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「時間」は宇宙と共に



「限りある時間の使い方」(オリバー・バークマン著)という本を読んでいる。
タスク管理、タイムマネジメントに対する考え方を根底からひっくり返すような本だと思った。
まだ途中だけれどとても面白い。

ふと時間について考えた。

日月火水木金土は紛れもなく、
太陽、月、そして惑星達、火星、水星、木星、金星、土星
の意だ。

一日の「日」は太陽が天球を一周する(=地球が一回転する)時間を指す。

一ヶ月の「月」は
月の満ち欠けが一周する時間を指す。

一年は、地球が太陽の周りを一周する時間を指す。

何気なく使っている「日付」というもの
何年、何月、何日、何曜日。

これらの言葉は天体が元になっている。
そんな当たり前のことを時間に追われる毎日を送っていると忘れてしまう。

科学の進歩と共に、人類は宇宙の謎を解き明かした。

同時に、人類は宇宙から遠ざかった。

夜空に浮かぶ星々は、今や何の役にも立たない光の粒だ。

太陽はなくてはならない存在だと分かるけれど、

月や星なんてものは、もはや「ロマンチックなモチーフ」である。

(実際はさまざまな影響を地球にもたらしている、特に月は生物や海に働きかける)


科学が発展していなかった時代、夜空の存在なくしては人々は生きられなかった。

太陽の周りを地球が回っているということすら知らなかった時代。

地球が球体であるということすら知らなかった時代。

我々は球体の中にいて、星々はその丸い天井に貼り付いていて、それがぐるぐる回っている、と思っていた時代。


そんな時代の人々は、現代の誰よりも、宇宙に近かった。

星々は地図であり、未来の指針だった。

そして何より、そこには物語があった。

しかもその物語は単なる空想ではなく、人々の中に深く浸透して信じられ、今でいう科学と同じような立ち位置にあったのではないだろうか。


私はそんな時代に想いを馳せるようにして物を作っている。


その名残が、刻一刻と過ぎ去ってゆくこの「時間」

を指し示す言葉に今も表れている。



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