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2023.5 村上春樹ライブラリー初訪問|ミュージアムではなく"ライブラリー"である

2021年10月の開館以来ずっと行きたかった場所が『早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリー』

先日やっと訪問できたので、noteでシェアしてみる。

写真で紹介

まずは写真で館内外をご案内。

正面入り口には、一風変わったトンネルのような門(庇)が付いている。


中に入ると、木の曲線でできた美しいエントランスが。

白い人形がコミカル
下から見上げた構図
上から見たところ

美しくて、ずっと見ていたくなる造り。

「オーディオルーム」では、村上春樹が好む音楽を聴くことができる。


廊下にはこんなソファがいくつかあって、とてもキュート。中に籠って本を読みたくなること請け合い。


こちらは、春樹ファンには嬉しい著作年譜
「自分が初めて読んだ本は、何年発行のどれだったっけ?」
と探したくなる。


こんな一角にも、なんだか「村上春樹っぽい」雰囲気を感じる。


「ギャラリーラウンジ」
も、木の落ち着いた雰囲気でとっても素敵。

ファンにはたまらない著作一覧


ライブラリーの横(出て右手)には、村上春樹が在学中に通ったとされる「坪内博士記念 演劇博物館」がある。

この建物も素敵すぎる
推し活の企画展が今っぽくて気になる…

感想

私は何度か「村上春樹ミュージアム」と言い間違えていたのだが、ここは明らかにミュージアムではなく"ライブラリー"だと思った。

展示されている貴重品はもちろんあるものの、漂う雰囲気が「見るだけ」ではなく「本を読んで世界観に浸るための場所」だからだ。

作家・村上春樹にまつわる場所だからこそ、読書好きが自然と集まってしまう空間に仕上げられていると感じた。

アーチなどの建築要素も素敵で、建築ファンにも一見の価値あり。

私と村上春樹作品

そもそもなぜ私は村上春樹の本が好きなのだろう?

自分は特に「ハルキスト」ではないと思っている。いの一番に新作を読むこともなければ、著作の収集もしていない。

高校時代にたまたま学校の図書館で『村上春樹全作品 1979~1989 ④世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を手に取ってハマり、『ノルウェイの森』『スプートニクの恋人』『アンダーグラウンド』などを次々と読んだ。

特に、地下鉄サリン事件を扱ったノンフィクション『アンダーグラウンド』はとても印象的で、宗教研究をライフワークとしている自分にとってはすごい衝撃があった。

大学で上京した後しばらくは友達もできず、初めての1人暮らしも寂しく、毎日つまらなかった。家で『ダンス・ダンス・ダンス』の文庫本を読んで気を紛らわす日も多かった。

そんな感じで、村上春樹は「若い頃に偶然出会った作者である」という印象しかない。

ただ、その独特な文体や孤独を愛する雰囲気のようなものに惹かれ、結局ずっと読み続けている。流れるような文章に身を委ねているとなんだか心地よいから。


きっと、1人1人が違う感想や印象を持っているだろう。それが村上春樹の不思議なところであり、魅力なのではないだろうか。

村上春樹ライブラリーも、多くの方に訪れてほしい場所である。今のところ事前予約が必要だが、無料で入れるので是非。

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