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ニューヨークから息子とフロリダ州タンパに移住して今の私が綴れること


ここフロリダ、タンパに3歳の息子、犬と猫を連れてニューヨークから移住して2ヶ月が過ぎました。
今まで観光できた事もなければ、知り合いも友人もいない場所で小さな子供を連れて新しい生活をスタートするということは私自身が想像していたよりもずっと大変でした。

新居に入居して一週間後に息子が飛び跳ねる騒音がうるさいと下にある管理会社のオフィスから毎日苦情が入るようになりました。
それでなくても毎日慣れない地での新しい生活でバタバタしていたので、体の疲れもあったせいか精神的なストレスは相当なものでした。
その結果、管理会社から
『新居の向かい側のユニットの下は倉庫になっているから、どれだけ飛び跳ねてもいいから向こう側のユニットに移らないか?』
とオファーを頂き、引っ越して二週間目に又引っ越しとなったのです。
費用の請求などは一切されなかったのが不幸中の幸い…。
その時はニューヨークからの引っ越しを手伝ってくれていた息子の父親もニューヨークに帰っていたので私一人。
ありがたいことに、オフィスの人が引っ越しの手伝いをしてくれる男の人を一人呼んでくれ、私の負担が最小限になるように考慮して頂きました。
向かい側のユニットだったので右から左に全ての家具や荷物を移動するだけだったので予想以上にスムーズに行き、タンパ到着二週間後にやっと落ち着ける家ができたのでした。

ここフロリダ州はお店の中の屋内ではマスク着用の義務付けをしている企業が多いですが、屋外ではマスク着用の義務もないので個人の判断で決めることがます。
ロックダウンは最初の数ヶ月ですぐに解除したため、お店も普通に営業していますし、店内で飲食も可能です。
現実、屋外ではほとんどタンパの人はマスクを付けていません。
毎日通う公園でも子供達、保護者もマスクをつけていません。
タンパにあるローカルのビーチでも誰もつけていません。
ご高齢者の方が稀に付けていらっしゃいますが、それでもほとんどの高齢者の方も付けていません。

子供達が太陽の下でのびのびと走り回っている景色を見た時、小さな赤ん坊にまでマスクをつけなければ周りの視線が気になってしょうがなく、半年以上子供が遊ぶ公園や図書館が閉鎖されていたニューヨークから来た私は、苦労も多いけど移住を決めて良かったなと思うのです。

ちなみにワクチン証明書の発行についても、フロリダ州知事デサントスは『一般企業に州民の医療データが渡るということはプライバシーの侵害であり、更にワクチンを接種している人としていない人の差別につながる。』という強い声明を出し、アメリカ国内で最初に州内の企業や団体全てに対してワクチン証明書の発行を禁止しました。

https://www.youtube.com/watch?v=MiX9Tdb2ntI

https://www.cnn.com/2021/04/03/us/florida-covid-vaccine-passport-ban/index.html

https://www.sun-sentinel.com/news/politics/fl-ne-nsf-florida-passes-covid-vaccine-passport-ban-20210430-zntedskhd5ffboqx3dy2r7b4ny-story.html


その後テキサス州、アリゾナ州、アイダホ州、モンタナ州がワクチン証明書の発行禁止に続いています。
https://www.nbcnews.com/news/us-news/these-states-are-attempting-ban-or-curtail-use-vaccine-passports-n1264665?fbclid=IwAR2KVqWJEbZ1eVYlpfSoGBAac0BX77TwDBqBvS9E4Q-WzmLpbLLLaooRuhI

日本ではあまりしっくりこない方も多いと思いますし、どこまで日本国内で報道されているのかはっきり把握していないのですが、このワクチン証明書の発行について、ここアメリカは国を大きく二分化するほど論争を巻き起こしています。

私がこの記事を書いている6日前、フロリダ州知事は子供たちは学校でマスクをするべきではないとアナウンスをしました。
https://www.youtube.com/watch?v=mihtoZrttiw

それぞれの地域の行政次第で報道の内容もまったく違うのです。

FOXニュースはミシガン州でワクチン接種後の246人がPCRで陽性反応が出ているとはっきり報道しています。
https://www.fox5dc.com/news/nearly-250-fully-vaccinated-people-in-michigan-have-tested-positive-for-covid-19?fbclid=IwAR0GWVRrrqed6_ObTM7WpzRAYTgY5JJt-NQUu80gavGqOGzFy_3i9DA705I


