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育休に対する個人的見解

育休…すなわち育児休業に対して、社会も、会社も、そして個人も、みんなみんな持論を展開しているだけで、本当に真剣にその在り方を考えている人はいるのかな?…と少々心配になったので、ほんの少しだけ触れてみたいと思います。

だって、経営と言うものに興味あるし。機会はないけど。

国会議員が育児休業を取得するということが良いのか悪いのかは、ちょっと置いておきたいと思います。

 ・一個人として、一時の父として取得する権利を有している
 ・国として推進するという名目上、取得できるならした方がいい
 ・一方で、彼の立場は「国民の代表者」として代わりがいない
  さらに国家機関の1つ「環境省」の最高責任者
 ・国としての課題が山積みな中、長期休業するということが、
  国民の信頼を背負うと言うこととイコールになるのか、疑問が残る

「公人」と「私人」としての境界線が、国の要人の場合は難しいので、おいそれと私から結論はでません。ただ、もしも彼が長期休業中に、その要職の業務が遅滞することで、国民が被害にあうようなことがあったら、それは彼自身ではなく「国家機関」の仕組みについて改めて見直されなければならないのではないかと思います。


さて、そういう小難しいことはさておき。

育児休業を取得することが難しいと言われているのは、大別して

 ①「仕事が回らなくなる」と言って会社が休ませてくれない
 ②休めたとしても、休んでいる間の収入が減る(ゼロになる)
 ③休んだことによって報復措置を受ける、またはその可能性に怯える

ってことが原因なのでしょう。じゃあ、そういう問題に対して、企業は、そして個人はどう向かい合っているのでしょうか。そういう問題になってから揉めている風景はたまーに見たことがありましたけど、日頃からそうなることを前提に、対策を打ったり、準備している企業も、管理職も、個人もあまり見たことがありません。いつも、そうなってから揉めるんです。

そこで、ちょっと私が「経営」する立場の人間だったらと想定して、個人の見解を考えてみました。

休んだことによって報復措置を受ける、またはその可能性に怯えるケース

時系列順に①~③と並べましたが、ちょっと③は毛色が違うので最初に言っておきましょう。

③については、明らかに『会社』ではなく、上司やその周囲などの個人的な腹いせであり、またイジメに類するものですから、即刻止めるべきですし、実施した人に対しては会社として断固とした姿勢を持って臨むべきだと思います。

私が経営者なら、相手がどんなに優秀な人でも、どんなに仲のいい人でも、どんなに部下に慕われていようとも、そんなアンモラルなことをするような人を要職には就けないし、誤って就けてしまったとしても即刻降格を見据えた懲戒処分を下します。

逆にそういう凛とした姿勢を貫けない企業が、日本は多すぎます。

過去にどれだけ貢献したかとか、そんなの関係ありません。過去の貢献も過去の苦労も、現在までの間に表彰、報酬、昇格などを経て、何かしら会社も報いてきたはずです。過去分を今清算する必要はないはずです。今、不当なことしかできないなら、確固たる処分が必要と考えます。

ドライすぎると思われるかもしれませんが、そうされても仕方がないことを、部下にまさにしようとしているのを許していい道理はありません。

けん責?訓告?

それもいいかもしれませんが、私ならそんなものは昇進時や管理職同士の会議などの席で、あらかじめ通達しておきます。

 「コンプライアンスを無視して、己の感情に任せ
  社員を不当に扱うようなことがあったら、
  最悪クビもありうるから、覚悟するように」

と。常日頃から耳にタコができるくらい啓蒙すると思います。

「人は城、人は石垣、人は堀」です。
それを土台から崩そうとするシロアリは駆除するしかありません。

上司となる人物には『管理職』と言う冠が付く以上、その責任を背負ってもらわなくてはなりません。「ヒト・モノ・カネ+情報」を管理/監督し、常に状況を監視(モニタリング)し、いかなる状況にもスムーズに対応(コントロール)できることが求められます。

そして、育児休業は不測の事態ではなく、誰もが等しく「そうなる」可能性を秘めている以上、日頃からそうなることを頭の片隅に入れておく必要があります。いざ「育児休業させてください」と部下から言われたときに

 「そんなの困る」「なんとか頑張れないか」

とか

 「アイツは俺の言うことを無視して休んだから、異動だ」

なんて、会社組織の人的リソースを「私物」や「道具」か何かと勘違いし、リスク管理もできておらず、そのしわ寄せを部下に擦り付けようとする無能な人材を、要職につけておこうとは思いません。そんな人材を重用し続けるのは、中長期的な経営戦略を鑑みても、リスクにしかなりません。

社員がそれぞれの能力を最大限発揮できる環境を常に提供し、いかなる事態に際しても対応できるよう準備しておくのが管理職の「上司」としての仕事です。

プレイングマネージャーでない限り、多くの管理職は自らが「金を稼いでくる」と言うわけではありません。実際に金を稼いできてくれるのは大多数の一般職の人たちです。その人たちのパフォーマンスを阻害する人を、少なくとも私は管理職として認めません。


「仕事が回らなくなる」と言って会社が休ませてくれない

現在も、毎年のように「ハラスメント」については法整備が行われていますが、育児休業についても"会社側が取得させない"事例はまだまだ水面下では多々あるでしょうし、裁判だったり、SNSでの炎上だったり、メディアが取り上げるなりすることで、今後ますます改善はされていくことでしょう。

