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末田芳裕(すえだよしひろ) 1968年生まれ。 福岡大学薬学部薬学科卒。 現在、株式会…

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末田芳裕(すえだよしひろ) 1968年生まれ。 福岡大学薬学部薬学科卒。 現在、株式会社末田薬局代表取締役。 のほほんと生きるため、ていねいな暮らしを実践中。

最近の記事

読書感想文その1

年末年始に何冊か本を斜め読みした。僕は本当に読書が好きで、毎日の散歩にも必ず2冊の本を持っていく。ポケット忍ばせたまま読まないで帰ってくることもあれば、道端の縁台に座り込んで読み耽っていることもある。そんなだから、今年の正月休みも課題図書は山積みだった。令和元年度の津山市発行事務報告書や史跡津山城の保存整備事業報告書、様々な流派の茶の湯に関する文献、漢方薬関連の症例報告書、美作後南朝と古文書の読み下し、エトセトラエトセトラである。 しかしながら、それら大勢の本たちとは違う「

    • 仕事とはなんなのか

      このテーマについて、掘り下げて考えてみようと思う。 「仕事しなきゃ、駄目だよ」 10年以上付き合いのあるメンターから、僕は昨日そう言われた。そう言われる原因は当の末田が一番よく理解している。仕事をしていないことは当人が一番自覚しているからだ。 そういう理由から仕事の定義を、今一度じっくり考えてみた。 するべきこと、しなければならないこと、このふたつが複雑に絡み合い、社会に需要がある場合にだけ、その仕事は「職業」となって自身と周りの生計をたてることが出来る。このことを具

      • 最後のシンポジウム

        今はもう、こういった光景を見なくなってしまった。1月中旬にあった岡山県北教育の未来つくりという、大学地域教育のシンポジウムに参加した。教職希望者向けの岡大教育学部における県北枠、その道へ進んだ学生たちのパネルディスカッション。 教育学部のみならず医学部にこの枠はあり、薬学部こそ県北枠をぜひ欲しいと思いう。大学教育の薬局実務実習で、薬剤経済(医療経済)の学びを深めていく体験ができる。岡山県北地域は医学薬学教育の最先端地域、医療人における新しい豊かさを生み出していく場所は、作州

        • 大義の無い利益は、捨てることにした

          昨日から続いた大雨で、津山の桜は潔く散ってしまった。 去年の秋くらいから、いろんな兆しはあったものの、何がどう変わるのか先が見えないままに今年の1月を迎えていた。この辺でこの数ヶ月の変化を振り返っておこうと思い、今こうして正月の写真をながめながら、思いつくままに書いている。 「義」を目標に、3学期の学生生活を過ごすと言っていた中1の長男。 今年の薬膳カフェ正月飾りは、気合を入れて備前の土管に自分で投げ入れてみた。 末田芳裕が命懸けでとりくむ「義」とは、なんだろう。

        読書感想文その1

          津山祭りについておもう

          いつもより少し早起きをして、こんなにも人を引き寄せる祭りの魅力って、いったい何だろうと考えています。 祭りの日が待ち遠しかった子どもの頃、テキ屋で売っている「戦車のオモチャ」に心躍らせていました。玩具屋が無い山の中の村に育ち、遊ぶためのオモチャはマッチ箱をのり付けして作っていたから。幼児期の単純な物欲から始まった祭りへの興味。獅子舞に参加できる小学校高学年になった頃には、太鼓や神輿などで堀坂神社の秋祭りを、こども会が主体となり盛り上げていました。学級崩壊で窓ガラスが無かっ

          津山祭りについておもう

          相互監視

          日本一高い山を聞かれ、富士山と答えられない日本人は居ません。 日本三名園、優れた景勝を持つ三つの日本庭園、金沢市の兼六園、岡山市の後楽園、水戸市の偕楽園です。西日本の人なら最初に兼六園、東日本の人は偕楽園が最初に思いつくのではないでしょうか。「日本三大ほにゃらら」って、いろいろありますね。最初の2つは直ぐに思いつきますが、3つ目って本当はどれってなりがちです。自称で3つ目だと言ってるものって全国に沢山あります。 さて、あなたは三師会って聞いて、どの職業を考えるでしょうか。

          相互監視

          生きるとは

          生きているという事実について、不思議に思ったことはありませんか? あちこち旅して動いたり、生きることについて深く考えたり、恋して振られて絶望したり、すごい「力(エネルギー)」が必要な生きるという行為。 こうして人間としての生命活動ができるのは、何らかの強大なエネルギーを体内で作り出しているからです。ご飯を食べて栄養分を腸から吸収しただけで、その栄養素がガソリンの様に体内で燃え、筋肉や骨を駆動する様なことはありません。ロボットなら恒久発電機を体内に内蔵し、電気エネルギーを駆

