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誰がために鐘は鳴る。

人にはそれぞれ特有の習慣というのか( 癖というのか )、そんなものがある。たとえば、割り箸の袋を折りたたんで、箸置きへと進化させる人がいる。朝起きて真っ先にテレビをつけて、シャコシャコ歯磨きをする人もいる。

ぼくの場合、( 自ら認識があるものに関していうと )夜寝るときに枕元に本を置いて眠る。これは小さい頃からの習慣だ。古くは小学生時代。枕元にあったのは『スーパーマリオくん』というてんとう虫コロコロコミックスの漫画本だったし、『ポケモン』や『マザー2』などゲームの攻略本だった。中学生くらいになり、勉強の参考書になり、佐藤雅彦さんと竹中平蔵さんの『経済ってそういうことだったのか会議』などの実用書に変わった。

奥さんのご両親の自宅に増設された布団の枕元にも、やっぱり本を置いていて、ふと笑ってしまった。などと書いていて思い出したけれど、フランス旅行のときにも置いてたな。確かそのときは、『グレート・ギャッツビー』と『ボクたちはみんな大人になれなかった』だった。

さてここ数日の枕元には、ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』が、そっと。( あまりにも有名すぎて )何作かは読んでいるつもりになっていたが、ヘミングウェイの小説には初めて手を出した。

いま個人的に、こんなことをやっている。

そこで、読むなら古典小説がいいな、と思った。ある日のぼくは何するともなく彷徨う街の本屋さんに入り、目に飛び込んできたのがアーネスト・ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』だった。

・・・ハマった。簡潔でわかりやすい文体。その場面の映像が克明に浮かんでくるような描写。個人的な嗜好にばっちりと合った。このGW、ちくちくと読み進めることとしよう。

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