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#4 奥山由之×edenworks「flowers」展

渋谷を少し歩くと見えてくるPARCOの中で、ひっそりとその展示会は開かれていた。
印象的なピンクのDMを街で見かけ、ふとタイトルを見ると「flowers」の文字、灰色のビルの中でそれは柔らかな花のような印象を受けた。

引っ越してから、乗り換えで毎日使っていた渋谷だったけれど、そういえばPARCOに行ったことがなかったことに気がつき、ロフトの帰り道にふと立ち寄ってみることにした。

▽「flowers」展のDM

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企画展はふたりのクリエイターが関わっている。
ひとりは、生前に花を愛した祖母が暮らした家を、自身のアトリエとしている写真家・奥山由之。
もうひとりはフラワークリエイター篠崎恵美(edenworks)だ。

この企画展は、篠崎さんの花と植物を用いたインスタレーションで空間構成された会場に、奥山さんのプライベートワークな空間である祖母の暮らした家であるアトリエで撮影した作品が展示されている。

どこか懐かしさを感じさせるこの展示は、幼い頃遊びに行った祖母の家の庭を思い起こさせるような感覚を覚える展示だった。
ぼんやりとしたカーテンの光、水道からぽたりと水が垂れてゆく瞬間のような静かな愛おしさのようなものを感じた。

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奥に進むと、大きなガラスの扉の向こうに、小さな中庭のように植物に覆い尽くされた空間があり、石畳を一歩一歩進むと、その先にまた写真が飾ってある。一人しか通れないその空間でじっくりと作品と花を見つめることができた。

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展示の中には、小さな階段や、どこかの窓がある台所のようなもの、先ほどの中庭など、どこか家を感じさせるものが点在していた。

奥山さんの祖母へのまなざしのようなものをどこか感じていた。
展示会場では、棄てられるはずだった花たちがドライフラワーになって販売されていたりした。

写真展には色々な見せ方があり、「flowers」展は今まで見たものとはまた一味違った展示だったけれど、とても興味深い展示だった。

今は展示会にゆくのは難しい、だけれどまたこうやってふらりとどこかで行われている展示に足を運びたいな。
またいつか。

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