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【読書記録】秘文字(※読めてない)

全編が暗号で書かれた、まさに奇書「秘文字」がこの夏復刊ドットコムさんにより復刊しました。やったー!

買いました!!!!

泡坂妻夫、中井英夫、日影丈吉という異色ミステリー作家3人による共著として1979年に刊行された『秘文字』。それぞれが「暗号を題材とした短編推理小説」を1本ずつ持ち寄り、さらにその本文全体を丸ごと暗号化してしまったという前代未聞の内容で、読者に二重の謎解きを挑んだ、知的遊戯の極致とも言える奇書中の奇書です。

だいぶ前に届いてはいたのですが……

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ページをめくったらコレだったので、速攻本を閉じて本棚にしまいました。

マジでガチで全文暗号。解き筋もなにもヒントもない。ヒントとしてあるのは、巻末の暗号「暗号法とその解き方」だけ。この巻末のあん「暗号法とその解き方」はさすがにすごくて、暗号解読の初心者やかんたんに謎解きの流れで軽く暗号を調べたことがある程度の私にも優しく、それはそれはやさしく……あたまがこんがらがりました。

ヴィジュネル暗号なんて、もうツールで一発変換しちゃうよ!! 手で解かないよ!!!www
むかし手で解く練習したこともあるけど、もう忘れちゃった……。

しかし、今回の復刊版はとても親切設計で、解答編小冊子も付属しているのです!!!

私の選べる手段は3つあります。

1、暗号を解く

2、暗号の解読法だけ見て読む

3、解答編小冊子に書かれている本編を読む

…………(2を選ぼうとして解説を読んで即諦めた顔)。

ネタバレになるので深くは言えませんが、私はこれは解けない……。換字はキツい……。換字表があってもそれで小説一本まるまるは読めへんよ……。

刊行当時、これ解いた人いるのすごすぎるなあ。もし本気で解くなら、全ページコピーしなきゃなんですが、25.7 x 18.2 x 2 cmというサイズの大きさがまた心を折ってくる……。まだ中井英夫の「薔薇への遺言」はワンチャン読めそうかな~?という気がします。でも他の2作品は私は絶対自力では無理だと主張します。

現代で、解いて読んでる人いるんだろうか…?

収録作品

泡坂妻夫/かげろう飛車

 中井英夫/薔薇への遺言

 日影丈吉/こわいはずだよ狐が通る

いずれも小説の内容自体も暗号がテーマで、また暗号内暗号をぶっこんできたりして「さすが推理小説家だあ~」としみじみしてしまいました。

個人的には「薔薇への遺言」がとても幻惑的で、暗号の雰囲気にも合っていて大変良かったです。昨今の「ミステリ」とは毛色の違う、幻想文学の雰囲気がムンムンする短編です。

コレは頑張れば暗号で読めたかな~!もう一周は全ページコピーしてきて読もうかな。(読むっていうの?)

閑話休題

泡坂妻夫作品では、本作以外にも本文以外にも仕掛けマシマシの本というものが存在します。それが「しあわせの書 ー迷探偵ヨギガンジーの心霊術ー」「生者と死者 酩探偵ヨギガンジーの透視術」です。

いずれも普通の文庫本の顔をして、新潮文庫ゾーンにたまにしれっと並んでいます。いますが、奇書ですよ、こんなもの!

前者の「しあわせの書」のトリックは実際に読んで頂くとして(どうやってこの本を書いたの?頭がおかしすぎる……)、生者と死者のほうは書店で本をとった瞬間におかしさがわかります。この本、袋とじがめちゃくちゃたくさんあるんです。袋とじを開かずに読むと短編小説が読めて、袋とじを開いて読むと全く別の長編小説が読めるようになり、袋とじ短編小説は消え去ってしまいます。我が家には袋とじを開いた後の文庫本があります。アアアア~~~~なんだこれは~~~~~~!!!

奇書の類いはどうしてもお値段もはるし、手に入れにくいのですが、手軽に文庫コーナーで買えるヤバヤバ本として生者と死者をみなさまに薦めています。

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