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朔日参りの不思議な話

四柱推命占いで「あなたは4月と5月は運気が弱い傾向がありますね」と言われたことがある。確かに両親は4月と5月に亡くなっているが――こういうことに囚われだすと、考えたとおりの現実を引き寄せる。迂闊に呑み込まれないほうが良い、と考え直した。

今日から水無月。つまり、これから10か月は運気上昇の時期なのだ(と面白く考える)。気合を入れて朔日参りに出かけることにした。

道々、いろいろなことを考えた。最近、もの忘れがひどいのは人との接触が少ないからだろうか。少し知らない人と話す機会を増やしたほうが良いな。

自宅最寄り駅のホームで、リュックの中をまさぐっていたときのこと。
後ろから「あの、これ落としましたよ」と若い女性がマスクケースを拾って渡してくれた。冷や汗をかきつつお礼を述べる。・・・これは、神様が私の願いを早速叶えてくれたということなのだろうか。

穴守稲荷駅に到着した。例によって道筋がよくわからない。スマホで調べてもいいが、一番わかりやすいのは掲示地図だ。駅前にあった掲示地図を発見し、嬉々として見入っていると、またまた後ろから若い女性に声をかけられた。「あの、服の後ろに何かついています…」えっ!とロングパンツを振り返ると、白っぽい何かが付着している。洗剤の粉らしい。家から全然気づかずにこの格好で来てしまった。お礼を言って慌てて手で払うとすぐ落とせた。
「あっ、綺麗に落ちましたね」と心配顔のお姉さんが、にっこり笑ってくれた。良い方だ。再度お礼を述べる。

・・・これも神様が「知らない人と話す機会を増やしたい」という願意を叶えてくれたということなのだろうか?若い美人に親切にしてもらって嬉しくありがたい反面、ちょっとこれでいいのか私?という疑念もわく。

いえ、気にかけていただくのは嬉しいけど、やっぱり他人様のお役に立ちたいんです。こじんまりでいいから、そういう邂逅はないかなあ…と神様に祈ってみた。

穴守稲荷神社

穴守稲荷神社、玉川弁財天を参拝し、その後に電車で移動。
築地市場駅で下車し波除神社、築地本願寺を参拝。

私はあまり予定を決めない。この日は「穴守稲荷神社」参拝だけ決めていたが、後の行き先は感覚任せ。あまりカチカチに詰めると参拝に専念できないというか、気持ちに余裕がなくなるからね。

予定を組まずに参拝していたら、お昼の時間を大分過ぎてしまった。しかし、築地は盛況過ぎる。13時半時点で、どこも満席か品切れなので、門前仲町まで移動することに決めた。
ついたちは、富岡八幡宮と深川不動堂の縁日なのだ。

門前仲町に到着し、ある和食の店に入店した。
カウンターに腰を掛け、リュックの中に入れた漢方薬を出そうと、一度財布やスマホや手帳などを膝の上に置いた。薬を出し、手に持っていた荷物をリュックに戻した。

ここからが不思議な話。

膝から何かが滑り落ちる感覚があり、重みが遠のいた。
床に「ばしん」と何かが叩きつけられるような音が響く。
咄嗟に、財布かスマホを落としたか?と覗き込んでみると、蛇窪神社の福銭が一枚、床に落ちていた。さっき財布を出し入れするときに、膝の上に落ちたものと思われる。

そこまでは説明がつく。

不思議なのは「落下音」だ。硬貨特有の「ちゃり~ん」という軽やかな音ではなく、それなりに重量のある音だった。それに、落ちた瞬間、明らかに私の膝の上がふっと軽くなったのだ。福銭一枚の重みではなかった。
本当に、落としたのは「福銭」だけか?と床を凝視したが、他に何も落ちてはいなかった。念のため、自分のリュックから何か消えていないか調べたが、財布もスマホもその他貴重品もすべて入っていた。

よくわからないが、多分福銭が厄災を落としてくれたのだろう。
或いは、ずっしりとした金運到来のお知らせか?
いずれにせよ、自分の中では吉兆と決めたので、これは吉兆だ。

富岡八幡宮

ご飯を食べた後、深川不動堂と富岡八幡宮を参拝。
帰りに欲しかったある商品を見つけることができた。門前仲町に立ち寄って良かった。


縁切榎

最後に、縁切榎を参拝。
日ごろの感謝を伝えた後「こじんまりと他人様のお役に立てますように」と祈らせていただいた。
お参りを終え、鳥居のところで頭を下げたところで、お社の近くで絵馬を書いていた男性に声をかけられた。
「自分は手がうまく動かせないので、絵馬の紐を輪っかにしてもらっていいですか」もちろん!と快諾。
いつも思うのだが、縁切榎さんはものすごく仕事が早い。さっきお願いしたことがもう叶っている。

絵馬

紫の紐の先を結び、輪っかになるようにした。
「悪縁が切れますように」と言いながら渡したら、男性が一瞬驚いたような表情を見せ、嬉しそうに「ありがとうございます」と受け取ってくれたので、こちらも嬉しくなった。

今日は「穴守稲荷神社→玉川弁財天→波除神社→築地本願寺→深川不動堂→富岡八幡宮」のパワーをいただいているので、絶対に彼の悪縁は切れるし開運に向かうはずだ。

いや、今日は知らない人に親切にしてもらえたし、その恩送りもできたし、本当に神様はいるんだなあとしみじみ感謝。

…とここまでは良かったのだが。
はたと気づいた。
縁切榎の絵馬は、フックに引っ掛ける方式じゃなくて、ポールに結び付けるスタイルだった!

絵馬掛け所

・・・つまり、輪っかを作っちゃいけないのだ。ポールに絡ませて結ばないといけないのだ。ありゃりゃ。

う~ん。でも後ろの柵に引っ掛けておく手もあるし、多分何とかなるだろう。もしかすると件の男性も、そのつもりで「輪っかを作って」と言ってきたのかもしれないし。

振り返ると諸々ドジ過ぎるなと思いつつ、
でも幸先の良い、水無月はじめのようにも思うのでした。

今日出会った人たち、これを読んでくださる皆様に
たくさんの良いことがありますように。

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