見出し画像

孤独なσ(゚∀゚ )オレグルメ#01 VANSAN津田沼店 -大学生活最後の晩餐-

実家から厳しい寒さと底知れぬ感染の波の渦中に戻って早2週間近くが過ぎた頃。1月20日に誕生日を迎えた自分は、それまでと何一つ変わらない、そこそこに忙しい日々を過ごしていた。

ただ、今日は違った。1月21日、この日は、いやこの日だけはせめて自分の好きに食べて飲んで本を読みふけって...そんな1日を過ごしたくて外に出た。世間では大寒が来たばかり、まだまだ寒い日々が続く中、前から目をつけていたお店目指してひたすらに歩いた。たどり着いたお店が「VANSAN」だ。

画像1

チーズにパスタ、ピザにトマト...まさにこの寒空そっちのけに「暖かさ」を感じるイタリアンパワー全開のお店だ。広告や開店前の店の雰囲気を、バイトの帰りがてらずっと気になっていたお店で、件の宣言時に一度お弁当を買って帰ったことがある。あの時のお弁当を食べて「この店は間違いない」と確信していた。

店内は落ち着いたカントリータイプの家具とワインボトルを再利用したシャンデリアが出迎えてくれる。はいったのは昼時だったが、人もまばらで適度に開いていて過ごしやすい環境が提供されていた。

メニューは現在の情勢のことを考慮してか、QRコードからブラウザーを使った、セルフオーダー制になっている。また後から聞いた話だが、現在全ての料理が出せていないとのこと、ランチタイムに入っていたがランチセットがなかったのも、おそらくそういうことなのだろう。少し残念と思った反面、今後の楽しみができたワクワク感もある。

とりあえずメニューを見る。肉料理から定番のピザ・パスタ、サラダに前菜、デザートとなんでもござれ。とりあえず初来店は豪華にいこうと決め
これだけのものを頼んだ。

頼んだメニュー
・生モッツァレラチーズとチェリートマトのカプレーゼ
・シチリアーナ
・黒豚ハンバーグ
・炙りチーズケーキ
・炙りイタリアンプリン
・レモネード/コーヒー

前菜・メイン01-素材の味が生きてる料理-

画像2

イタリア料理といえば、やはり出てくるのがトマトにピッツァ。私はイタリアンレストランに行った時初来店時必ずピッツァを頼むようにしている。前菜のカプレーゼ含め、イタリア料理において「トマト」という重要なポイントをどう料理するのかはとても気になるところだ。

まずはカプレーゼ。使われているチェリートマトのほのかな酸味と、モッツァレラのさっぱりとした癖のない味が特徴的で、癖という癖もなく美味しく素材の味を楽しんだ。

少し意外だったのは、主役を引き立てるオリーブオイルの風味が控えめだったことだ。でもこれはこれでOK。外は寒いが口の中は夏に戻った気さえした。

さすがトマト、トマトは偉大な夏野菜だ。よく「筋肉はなんでも解決してくれる」とか「筋肉に相談だ」みたいなことを聞くことがあるが、夏野菜なら筋肉がトマトに置き換わる。
「元気が出ない?そんな時はトマトに相談だ。」それくらい偉大な野菜だ。

お次はピッツァ、シチリアーナというちょっと聞きなれない品目だったが、それが逆に気になって注文した。チーズはのっていない、トマトの酸味とガーリックのパンチが効いた一品。シンプルだからこそ、前菜との食べ合わせで楽しさが幾重にも広がる、可能性を感じた味わいが面白い。

なるほど、チーズなしピッツァも全然いけるじゃないの。この店最初のお気に入り登録したいピッツァだ。
イタリア料理前半戦、胃袋の中の評論家も高評価な出だしに心が躍る。

メイン02-"幸福の爆弾"ハンバーグ-

画像3

ハンバーグ、、イタリア料理を食べに来ておいてハンバーグ?
心の中でそう思ったのだが、メニューで見たルックスに負けて、今回はパスタの代わりにハンバーグを頼んでみた。主食主食でお腹がいっぱいになるくらいなら、肉もつまみたい。そんな軽い気持ちでオーダーした。


鉄板の中でジュージューと音を立てながら煮立つデミグラスソースとそれを纏うハンバーグ。なるほどこいつは当たりを引いた、その瞬間脳が確信していた。今風に言えば、SSRの確定演出だった。


ハンバーグは子供から大人まで、いろんな人に愛されてやまない肉料理だが、その作り方がシンプルな割に奥深い料理だ。割と失敗もしやすいため、火を入れるまでのタネの中身の割合調整からこだわる人も多い。
このハンバーグは豚ひき肉と玉ねぎ、もしかしたらもう一つ入っていたかもしれないが、それくらいシンプルな、肉肉しいハンバーグだった。

可愛い見た目とは裏腹に、その味はハードパンチャーの一撃だ。豚肉と玉ねぎ、それぞれの甘みが引き立つとともに、適度の肉汁と濃厚なデミグラスソース。まさに三位一体の連携プレーが冴える。シンプルにうまいハンバーグだ。


そしてこれのお供のポテトがなかなかニクいやつだ。ステーキハウスでよく見るカントリータイプのポテトではなく、シューストリングな訳だが、これがデミグラスを捉えて離さない。その上ハンバーグの旨味を直に吸っていくので、一度ににこのハンバーグを食べている感覚になる。


ただただシンプルな、王道を征く味付けなのに、こんなに幸福感のあるハンバーグを食べたのは久しぶりだった。私の場合、肉には普段質より食べ応えの方を優先して選んでいたが、この考えを改め直すいいきっかけになりそうな味に出会えた。

