見出し画像

「共感」という原動力

約1年間の協働を通じて、社会起業家が抱える課題等に一緒に取り組んでいく協働事業「びびんこ」。
ソシオファンド北九州では、毎年、1~2団体の社会起業家と協働事業に取り組んでいます。

そんな協働事業「びびんこ」でよく質問を受けるのが、
「協働先はどうやって決めているの?」
というもの。

これまで、毎年多くのみなさんにご応募いただいている状況のため、協働先を決定するための選考を行っています。

選考では、次のプロセスを約半年間かけて行います。

①募集
 協働を希望する社会起業家に申請書を提出していただきます。団体概要や事業を始めるきっかけになった原体験、目指す社会などを記入していただきます。
②サイトビジット
 申請者の活動拠点に伺い、申請書だけでは読み取れない部分を、直接お会いしてお話を聞きます。
③一次選考
 ①と②をもとに、二次選考に進む団体を決定します。
④プレ協働
 約2ヶ月間かけて、社会起業家とソシオファンド北九州のメンバーが一緒に、二次選考のためのプレゼンを作成します。
⑤二次選考
 社会起業家によるプレゼンを聞き、協働先を決定します。

ご申請いただいた社会起業家の方にとって負担が大きいかなと思いつつも、同時に、私たちメンバーもしっかりと時間と労力をかけて選考を行っています。

では、この選考過程で私たちがどういった点を重視しているのか?

そらは次の4点です。
 ・起業家としての素養
 ・取り組む社会課題の捉え方
 ・課題解決の手法
 ・ソシオファンドが提供できるリソースと協働内容のマッチング
メンバーそれぞれが、4つの視点を持ちながら選考を行います。

実はここには挙がっていませんが、もう1つ大きな基準があると考えています。

それが「共感」です。

メンバーが、「この社会起業家と協働したい」「この人を応援したい」と思えるほどの「共感」。
約1年間という長い期間を、社会起業家と一緒に悩み、考え、汗をかく。時には一緒に喜び、時には真剣に議論する。

そんな協働作業に取り組むには、4つの視点に基づきながらも、やはり「共感」がなければできないと感じています。

この「共感」こそがメンバーを動かす原動力だと考えています。

とはいえ、「共感」のポイントはメンバーそれぞれ。
取り組む社会課題であったり、その解決方法であったり、社会起業家自身であったり、そのスタッフであったり。

そのため、これまで7年間で協働事業に取り組んできた社会起業家の事業分野も多岐にわたります。
障害者支援、農業、幼児教育、高齢者支援、産前産後ケア、介護、フードロスとさまざま。

まとまりがないと言われてしまいそうですが、私自身はこれこそが健全なことだと感じています。

それぞれのメンバーの置かれている状況は様々なので、関心を持っている社会課題も人それぞれ。
子育てをしているメンバーもいれば、介護を身近に感じているメンバーも。芸術・文化に関心があるメンバーもいれば、教育を重視しているメンバーも。
そして、その状況は日々変化していくので、関心事も移り変わっていきます。

そんなメンバーの変化が、それぞれの「共感」にも影響し、その結果として協働先の多様性に表れている。そう考えると、様々な分野の社会起業家との協働は健全なことなんだろうなと考えています。

これから先、メンバーの「共感」がどんな社会起業家との協働を実現するのか。
そんなことを考えると、ワクワクしてしまいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?