見出し画像

毎年半ズボンを履いて思うこと

2020年5月19日(火)雨のち曇り。一瞬晴れ間があったけど、基本的にどんよりとした1日。湿度が高いためか、空気が肌にまとわりつくようなあの感じ。

というわけで、今日は今年初の半ズボンを着ている。

1ヶ月ほど前に一宮の服屋さんで購入した新品。

Instagramで見ていて気になっていた半ズボン。問い合わせてみると、「とても履きやすいですよ!サイズもデザインも菅沼くんにぴったりだと思います」とのこと。ちょうど10年になるお付き合い。ありがたいことに、サイズも好みも把握してもらっているから通販でも安心。互いに顔が、表情が浮かぶのが良い。

紺色の半ズボン。膝上20cm?はあろうかという、THE短パン。テニス選手が履いてそうなイメージの形だ。アメリカ海軍がトレーニングするときに使用するものだとか。どおりでNAVYのロゴが。シルバーの反射板のような色味のシンプルなデザイン。ポッケもついている。

まったく張らない。かといってふにゃふにゃでもなく、程よいパリッと感もあって街中でも履きやすい。インナーも内側に付いてるから、へんな話、すっぽんぽんでも履けてしまう。まことに変な話だけど。インナーの有無では安心感がちがうのだ。いまさら大きな声でいう話でもないけれど。

水着のインナーだとパツパツで余裕がないイメージだけど、これは素材がやわらかいから、余裕であぐらをかけてしまう。現にいま、椅子の上であぐらをかいてコレを書いているけど、窮屈さは感じない。非常に優れている!店主の言っていた履き心地は想像以上だった。


今朝、半ズボンを履いてハッとした。

「あれ?毛濃くなってる」

実際に濃くなったのか、半年ほど長ズボンで隠れていて、久々に目の当たりにしたからそう見えるだけなのか。脚の毛が濃くなっていると感じたのだ。(もちろんお風呂のときは脚は露わになっているけど、まじまじと脚を見ることはない)

おニューの半ズボンを履いてみると、どうしても裾から伸びた二本の脚も視界に入る。とくに太もも。「こんな色白かったっけ?」「ちょっと太くなったかも」そして「あれ?毛濃くなってる」と立て続けに。毎年半ズボンに脚を通す度、こんなようなこと思ってる気がする。確信的半ズボン三大感想。


個人的な話だが(いまさらなにを断ってけつかる)、高校時代はバスケ部だった。それなりに一生懸命部活動に打ち込んだ方だ。バスケ部が履く半ズボン、いわゆるバスパンを履いて、毎日汗をかいていた。あの時分は一年中、半ズボンを履いていたんだよなぁ、ととりたてて感慨深くもなく、ただただ思う。



そのことに気づいたのは、大学に入ってしばらく経った頃だった。暑さを感じるようになった今頃の季節だったかもしれない。

部活には入らず、めっきり運動量も減った大学生活。バスパンも押入れの中。

久々に短パンを履いたときだった。

それまでも膝から下はそれなりに毛はあった。が、なぜか太ももだけはまったくなかった。とくに不思議に思うこともなく過ごしていたのだが、初めて対面した瞬間、驚いた。

なぜ急に生えだした?すぐには理由はわからなかった。よく観察していると、境界線のようなものがあることに気づく。明らかに古株がひしめくエリアと、ういういしい生えたてのエリア。その濃淡でうっすらと浮かび上がる境界線だった。

そこで、ピンときた。

"ひょっとして、半ズボン?"

そのラインは、ちょうど半ズボンを履いたときの裾の位置だったのである。つまり、こういうことになる。走るときにバスパンと太ももが擦れて、毛がちぎれていた。言い換えれば、バスパンによって、知らず知らずのうちに脱毛されていた。だから、太ももに毛がなかった。

思わずバスケ部の仲間に連絡をとりたくなるほど地味に興奮したのを覚えている。

これが人生初の「あれ?毛濃くなってる」である。だから何だ!と言われたら返す言葉もないが、毎年初めて半ズボンを履くたび、なんとなく思い出してしまう話である。還暦を迎えてもなお、きっと、毎年同じように。


おかしな話をしてしまったついでに、最後にひとつだけ。
よく体育館の床で見かけるちぢれた毛。あれは、バスパンによって根こそぎ引きちぎられた男子バスケ部諸君の汗と涙の毛晶であることも付け加えておきたい。

青春とは、つるつるの太ももである。

メイビー。

いわゆる〈投げ銭〉です。noteを気に入ってくれた方や応援したい!と思ってくれた方はぜひサポートをお願いします!また風景写真の代金の支払いもコチラからお願いします。