忘れないうちに
私はいつも忘れてしまう。そして悪い考えに捉われてしまう。
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愛はきっと、相手の幸せを願うことなのだと思う。
幸せにするのが、自分じゃなくても。
それは歯痒くて、苦しくても。
自分の気持ちよりも、相手の気持ちを大事にすることなのだと思う。
自分の苦しさをそっと置いて、相手の幸福を願うことなのだと思う。
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なんて難しいのだろう。
好きなほど、自分が幸せにしたいと願ってしまう。
自分が隣にいたいと思ってしまう。
でもそれは、エゴだよね。
一緒にいて相手が幸せでないのなら、離れた方がいいのだ。
誰にも誰かを閉じ込める権利なんて、ないのだから。
優しい人ほど、我慢してしまう。
口に出さず、飲み込んでしまう。
私は好きな人に、幸せな気持ちで生きて欲しい。
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好きだったあの人は、今、幸せなのだろう。
私にかけた言葉の残酷さをずっと呪っていたけど、私はあの人を嫌いになることができない。
だから、少し離れたところから、幸せを願うことにする。
それが愛だと、自分に言い聞かせながら、ただ願うよ。
きっと貴方には少しも必要ないことだと思うけど。だってもう幸せだから。
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いつか愛が、憎しみや悲しみを上回りますように。
未来の私と貴方が、それぞれの人生のうえで、笑っていますように。