そもそも、『属人的』な仕事のさせ方をするから、ある人が長期休暇するとか、あるいは退職するとか言った時に

 「困る」

と言い出すのです。

「困る」と言っている当の本人たちは気づいているのでしょうか。自分たちが「仕組み化を推進できない」程度の人間であると言うことに。

別に、上司が全部の仕事を把握し、理解する必要はありません。

ですが、日々、部下に仕事を振り分けていく中で、その部下一人ひとりが培った経験を、実績を、どんどん手順化させていくことはできるはずです。営業活動のようなコミュニケーションを中心とした業務については、整理することがなかなか難しいかもしれません(全部できないなんてことはありません)が、大抵の業務については日々の「成功」「失敗」に対して、手順を明確にし、資料化することはそれほど難しくないはずです。

なぜなら、多くの企業が「日報」などの報告書を導入したうえで業務が成立しているからです。報告書にも色々使い道があるはずですから、本当にその機能が有効であれば難しいかもしれませんが、大抵の組織では"形骸化"し、自己満足の一部になっているところも多いと思います。

私の今いる会社でも、「書かせることに意味がある」とかよくわからないことを言って、部下に書かせるだけでロクに読みもしない、報告会を開けば寝てるだけの管理職はたくさんいます。

ですから、ただの自己満足になっているような報告書関連を作るかわりに、日々の「成功」「失敗」に対して、手順を明確化させるのです。できれば毎度毎度提出する一枚っぺらの報告書にするよりも、シチュエーションごとや業務ごとに整理したKINGファイルとしてまとめておくといいのではないでしょうか。

口先だけで言ってると思われるのもアレなので、私の場合はと言うと

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こんな感じで、自分が経験し、ある程度確立されたノウハウになれば、すべて

 ・具体的な作業・操作まで説明したものは手順書
 ・現場の状況にあわせてテーラリングが必要となるものはガイドライン

となるように作っています。もちろん電子媒体ですべて管理していますが、多くのファイルから探し出すことを面倒くさがる人が多いので、こうして印刷して整理し、ピンポイントで知りたいところだけがすぐに引けるようにしています。

このように日々の業務が整理できれば、いざ育児休暇で休む必要が出る…と言う時でも、引き継げる要員がいれば、簡単に(と言っても数日かかるでしょうが)引継ぎができるはずです。

ちなみに、一時的に引き継ぐことを「負担」とは思ってほしくはないですね。もし「負担」と言う人がいたら、それは自分が逆の立場になったときに、誰かに引き継いでもらう資格はありません。こういうことは持ちつ持たれつです。自分だけが都合よく誰かの人生を搾取できると思ったら大間違いです。

まぁ、そのほかにも在宅勤務を可能にする等、環境面から改善できれば、育休も止められにくくなるのではないでしょうか(まぁ、インフラ整備のために、相当お金がかかるんですけど)。


休めたとしても、休んでいる間の収入が減る

これは、ある意味で当然のことですね。

こればかりは社会に責任を押し付けるのもどうかと思います。もし、「労働の対価として報酬がある」という当たり前を否定するとなると

 「働かざるもの食うべからず」

という言葉自体をこの世から削除しなければなりません。いくら、事情があったとしても、一部の権利獲得者だけに有利な報酬制度にしてしまうと、おそらく社内分裂を起こしかねません。

だから、私個人の意見としては

 「報酬/評価制度に手を出すべきではない」

です。逆にいえば、それ以外のところで支援できる仕組みを作ってしまえばいいのです。働かざる者には報酬を与えてはいけない…と言うのであれば、働ければいいんですよね。

そして、育児休暇と言うのも細かく内容を追っていけば、1日24時間ずっと育児しているわけではないはずです。夫婦2人で持ち回りもするでしょうし、8時間みっちりとはいかなくても短時間の仕事ならできるはずです。だけど、出勤するとなると移動時間もかかるし、そもそも場所が離れると子供を見られない(緊急時に対応できない)…つまり、ポイントとして

 ・場所は自宅、子供が見えるところでないと困る
 ・時間制約が無い状態でないと難しい

この2つの条件を満たしたうえでなら、働く時間を捻出できるかもしれないと言うことです。

であれば、先ほども申し上げた在宅勤務や、あるいは副業の自由化などが促進されれば、収入面での課題も解決しやすくなるのではないでしょうか。

それぞれの言い分を最低限満足できる条件を特定し、そこから相手の譲歩を引き出し、達成する…と言うのはビジネス事の基本ではありませんか。素人考えでもそれくらいはわかります。にもかかわらず、『企業と個人』と言う関係性になった瞬間、お互いに自分の言い分を押し通そうとしすぎな気がします。


最後に

もちろん、こうした環境や体制は、一朝一夕で実現することは難しいでしょう。

在宅勤務を可能にすると言っても、たとえばIT企業の場合、情報セキュリティなどの制約もあり、機密情報を自宅に持ち帰ることが禁じられている企業もたくさんあります。

シンクライアント環境を構築できれば、そうした課題も解決しますが、これがまた高いんですよ、維持費。大企業なら問題ないでしょうが、中小ではちょと維持するのが難しい…しかも、「一部の人だけ…」みたいな少数であればあるほど割高。

まぁ私が調べていたのは4~5年ほど前の情報なので、今ではもっと安価なのかもしれません。もしご興味があれば調べてみるといいでしょう。

ですから、解決策はあっても、実現には色々と制約もあって、実現が難しい側面もあると思いますが、それでも企業は、売上や利益を生み出す原資である「社員」にとって、今できる最適解を模索する必要があるのだと、私は思います。

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