          生きるとは

          薬学と仏教

          小1の次男が「一休さん」一泊二日の修行から帰ってきました。 末田は根っからの仏教好きです。実母は76歳で認知症の診断された今も、毎週末田家の墓参りを欠かしたことのない人です。骨董好きな亡き実父のアトリエには、古い仏像が至る所に飾ってありました。 出雲大社教(神社としては珍しく内務省の承認を受けている教団)の出雲大社へ、家族そろって毎朝お詣りは欠かさず行っていますが、末田芳裕は根っからの仏教徒です。 仏教をもっともっと勉強し、薬剤師という一生の仕事に生かそうと、永平寺へ雲水

          薬学と仏教

          茶の湯と僕

          桃山期の陶片が、末田幼児期の玩具だった。 茶道のたしなみは無かったが、美味しいお茶を点て、家に集まる友人をもてなしていた実父。正統派でない茶の湯文化の環境下、田舎の母屋廊下から続く炉のある四畳半の茶室と茶庭、そしてレコードと油絵の並ぶアトリエがあった。 剣道や弓道に明け暮れた青年期、苔の水やりと庭の手入れは末田の得意な手伝いだった。 東洋西洋問わず芸術に影響を受け続けた青年は、博多で大学を卒業。倉敷で営業職を経験し、本作りのため故郷津山へ帰ってくる。 若者には退屈な津

          茶の湯と僕

          維新前夜

          明日7月21日は、参院選の投票日だ。 山本太郎率いる「れいわ新撰組」に、注目が集まっている。末田がこの政党に注目している理由を、「日刊現代」が上手く取り上げてくれていた。 「社会保障と医療ビジネス」 「不老不死を求める人間の欲」 このブラックボックスに、令和新撰組は果敢に挑もうとしている。 彼らの原動力とは、いったい何なのか? 明治維新の立役者「長州の高杉晋作」「薩摩の西郷南洲」「土佐の坂本龍馬」。彼らにはそれぞれスポンサーが居て、立役者の彼らですら知らない影のリ

          維新前夜

          学ぶ理由(わけ)

          先週の日曜日、僕は名古屋にいた。土曜の仕事を終え、クルマで相生まで走り、新幹線で夜中カプセルホテルへ到着した。ホテル近くのバーで地元のクラフトビールを頂いたが、日曜日の学会プログラムと抄録集に目を通す時間だけで飲酒を抑えた。 優秀な学生時代を過ごしてきたわけではなかった。遊んでばかりいたので、浪人も留年も経験し、薬学部が6年制になる前から、必要に迫られ前後合わせて、京都と福岡で合計6年間学んでいる。 迷惑かけ続けた両親の恩に報いるため大学卒業して資格は取得したものの、医者

          学ぶ理由(わけ)

          マン盆栽とコーヒーの理由

          平成から令和へ、有難いことにその瞬間を清々しく、「苔」とともに迎えられてるなって感じています。 何とも表現しようの無い「この気持ち」を、仲間たちと分かち合いたい。末田はそんなふうに考え、今回のコーヒーイベントを企画しました。 平成の時代に交わしていた約束を、信頼できる仲間たちとこのタイミングで実現したいって、そんな風にもとても強く思いました。 平成の間のみんなとの約束は、ふたつありました。 ひとつ目は陶芸家の森永さんとの約束。 平成30年にカフェギャラリーで開催した

          マン盆栽とコーヒーの理由

          旅へ出よう

          午後のお店を閉め、固定電話の転送だけ設定し、「思いつき」で店主の末田は姫新線にふゐと乗った。 手紙を書くため、ビールと温かいお茶、大きな苺を小旅行の友に選び、着の身着のまま鈍行列車へ赴意とのった。 人に限らず動物というものは、自分の居場所を求め、生きている。ここでいう居場所とは、ここが自分の場所であるという「安心感」という言葉に言い換えることができる。そして求めて止まない安心感の中に長くいると、時として様々な「傲慢」が発生する。春この時期、人事異動があったりするのは、

          旅へ出よう

          卒業

          末田と暮らす3人の子供たちが、それぞれ中学校、小学校、幼稚園を卒業した。娘と長男は、高校と中学の受験を3月と1月に初体験し、それぞれの志望校に合格した。 のほほんと暮らしているように見えて、子供たちの生活はそれなりにとても大変だ。トロンボーン奏者の娘は、吹奏楽部の部長を任じられ、人を束ね音を合わせることに、人知れず何度も涙していた。剣道少年の長男は、早朝から神社の境内で「カタ」の練習を、眠い目をこすりながら毎日行っていた。 子育ては親育てだと思う。子供たちに寄り添い、日々