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風邪の通り道〜左右開弓〜

立冬を過ぎ、早くも雪の便り。
先日、熱と喉の痛みで近所のクリニックに電話すると「今は大人の発熱外来は受け付けてないんですよ、すみません。」

そういえば。
コロナ禍中コロナどころか風邪の一つもひかなかった自分を褒める。

しかし人生、何事も経験だ。
大病院の発熱外来テントを訪問し今更ながら人生初のコロナ検査をする。

近代史に残る疫病の混乱の中でライフワークが揺らぐほど影響を受けたが罹患はしなかった。この出来事を子々孫々に語り継ぐ時のために今この機会が与えられたのだろう。

・・・というよりも、この関所を通らなければ近所のクリニックにも行けないのだから仕方が無い。

結果、陰性。
でしょうね。微熱程度の中途半端な症状で、ただの風邪だと証明されたらもうそれで一件落着だ。しかし大病院は診察のため内科の待合室に行けという。
待つこと3時間。病院のWi-Fiを利用してnoteのエッセイをひとつ書き上げても未だ名前を呼ばれない。微熱ごときが黙って待っとけ感が半端ない。

うちに、
帰って、
寝たいんじゃ。

私は受付に行きこう言った。
「コロナじゃないしもう帰っていいですか?」

・・・いいはずがない。


風門(ふうもん)

背中の上のほう、肩甲骨のちょっと上あたり。風邪(ふうじゃ)はここから身体に入ってくるという。
「あなたの風邪(かぜ)はどこから?」という薬のCMがあるが、のどや鼻などにくる前に、まずは風門(ふうもん)がゾクゾクっとするはずだ。

風門を温めよ。先生のおすすめはこんにゃくシップだが、風門にはどうやってこんにゃくを固定したらよいのか。熱にのぼせながらこんにゃくを持ってウロウロ歩き回るのも嫌なので、ホッカイロを貼る。

かぜです。ただのかぜです。。。しかし3~4年ぶりのかぜは骨身にこたえる。

左右開弓(ずぉようかいごん)

練功十八法の2番目の動作。
先週の教室では風門を冷やさないように、凝り固まらないようにと練功したのだが、家で続けていないから風邪をひくのだ。

一見、オードリーの春日さんみたいな動きに腕や肩の運動だと思いきやそうではない。背中で箸を挟めるくらいに肩甲骨を本気で寄せる。背中に寄せた両ひじを地面に向けて腕を垂直にすると同時に、腰を反らずに胸を開く。
そして肩甲骨を緩めて背中を開くと腕が勝手に前に出る。肩の力を抜いて、肘をはらずに鼻の前で三角形をつくる。

本気でやると背中が筋肉痛になる。

道は一つではない(左右開弓の意味)

寝不足やストレスなどにより免疫が下がるのも風邪の原因の一つ。ゆったりとした気持ちでよい睡眠をとるためにも効果的な左右開弓。

左右の手で弓を射ることができる→同時に幾つかの仕事を行なう。代わる代わる異なる方面の仕事をするという意味を持つという。

一つのことに一生懸命に取り組むのは悪いことではないが、仕事の種類や相手によって対応を変える器用さや、うまくいかなかったときには違う方法を試せる柔軟さも大事。そう、同じゴールでも道は一つではない。進む道が行き止まりでも悲観するに値しないし諦めるのはまだ早い。
 
肩ひじ張って浅い息をしていないで、周りをよくみて地に足をつけ、ゆっくりと深呼吸して、

道を探そう。違う道を。「この道一筋ウン十年」という人だって、後ろを振り返った時の足跡のことであって、行く道は一筋縄にはいかないのだから。
左がダメなら右。パンプスを脱いでスニーカーに履き替えたら新しい道の新しい景色が見えてくる。


行雲流水


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