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論理的な問題解決方法のポイント

組織内の活動において経験・勘・度胸(KKD)だけの問題解決方法で十分となることはまずありません。個人のなかで解決するのであればKKDで十分かもしれません。しかし、その方法論を組織の中で共有しようと思ったら、どうしても論理的な問題解決方法を実施することが必要になってきます。

それができないというのは「組織を成長させる気がない」と告白しているようなものです。

さらにいえば、報告・連絡・相談だけでも十分とは言えません。「確認」することが必要で、報告・連絡・相談・確認を実施しなければ成り立ちません。

“人”で解決する方法はよくありません。
“仕組み”で解決しなければならないのです。

具体的な対策としては次のようなものがあります。

①職場の問題を、本音で話せる職場環境づくりに努める。
②先輩の技能(ノウハウ、能力スキル、技量)を伝承できるようにする。
③不具合防止対策には管理・監督者が率先垂範し、お手本を示す。
④ムダを排除する。
 ムダの本質的な原因にせまる。
 属人的(人を基本にした考え)な原因追究に終わらず、飛躍せず、
 身近なこと(事実、データ)から考える。
⑤最低限の固有技術(力量・実力)がないと改善できない。
 改善のためには従業員の専門知識固有技術と問題解決能力(管理技術)を
 高めるための教育・訓練指導・支援が必要である。

こうした取り組みは、聞けば大抵の人が「当然」と思うことですが、意外にも実践として取り組まれている組織と言うのはほとんど見かけることがありません。絶滅危惧種と言ってもいいでしょう。

たとえば、みなさんが実施している業務に対し率先垂範できる上司や先輩はどの程度いるでしょうか。いわゆる山本五十六の

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純粋な作り込み技術は時代の変化もあるため、必ずしも率先垂範できるとはいえませんが、その他の「マネジメント」「コミュニケーション」「ドキュメンテーション」などは普遍的なもので、いつの時代でも重要な役割を担います。

しかし、多くの上司や先輩は「自分でやって見せる」ことをほとんどしませんし、仮に自分でやっていたとしてもやっている間は「見せよう」としません。「やってみなければわからない」といってとにかくやらせようとするし、その結果失敗すれば怒り、評価を下げる上司なども多いのではないでしょうか。

特に「問題を起こした場合」に解決する能力などは、自身が手本となって指し示す努力を行っている先輩や上司は決して多いとは言えないでしょう。少なくとも、私の周りではそうやって見せている先輩や上司を演じている人は一度も見かけませんでした。

また、ムダの定義も人や組織によってマチマチです。

本質的には『活動』あるいは『成果物』が次の活動へのインプットとして活かされてこそ、初めて価値と言うものが生まれてきます。よって次に活かされるか否か、がムダかどうかの分水嶺と言って過言ではないのです。

なにかしら次に活かされなければムダ
活かされさえすればムダじゃない

たったそれだけのシンプルな価値基準なのですが、どうしてもその本質通りに進められない人たちがいます。

たとえば「お客さまが必要と言ったから」と言う理由だけで、いつまで経っても必要と思い込んで安心したがっている人には、ムダそのものがお客さまにとっても、メンバーの人生にとっても取り除くべきモノであるという考え方が生まれません。

自分自身で思考することを放棄してしまっているのです。

問題・現象を的確に捉えることが問題解決の近道

基本的には4つの見方(「何が」「どこで」「いつ」「どの程度」)で、情報を収集・整理します。「3W1H」と言う4つの見方で情報を収集・整理すると、原因追究に必要な情報が抜け漏れなく入手できます。

①What:何が
 問題・現象(トラブル)を起こしている対象や問題・現象は何か?

②Where:どこで
 どこの場所や対象のどこの項目・部位に起きているのか?

③When:いつ
 日・時はいつか、曜日は・いつの時間帯に起きたのか?

④How many:どの程度(数値)
 発生した状況は突発か・慢性か、増大・減少・横ばいか?


情報の収集・整理のポイント

情報の収集・整理を行う際のポイントには次のようなものがあります。

①主観(先入観固定概念、推測)に走らず
 客観的に事実を確認しながら情報を収集・整理する。

②情報は「何が」「どこで」「いつ」「どの程度」の
 4つの次元「3W1H」に絞り収集・整理する。

③情報は、問題が起きている状態(発生事実)と、
 類似で問題が起きていない状態(比較対象)に関するものを集め、
 双方を比較して違いを発見する。

④一つひとつのステップを忠実に追いながら作業を進める。

⑤原因(真因)は一つとは限らない。
 知識・経験を活かして「複合原因」を考える。

技術的に難しいことは何もありません。
その気になれば子供たちでもやってる人はいるでしょう。

⑤などは未経験者や新人にとっては難しいものだとしても、それなりに経験を積んでいけば自ずとわかることは多いものです。自分で考える努力を積んでこなかった人はすぐに諦めてしまいますが、少なくとも「たとえば〇〇の観点のうえに△△の観点を足せば・・・」なんて図解ででも教えてあげれば

 「あー…たしかに」

と言い出すはず人も多いことでしょう。

そして「たしかに」「なるほど」という言葉は、大抵の場合まったく知らない未知の領域に触れた時には出てきません。保有している知識や経験から理解できる程度であるのに、発想していなかった時に出てくる言葉です。つまりは「潜在的にわかっている」ことが大半だったりするわけです。

日頃からそういう考え方や発想をしているか否かの差でしかありません。
実力的には既に持っているものなのです。

問題が起きた際には、感情でどうにかしようとしても無駄ですし、属人的なKKDに頼ってもその場しのぎにしかなりません。プライベートならそれで許されることでも、ビジネスの場では…あるいは集団や組織の場では、そうしたものに頼らず論理的であるよう努力するといいでしょう。

結果的に、そうして言語化できる手法を用いることで、多くの人たちの間で共有できる財産となるのですから。

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