2022/01/06の記録

雪が降った。

帰りの電車の心配をする職場の人たちの声を聞きながら、私はあの芯まで冷えるような寒さや、足を雪に沈める時の感触を思い出していた。
帰り道にまだ踏まれていない真っ白な雪がありますようにと考えている大人気ない自分は出さずに、帰り道気をつけてくださいねと、早引きする後輩に話しかけた。

寒いのは実は結構好きだ。
風が強くない寒い日が私は好きだ。

息を吸い込むと肺いっぱいに冷たい空気が満ちる、そんな寒い空気はどこか透き通った水を飲んだ時のような心地になる。
空気自体が冷えている日というのだろうか。
一体どこでそんなに冷えてきたのかといつも思う。

思い浮かべるのは、幼い頃マンションの下に積もった雪や、アイスランドのどこまでも広がる雪景色だ。

そんな雪の日、私は上着のフードをかぶりながら、花壇に積もったふわふわの暖かささえ感じるような雪を摘んだり、丸くしてみたりしながら夜道を帰った。

真っ暗な空から、さらさらとした雪が降り注いでくるのがなんとも不思議でならない。
翌朝の踏み固められた雪にはヒヤヒヤとさせられるが、頬にぴたりとくっつく雪のかけらを私は嫌いにはなれないようだ。

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