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女として生まれたからには夜の世界を覗いてみることに損はない

「昔のツテでね、北新地でいま女の子を教育してるの。その手伝いをやってくれない?」

アキにそう言われたユウカは快諾した。もともと、こんな豪邸にタダで住まわせてもらっているのだ。何かお返しをしないと居心地が悪いと思っていたところだ。

お昼になるのを待って、アキの運転する車に乗って、大阪に向かうことになった。白いセダンタイプの車が颯爽と六甲の山を下る。一切飾り気のない無骨な車でも、アキが運転していると樣になる。助手席に乗っているユウカは、アキの馴れたハンドルさばきに安心して身を委ねていた。

アキは運転しながら、ユウカの職歴を聞いた。

「ユウカは東京ではどんな仕事をしてたの?」

「どんなって、普通のOLですよ。毎朝、7:00に家を出て8:00ごろに会社について、皆が着く前に色々準備するんです。その日の会議の資料とか、前日に言われていた事務作業とか」

「へぇ。仕事は真面目にやってたんだ」

「普通ですよ。それで午前中の仕事が終わるとランチ休憩に入ってました。時間が決まってるから11:45から12:45の間に、食事を済ませるんです」

「そんなきっちり決められているんだ。さすが東京のOLさんだね」

「それで午後は会議と営業報告のまとめかな。前の会社はメーカーだったから全国の工場への発注伝票の作成とか」

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