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離島の時間がくれたもの


数ヶ月前、1本のLINEが届いた。
主はコロナの前後だったかに会って以来の、前職で協業先だった広報仲間のMさん。彼女の突然の誘いは「五島ツアー、一緒に行きませんか?」だった。


船泊入りのスケジュールをみて、(ハードやな)が第一印象。一旦保留にしたのだが、五島に拠点をおく友人が経営する旅行代理店の社長が組んでくれるという言葉に惹かれ、3年ぶりの五島を訪ねる。

島と島の間をいくつもの船で移動しながら、浮遊式洋上発電所の実証実験、隠れキリシタンの教会、しかの住む島・野崎島の集落跡を訪ねる。地域の無形民俗文化財・神楽を見に行ったり、ジャングルのような狭い山道を超えて半島の突端にあるクラフトジンの蒸留所も訪ねた。
離島に詳しい人でなければ組めないに違いないだろう、とっておきの場所ずくしの行程だった。

訪ねた島々では、地元で暮らす友人の友人が車に乗り込みガイドときて急きょ参加してくれたりも。

「神楽(かぐら)」は、高麗船の侵寇(しんこう)に起源をもち、1000年以上前に建立されたいう青方神社が舞台。日本の伝統舞踊で、400年以上の歴史があり、国の無形民俗文化財にも指定されている。畳2帖のスペース、入れ替わり立ち替わり村の人たちが太鼓と笛に合わせて舞う。

華やかな衣装、中には仮面をつけて踊る舞もあった。地域のお祭りには町村の人しか参加できないものと以前に聞いたこともあった。
この神楽はとてもオープンで、写真も録画もOK。保存会の人が快く迎え入れてくれた。あっという間の1時間だった。町に暮らす人たちは子供の頃から親や祖父母から学ぶらしい。

「必ず訪ねるべし」と知人に勧められた五島ジンでは、見学ツアーに参加した。


大手酒造メーカーに勤めていた3人の方が五島に移住して立ち上げたという。この地を選んだ理由、こだわりの製法、蒸留所を立ち上げるまでのお話を伺って、普段口にすることのないジンを大切に抱えて持ち帰った。

そういえば、蒸留所の外壁は炭焼きした焼杉(やきすぎ)だった。炭化することで材木が丈夫になる。(私もやったことがあるぞー)と繋がりを感じて無性に嬉しくなった。


長崎では市民力・職員力エンパワーメンターとして活躍される方にも会いに行った。「自分のことではなく誰かのためにと活動していると、みんなが応援してくれるようになる」「現場に足を運ぶ。自分で現場に訪ねてみないとわからないでしょう」と力強い言葉をもらった。

「スイッチを「オン・オフ」する時間」もいい。
そうなんだけれど、「オン・オフ・オン」を連続させると、黒でも白でもなく「グレー」になる。いろんなグラデーションが生まれる。こんな時間がいい。







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