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夜は自由の王国。

短針が9、長針が12という数字を指していた。ふと気になって時計を見上げると、ぼくに夜の9時であることを教えてくれた。スッと席を立って、模様替え中の荷物が散乱するリビングを通り抜けてトイレへ移動する。便座に座りながら、ぼくは考えた。

みんなこのくらいの時間ってどんなふうに過ごしてるんだろ?

電子書籍の取材やら会社の会議を経て帰宅したあと、ぼくの断食明けの回復食を巡って喧嘩。お湯で茹でただけのうどんに醤油数滴と梅干しを乗せて、野菜たっぷりの味噌汁と木綿豆腐一丁を食べる。そのあとはnoteの記事をツイッターとフェイスブックでちゃちゃっとシェア。そこからひたすら、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の世界に没頭する。そして本文の冒頭へ…。

夜は自由の王国だ。

すべての決定権をあなたが握っている。

ゲームをしても、ランニングをしても、音楽を聴いても、家族と団欒しても、仕事をしても、小説や漫画を読んでも、友人と飲み歩いても、勉強をしても、彼氏彼女とイチャイチャしても、副業に精を出しても、映画を見ても、なにをしてもいい。あなたの自由だ。

の、はずなんだけど、その王さま女王さまの権利を放棄している御方々がそこかしこに見受けられる。そうして、そんな奇特な人のひとりが俺さまである。

自由の王国の王さまでありながら、仕事の奴隷と化する。じぶんが高貴な王であることを忘れ、身を粉にして汗水垂らして働く。その妃である奥さまの証言もあるので、確かなことなのであろう。

さて、おふざけが過ぎた。でも個人的には笑えない部分もあって、夜の時間はこれをするものだ、とパターン化されてしまっていることがある。そんなことに気がついたのだ。

忙しさが続いたり、ダラダラが続くと、人は惰性に流されてしまう。なんとなーく仕事をし続けたり、なんとなーくテレビやゲームをやり続けたり、ね。自主性みたいなものを、いともたやすく手放してしまうのだ。

ほんとうは、どんなふうに過ごしたいんだろ?

折に触れて、そう問いかけるようにしようと思った、ある冬の夜。

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そんな今日明日の夜は二夜連続、浅生鴨さんのトークイベントに遊びに行ってきます。今日(3/7)の分は満席、明日(3/8)の分はまだ席があるみたいで、糸井重里さんとのトークライブ。ぜひみなさんも、( きっと )おもしろい夜をたのしみましょう。


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