお腹にあなたの出力軸(意味深)をいれてぐちゅぐちゅかきまわしてください♡♡♡

どう見てもお腹の穴が卑猥なんだよなあ……

この世界の機会には雄と雌があり、今この世界では圧倒的に雌がいません。白瓦斯屋という燃料補給ポイントに何体かの雌機械がいる他は、おばあちゃん機械がチラホラいるだけです。
そしてその雌機械たちは動くことができないので、パートナーの雄機械が釣ってくる蛙や蟹をもしゃもしゃ食べる日々です。
(なるほどな、つまり白瓦斯屋の雌機械は誰の出力軸でも受け入れる……ほう……??)

……いやもう、正直、最初に補給した時に頭を殴られた気がしました。
何だこのゲーム、なんだこの世界観と。

世界の秘密を探そう、そしてこの世界から脱出する

シェンの残した手紙とメモから、カゲを探すこと、そしてそのためにプシケに会うことを当面の目標とし、世界の人達に話しかけながら物語を進めていきます。

ゲームとしては、フラグ管理系のアドベンチャーゲームです。誰かかフラグになっている機械に話しかければ物語が進み、また次のフラグになっている機械に話しかけて……というのが大まかな流れです。

最初は訳がわからない世界だったのに、どんどん彼ら彼女らの言っていることにハマっていき、あちらの世界に自分自身が馴染んでいく気がする、そんなゲーム体験でした。

まさに「エログロ・アングラ」直球な表層をしていますが、それだけじゃないんですよ。キャッチーなんです。

キャラクターも、最初は見た目の特殊さにぎょっとしていたけど、慣れるとみんな尖っていてなかなか愉快。アドベンチャーゲームとはいえテキストボリュームが結構多いので、読み物が好きな人のほうがハマるやつ。

順応液、雌機械、汚水、木馬、新世界、夢日記、改造、解体。

世界の秘密は、明確にわかりやすくないけれど、でもなんとなく伝わってくる。
見た目のとっつきにくさや、ホラー風の雰囲気、エログロアングラな世界観が目につくけれど、物語の根本にあるのはやっぱり人間。

(AppleStoreのレビュー見てたんですが、これ精神治療装置の被験者の夢なんですか? ヤダー!ソウイウコトー!)

最後にプレイ中にあんまり意識せずに気に入ったシーンのスクショを撮っていたので、ペタペタ貼って、その下に私の迎えたエンディングを書いておしまいにします。

ややネタバレみがあるので、閲覧はご注意ください。

順応度を回復してくれる順応堂のギムノンさん。ルウはかなり好きな子。
作中屈指のトラウマポイント、チェンさん。
初めて会った時、美しさにびっくりしたプシケ。

エンディング



ある日、白瓦斯屋に行くと、いつもお世話になっていた雌機械の1人「道代」が「あなたの家に行きたい」と言ってきました。
断る要素なんてないよね、道代ちゃんかわいいし。
快諾すると、すぐに道代ちゃんが自宅に来てくれました。

それから道代ちゃんに釣った蛙をあげて、道代ちゃんに補給してもらいながら世界をえっちらおっちら探検する日々。

そして自分のカゲを見つけ、彼と対峙し、なんやかんやあって世界は全部終わったのでした。

ただ、その過程で道代ちゃんが不思議な記憶を思い出したのです。
どこかわからない場所で、少年と遊んでいた。家に帰るのが嫌だった日。そしてある日皮に溺れた少年を、自らが川に飛び込んで助けたこと。
その記憶は、なんだろう。いつのこと、どこのこと。

白瓦斯屋の道代だった彼女が、主人公の自室に来ていろんな事を考えて、そして少しずつやったことをないことをして。
二人でいっぱい交流した。道代の話をたくさん聞いた。
彼女の話を聞くのが好きだった。

でも、世界は終わることになった。

世界が終わるとき、機械が1人1人消えていった。
最後の最後に、道代が消えて。

そして世界から脱出を果たしました。


道代ちゃんかわいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!
とりあえず他の雌機械を嫁に出来そうなので、隙間を見て他の雌機械を嫁にもらいたいし、あと全然開かなかった部屋もまだある……。
一周目は苦労しながら頑張ったが、もうつかれた。
攻略情報、誰か頼む。


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