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3Dスキャナを有効活用?

馴染みの釣具屋から、
「たまに、自分ピッタリのグリップ(釣竿の握る部分)を作ってくれって注文受けるけど、採算合う訳ないんだよねえ…」と愚痴られた。

確かにグリップは複雑な形状で、握る部分の太さや指をかけるところのエグり具合、など等こだわり所が沢山ある。
木や樹脂を削り出して、お客に握り具合を確かめさせて、手直しして…スムーズに進めばいいのだが、
「やっぱり、もうちょっと太い方が良い。」とか言われたら、またイチから作り直しになる。
釣具屋にとっては1年に1回あるかないかの単発の仕事だ。できるだけ時間をかけたくないのが本音だろう。

そんな話を聞いた私は、趣味で3Dプリンタと3Dスキャナを使っているため、なんか良い感じで効率良さげな試作システムが確立できないか試してみることにした。

お手本にする既製品のグリップ
左:スキャンデータ、右:作成したモデル
左:既製品のグリップ、右:3Dプリンタで出力

3Dスキャナ:Revopoint MINI
3Dプリンタ:FLASHFORGE Adventurer3Lite
3DCAD:Fusion360

3Dスキャンの際にはAESUB Blueというスキャンしやすくなるパウダースプレーを使用した。吹きかけるとマットな白色になる。昇華型のため一晩置いておくと掃除いらずで元通りになる。
(私の使用した3Dスキャナは光の反射で形状の情報を得るタイプだったため、金属光沢のある物や透明な物のスキャンを苦手とする。そのため今回はパウダースプレーを使う必要があった。)

結果、複製することに成功した。モデルを作成した上での複製のため、太くしたりエグリを大きくしたりなど寸法を変更できる状態になった。
今回はここまで。後工程の塗装、コーティング等はルアーを作る要領と同じで問題ないとして、次回注文を受けた時に試してみる。
材質の耐熱温度に不安が残るため、DMMなどのプリントサービスを利用して、実用強度・耐熱温度に問題のない材質の検討も必要になるかもしれない。

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