サプラーーイズ!誕生日演出もうれしいお店

3品の料理に舌鼓を打ちつつ、ひたすら料理と自分だけの世界に浸っていた時、突然「Happy Birthday」の声が上がった。BGMもHappy Birthdayとお祝いムードを演出し、落ち着いた雰囲気の店内がしばらく華やかな空気に変わった。

ちょうど自分の後に来店した客が、バースデーサプライズを店に頼んでいたらしい。久々に人の誕生日を生で祝っている雰囲気に、自分まで祝ってもらえてるような、そうでなくとも関係ないこちらも祝いたくなるようなそんな温かい気持ちが蘇る体験に遭遇した。

思えばしばらく人の誕生日などのお祝いをしてこなかった。人同士のつながりが希薄になる中、こうしたサプライズは一際輝いて見えた。そうした今まで大事にしていた気持ちや思いを、再び思い出させてくれた出来事だった。

ライブ感と「映え」がやばい!炙りデザート

画像4

パンチを効かせた前菜とメイン2品のおもてなしが終わったら、いよいよお待ちかねのデザートの登場だ。デザートを持て来たウェイターのお姉さんが
「今からこちらの2品、バーナーで炙っていきます。カメラのご準備は大丈夫ですか?」と言われ、すぐさまスマホを構えてOKサインを出した。


バーナーで焼かれるチーズケーキ、さっきまで冷たそうにしていたのに、あっという間に美味しく焦げ目のついた一品に仕上がっていた。
もう一品のイタリアンプリンも、プリンの上に砂糖をかけてあり、炙ることでカラメリゼが完成。パリッとした表面を割りながら、音と味を楽しむ一品に早変わり。


実は筆者はこうしたライブ感ある演出がなされる料理を始めて頼んだ。
正直興奮した。これはいい演出だ。シズル感、炙る前と炙っている最中、炙った後までずっと楽しめるなんて、最高じゃないか。今度からこういうサービスしてくれるお店探していこう。


チーズケーキは炙りで溶けやすくなるよう、油分多めのチーズを使ったレアチーズケーキで、炙った部分と中の食感や風味の違いを、チーズの豊かな味わいを、思う存分に楽しめる一品だ。

一方イタリアンプリンは、いわゆるカスタードプティングというもので、炙ったことでできたカラメリゼとの相性は最高。カスタードの濃厚な味わいとカラメルの苦味で最強コンビが完成していた。

至福のデザートをいただきつつ飲むコーヒーがいいアクセントになって最高に旨い。コーヒーには砂糖とミルクがついていたが、あえてブラックで飲んでいた。というか、デザートの甘みとブラックコーヒーで優勝確定だった。


ハンバーグの"至福の爆弾攻撃"を受け、ほとんど評価の仕事が手につかなくなった評論家は、このデザートを味わった途端、評価メーターが振り切れるまで満点を叩き出していた。


まさしく店の味に胃袋を掴まれた瞬間だった。お世辞であったとしても、お店で食べた時は「また来ます」とよく言っている筆者だが、この時は本気でまた来ようという気持ちしかなかった。体が幸福感で優勝していた時、すでに胃袋は完全敗北を決め込み、この店の虜に堕ちていたのだ。

おしまい、そして書き始め

お会計を済ませる前、会員証の代わりにLINEでお店と友達になって得点を受け取ったり、アンケートに答えたりしながら、今回書く内容を練っていた。書きたいように、書けるだけ、でも誰かにあのお店の味を伝えられるような文章を書く。帰る頃には絶対にまた行くぞという思いとともに、この文章を形にしようと躍起になる自分がどこかにいた。


ふと、これを機に普段食べに言ったり、出先で食べて思わず美味しいと思った料理やお店について、こうして一筆したためてみようと思った。
普段の活動からでは明かせない一面を発信するというのも、悪いことじゃないかもしれない。
取り敢えず、この記事はあのお店を応援したい、その一心で書いた。
どうか現状にくじけることなく、お店を続けて欲しい。必ずまた行こう。

*お店情報*

画像5


店名:Italian Kitchen VANSAN(バンサン)津田沼店
住所:千葉県船橋市前原西2-33-7
行き方:JR津田沼駅からPARCO側に移動、大通りを通って十字路
    まで進むと、お店が見えて来ます
URL:http://vansan-ltd.jp/vansan/
備考:店舗ごとに出ているメニューに違いがあるようです
   テイクアウトにも対応。お店の味をご家庭でも食べられます!

あとがき

食レポとかじゃなくて、ただの素人が文章力をつけたいのと、単純にそのお店を応援したい(おすすめして盛り上げたい)という気持ちで書きました。正直それよりもwithARの回顧録はよって人が多そうな気もしますが、言葉や気持ちがまとまり次第、すぐに書き上げるんでそっちはもう少しお待ちください笑。


今回は行ったお店は間違いなく大学生一人で行くようなお店ではないけど、おしゃれで味もサービスもよくて、とにかく久しぶりに「行ってよかった」と思えるところでした。


実はよく料理をするので、食材の味はある程度知っているつもりでしたが、やはりまだまだ知らないことの方が多いようです。特に炙りデザート。レアチーズケーキは一度作ったことがありますが、炙りができるようなものを作ったことがないので、時間ができたらチャレンジしたいところですね。後プリンも。

ちなみに、カスタードプティングは焼き菓子で、私たちが普段よく食べる「プリン」は蒸して造られるものです。材料が同じでも、作り方次第でプリンも味や形も結構違います。面白いですね!

Suede


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?