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事業用の口座の必要性

今回は、フリーランスの方が事業を行う際に
事業用口座開設の必要性について、紹介します。

中には、プライベート用口座と
事業用の口座を一緒にしている方もいると思いますが、
事業用口座を開設することにより、
得られるメリットを紹介しようと思います。

事業用口座の必要性

では、事業用の口座を作成することにより
得られるメリットは次の通りです。

・収支を把握しやすい
・通帳の明細をそのまま使用できる
・事業用の資金残高が明確

収支を把握しやすい

事業用とプライベート用の口座が一緒だと
入金や支払いが記帳されていても
事業用かプライベート用かの分類が必要となり、
収支を把握しづらくなります。

一方、口座が事業用だけであれば、
入金や支払いがあっても、
迷うことなく事業用となりますので、
事業の収支が一目瞭然となります。


通帳の明細をそのまま使用できる

こちらも、先程と似ていますが、
事業用専用口座であれば、プライベートの
収支が混ざらないので、
通帳の動きをそのまま使用して
会計処理をすることができます。

これが、事業用とプライベート用が混ざっていると
分類をしてから仕訳を入力することになります。

こちらは、次の章で紹介します。


事業用の資金残高が明確

こちらも、収支の把握と同様に
資金残高の把握がしやすくなります。

事業用専用口座であれば、
預金口座残高イコール事業用の預金残高となりますが、
プライベート用が混ざっていると、
事業用の預金残高が把握できず、
資金繰りを行うこともひと手間必要となってしまいます。




口座を兼用した場合の会計処理

それでは、口座を事業用とプライベート用に
兼用していた場合の会計処理の方法を紹介します。

例えば、次のような支出があった場合の
会計処理の手順を見ていきます。

1. 支出の内容を確認
2. 事業用かプライベート用かの分類
3. 上記の分類をもとに仕訳入力

支出の内容を確認

支出の内容は、通帳に記入されていれば、
特に難しくありませんが、
現金を引き出して支払った場合などは、
通帳からの情報では把握できないので、
領収証等を確認して、支出の内容を把握しましょう。


事業用かプライベート用かの分類

次に、支出の内容から
事業用とプライベート用の分類を行います。

当然ですが、事業用の支出の場合のみ
事業の必要経費に算入できますので、
プライベート用の支出は必要経費として
会計処理をすることはできません。

では、この場合はどのように仕訳するかですが、
事業主借」という勘定科目を
使用することになります。

上記の電気代がプライベート用であった場合は、
以下の通りです。

12/1 (借方)事業主貸 20,000 / (貸方)普通預金 20,000

この分類の作業ですが、
事業用専用口座ですと、分類する作業は不要です。


上記の分類をもとに仕訳入力

分類の後は、仕訳の入力を行いますが、
先程も触れましたが、
プライベートの支払いにおいて、
「事業主借」勘定で仕訳をする必要があります。

当然ですが、事業用の専用口座であれば、
プライベートでの収支を切り分けるので、
「事業主借」を使用する頻度が減ります。

その分、仕訳数も減少することになり、
事務に係る手間も減少させることができます。



生活費はどうするか

それでは、今まで口座を兼用していた場合に
生活費をどうするか迷う方もいるかと思います。

この生活費についてですが、
私は給与のように月の決まった日に
決まった金額を事業用口座から
プライベート用口座に支払う方法を
お勧めします。

こうすることにより、
必要以上に事業用資金を減らすことも避けられ、
生活費も一定金額でやりくりできるようにするための
管理もしやすくなると考えます。

個人で事業を行う場合でも、
毎月の給与のような形式によって
プライベートの資産形成を行っていきましょう。


口座の残高管理(資金繰り)

適正な資金管理を行う場合、
資金繰り表の作成は避けて通れません。

資金繰り表は、上記のような表を作成し、
予定の資金残高と実際の残高を比較しながら、
将来の資金残高を予測していきます。

口座にプライベートの収支が混ざっていると
この資金繰り表を作成する際に
難易度が格段に上がってしまいます。

資金繰りの観点からも、
事業用口座を作成するメリットは大きいと考えられます。

なお、適正な預金残高の
目安については、以下のブログを参照下さい。

現金預金残高の目安は? - スエナガ会計ホームページ (komachi-kaikei.com)



まとめ

今回は、事業用口座の必要性について紹介しました。

現状、口座の管理に苦労されている方は、
事業用口座の新設を検討しましょう。

格段に事務処理が改善されると思います。


なお、口座も目的を明確にして
作成すると、より効果が発揮されます。

口座を作成する際は、
以下のブログも参照下さい。

法人口座は利用目的を明確に開設しましょう! - スエナガ会計ホームページ (komachi-kaikei.com)


会計処理に迷った場合は、
弊社の「経理のしくみづくり」が役立ちます。

今回のように、事業用口座についても
ご案内できますので、気になった方は
弊社のホームページお問い合わせより
ご連絡下さい。



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