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売掛金の回収と仕訳

今回は、主たる事業を行い売上が計上された場合に、
計上される「売掛金」について
その売上げから回収までの流れや
仕訳について紹介します。

現金商売でなければ関係してくるかと
思いますので、対象となる業種は多いかと思います。

売掛金の仕訳と流れ

売上といっても、継続的に物を売ったりサービスを提供する場合もあれば、
請負のように、業務の完了の都度、請求書を作成し、
売上を計上する取引もあります。

いずれの場合も、
売掛金の計上から回収までは、
以下の仕訳により処理されることとなります。

では、以下にて簡単な例を紹介します。

1.9月15日に、注文のあったテレビ30万円を納品し、納品書と請求書を渡した。代金は、1か月後の10月15日に振り込みにより受領することになっている。

2.10月15日にA銀行普通預金へ代金30万円の振り込みが確認された。

さて、この場合の仕訳は、以下のようになります。

9月15日
(借方) 売掛金 300,000円 / (貸方) 売上 300,000円

10月15日
(借方) 普通預金 300,000円 / (貸方) 売掛金 300,000円

このように、「売掛金」とは、
商品を引き渡した時(9月15日)から
入金があった時(10月15日)までの間に
計上されている「未入金の科目」となります。

ですので、売上は上がっているが、
まだ現金化はされていない状態ですので、
決められた期日に入金されないことも想定され、
現金に比べてリスクも高い科目となります。

この後は、この売掛金の回収について紹介します。

なお、売上の計上基準については、
以下のブログにて紹介しておりますので
参照して下さい。

売掛金とは?その意味を分かりやすく解説します(売上計上) - 【広島の税理士】スエナガのブログ (komachi-kaikei.com)


売掛金の回収

それでは、先ほどまで売掛金の計上から
回収までの流れと仕訳を見ていきましたが、
これからは、回収について紹介します。

売掛金については、売上代金の未入金となりますので、
早く入金されるに越したことはありません。

ただし、いくら代金を早く回収したくても
取引を開始する際に「契約」により
請求書の締め日
支払期日
あらかじめ設定されているかと思います。

よって、一方的に支払期日より早く入金を
求めることは難しいことがほとんどです。

支払期日がきたら、
翌日には入金を確認するようにしましょう。

もし、入金がない場合は、
まずは「請求書が届いているか?」を確認するようにし、
丁寧に対応するように心掛けましょう。

なお、売掛金の回収までの期間ですが、
これは業種によりさまざまなので
一概に正解はありませんが、
できる限り、売上げた月の翌月末までには
入金されるように
契約を取り交わしましょう。

それ以上の期日を打診された場合は、
期間の短縮を交渉したり、
内入れ金を預かるなどの
対策をするようにしましょう。

売掛金の取引先が多くなったら

売上先が数件であれば、
請求書発行から回収までエクセル等で
管理することも可能でしょうが、
件数が増えてくると難しいことが想定されます。

残念ながら、このように件数が増えてきた場合は、
債権管理システムを導入することを
検討することをお勧めします。

最近は、請求書の発行や入金情報を
会計ソフトと連携できるシステムも多くありますので、
使い勝手と連携機能が充実している
システムを選ぶとよいかと考えます。


売掛金が合わないとき

無事に入金されても、それで終わりではありません。

まれに、請求した金額と入金額が
合わないこともあります。

その場合は、以下のようなことが考えられます。

・返品や値引きがあった
・売掛金の一部のみ入金があった
・振込手数料を引かれた

まずは、返品や値引きがあった場合です。

請求書に記載が漏れている場合や
請求書の締め切り後に行われていることも
想定されます。

納品書の控えなどを確認し、はやめに対処するようにしましょう。

次に、一部のみの入金です。

業種によっては、売掛金の半額を支払ったりする
場合も見受けられますし、
残りの半分は、手形ということもあります。
支払い条件については、取引開始時に定められている場合が多いので、
入金額が少ない場合は、取引開始時の書類を確認しましょう。

このような場合、
残高がいくらなのかの把握が重要で
相手方への請求書も
当月の売上だけでなく、売掛金の残高
記載するようにしましょう。

最後に、振込手数料です。

現在の商慣習では、多く見受けられます。
こちらについても、本来は相手方が払う場合は、
事前に振込手数料を負担してもらうよう
案内しておきましょう。

こちらも、取引が始まってから変更しようとすると
難しい場合があります。
やはり、こちらも最初にきっちりと取り決めておくことが
重要となってきます。


まとめ

今日は、売掛金の計上から
回収までを紹介しました。

特に、入金に関しては
入金が滞ったり、回収不能になると
資金繰りも悪化します。

取引先の財務状況把握など、
早め早めに対処することも
重要となってきます。

これも、入金期日の翌日に
入金を確認するようにすれば
早めにアクションできます。

入金の管理は適切に行っていきましょう。

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