アメリカという国は州独立法国家です。
最初に連邦政府が決めたことはそれぞれの州議会によって可決され、州が独自の州法を最終的には発令します。
なので州によって消費税がなかったり、中絶が違法だったり、ピットブルテリアという闘犬に利用されてしまう犬が飼えなかったり、死刑の実刑をしていなかったりするのです。
州が違えば文化や歴史も全く違い、政治的な考えも全く異なっているのです。

ここに住んで私が日々感じるのは日本のメディアが新型コロナ発生後、いつもアメリカの報道をする時はニューヨーク州やカリフォルニア州といった民主党の州(アメリカではよくブルーステイト、”青い州”と呼びます)の考えや社会の風習のみを報道するのは何故なんだろうか?という疑問です。

テキサスやフロリダやその他の共和党の州(レッドステイト”赤い州”)ではそれぞれの州知事が全く違ったポリシーをもって行政の指揮を執っているのです。
ここフロリダ州と2ヶ月前まで住んでいたニューヨーク州は、新型コロナの感染者が出た後もそれぞれの州知事は真逆の選択をし、指揮を取ってきました。

その行政が直接州民の生活に影響するのです。

この極端な2つの州に住んだ私独自の結果論を言えば、ここアメリカに新型コロナの感染者が出て1年以上経過した今、一方の州は治安が乱れ経済が止まりました。一方の州では治安はそのまま維持され、経済はロックダウンも最小限に抑えたため止まることもなく、他州からの移住者が激増し、不動産業、建築業は一年で40%利益が伸びたと言います。

それぞれの情報を自分の中でしっかり把握した上で自分が正しいと思う行動を取れる自由が今、世界中たくさんの場所で失われています。

どちらが正しい、正しくないというのではなく、私と息子にとっては以前よりも治安が良く、暖かく、家賃も安くなり、食材や子供服に消費税が一切かからないフロリダ州は単純に恵まれている環境と言えます。
人種差別のデモと言いながら無差別に路上の車を叩き壊す抗議活動が許されたり、ATMでキャッシュを下ろせないとか、ゴミを出した帰り道に襲われそうになったりするような2〜3ヶ月前のニューヨークに比べたらここはとても治安も良く、平和です。

もちろん長年住み続けたニューヨークの便利さを実感する時がありますし、今私が住んでいるエリアにはアジア系の住民がほとんどいません。
知り合いや育児の話をしあえる友達家族も今はいません。
長年住み続けたニューヨークにいるたくさんの知人たちにいつも会いたくなります。
無邪気に彼等に『フロリダに来て良かった!お店はどこもいけるよ!』なんて伝えられない私がいます。
ここ1年以上の生活の不便さや彼等が抱えてきた不安やストレスを痛いほど分かっているからです。
ロックダウンしていない州に住んでいても、息子は癇癪を起こし、夜泣きもするし、ぐずります。
どこに住んでいようが子育てが楽になる場所はないんだとはっきり確信しています。
この状況の中で世界中のシングルマザーの人たちに全く終わりのない見えない辛さがのしかかっているという現実も他人事ではありません。

賛否両論があると思います。

それでいいんじゃないかと思うのです。

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いろんな情報が溢れ出ているこの世の中、フロリダに住み始めて感じています。
それは政治的な意見、マスクの着用、ロックダウン、ワクチンの接種の有無、全てにおいて個人がそれぞれ正しいと思う選択をして行動する自由をもたらしてくれる社会が存在するという事。

逆の視点から見ると、稀にこちらで屋外でマスクをしている人を見かけますが、その人たちをおかしいとか、間違ってるなんて思うのも違うんです。
彼らはそれが自分自身や周りの人を守る正しい方法だと思って選んでいるわけで、他人の私がとやかく言ったりするのはもってのほかなのです。

だけど、暴動を起こしたり、マスクをつけていない人を自分勝手だと攻撃したり、ワクチンを打たない人は映画館やレストランにも行かせないようなルールを作って区別したり….という当たり前に行われている常識に今の私は恐怖を覚えてしまいます。
ある一方的な情報に基づいた行動をしない人やそれと真逆の事が正しいと信じている人たちを大きなメディアや社会から排除していくような社会のあり方に私は『ファシズム』を感じてしまうのです。

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