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年齢と能力の関係

新しいことを吸収する能力は、加齢とともに落ちていきます。

新しいこととは、外国語の習得であったり、資格の取得であったりと主に人の記憶に関わることです。約5年でその能力は半分になるとも言われていますよね。

25歳のときに1あった能力は60歳になると1/128になり、25歳のときに3日で吸収できたことが60歳では1年かかるということです。

 「課題設定は早くしろ」
 「苦労は若いうちに買ってでもしろ」

といわれることも、ある意味で現実的側面と言えるでしょう。

ですが

このような調査結果もあります。

どっちが正しい?という話ではなく、加齢とともに自分に甘えるようになったら終わりなんだと考えればいいんだな…と私は解釈しています。

とはいえすでに記憶力が怪しいという人もいらっしゃるでしょう。
であれば、まずは記憶力に焦点を当ててみましょう。

そもそも、記憶力に不安があったとしても、逆に人の記憶に関わらない部分であれば年齢に関係なく伸ばすことも可能なはずです。

たとえば、25年前には携帯電話すらありませんでしたし、スマートフォンが一般化したのはここ10~15年です。では、50代、60代の人は記憶に関わることが苦手になってこうした新機器を操作することが苦手か?と言うと、そういうわけではありません。興味の有無次第で70歳になっても80歳になっても、20代より使いこなしている方だっています。

ただの暗記は難しくなるとしても、興味の有無と日頃からの経験を組み合わせれば年齢に関係なく吸収することは可能です。

要するに「やるか/やらないか」という、それだけのことです。

また、歳をとれば「能力が落ちるだけか?」というとそんなこともありません。

組織を動かすマネジメント能力というのは、加齢とともにどんどん伸びていきます。成功/失敗含め、正しく経験を積みさえすれば掌握可能な事業規模は年齢が5歳増すごとに最大で5倍ずつ増えていくとも言われています。

25歳のときの掌握できる事業規模を1とすると60歳では78,125倍になるはずです。たとえば25歳で掌握可能なのが年商1億円規模の仕事だとすると、60歳では最大7.8兆円の規模の仕事を掌握するまで成長することができるということです。

新しいものを吸収する能力とマネジメント能力というのは、図のようにある年齢で交差します。

これが意味するところは、ある特定の業務にばかり集中していてもいずれは全く異なる能力が向上し、それまでの能力が衰えることでスキルミスマッチを起こしてしまうということです。

青い線は言ってみれば「新しいことにチャレンジする能力」と言ってもいいでしょう。
そしてオレンジの線は「組織や事業を動かすマネジメント能力」です。

ここから見てもわかるように、あるひとつの分野で仕事を続けている人が他の分野でまた新たな仕事をするには一定の年齢まででないと難しくなりがちなのはそのためです。また、40代後半~50代の年輩社員が30代の上司から煙たがられたり、息子ぐらいの年齢の社員と上手く連携できないのもこうしたことが原因かもしれません。

最近では、定年が70歳まで延びる可能性も出てきています。

転職にせよ、転属にせよ、一定の年齢までに何を吸収し、何を駆使し、どんな経験を積み、いつまで自身の能力を向上できるのかが重要な分岐点となってきているのです。

 「若い時の苦労は買ってでもせよ」

というのは、ある意味で正しいのかもしれません。

できるだけ若いうちに様々なことを吸収しておけば、特定の分野、特定のスキルに対する需要が無くなってもつぶしが利く人材となりやすくなっていることでしょう。

新しいことへのチャレンジもさほど苦にすることはないかも知れません。

しかし、自分の方向性を自身で勝手に特定してしまったり、若いうちから自身の能力向上を怠って安穏と過ごす日々を選択してしまったりすると、転職にしても、転属にしても、再雇用にしても、つぶしがきかない人材として扱いにくくなっていきます。ずっと古巣にしがみつくだけの人生となってしまうかもしれません。

どんなに一芸に秀でていても、汎用性もなく、需要もなくなれば「ただの一般人」と変わりがないからです。

とはいえ、チャレンジすると言っても、無計画/無策で新たなことにチャレンジしても、失敗の連続ではくじけそうになることもあるでしょう。

元来、

 "正しいプロセスで成功体験を得る"

というのは成長にとっても、継続力にとっても向上のための必須の栄養素です。
しかし、なかなかそのような機会を得られないこともあります。

そんなとき、大きな支えとなるのが「チャンピオンデータ」です。
「チャンピオンデータ」とは

 "どうやったのかはわからないが、
  とにかくすでに他の人がその目標を達成している状態"

のことを言います。

闇夜を灯りなしで進むクリエイティブな仕事においては、このチャンピオンデータが希望の光になるのです。目指すゴールは見えていて、それに向け努力しているのにゴールにたどりつけないと悩んでいる人には2タイプあります。

1つは、

 ゴールにたどり着くルートが現実に存在するのかが
 わからないままに暗中模索している人

もう1つは、

 ゴールまでのルートが存在していることはわかっているが、
 自分がいまどこにいて、この先どう進めばいいのか具体的なルートがわからない人

この二つは同じようですが、じつは成功確率はまったく違います。

前者は、まるでたどり着けない目標に向かって、いわば闇雲にむだな努力をしているだけかもしれません。行動力だけがあっても正しいベクトルに向かうことを怠ればいつまで経っても望む結果は得られません。

チャンピオンデータがあるにもかかわらず、調べようともせずにゼロから何かを発案しようとしている人も同じです。キャリアパスの観点から見ると、被害の小さいうちに引き上げ、別のプランを考えたほうがマシということになるかもしれないのです。

一方、後者の場合も現時点では見えない失敗群に取り固まれているのは同じですが、誰かが成功した例が一つでもあればそれは必ず「成功するルートがどこかにある」ということの証明です。

チャンピオンデータが存在するなら、あとはルート探しのための調査と探索の努力とそれに要する時聞があれば成功したも同然です。まずは成功事例に倣って試してみることができるのですから。

疑問
 
①始点とゴールを結ぶルートが存在するのかしないのかわからない
 ②始点とゴールを結ぶ具体的なルートがわからない
  →この分野に新たに入る者にとっては、なにもわからない

誰かが成功すると
 
①の存在は証明される
   ↓
 ②は探索により見つけられる可能性があることを知る
   ↓
 ③の努力が始まる

成功するのかわからない暗闇のなかを不安いっぱいで進んでいたとき、ふと顔を上げると闇夜のなかに明るい灯台が見えれば「そうだ、あれを目指せばいいのだ」と元気も自信も湧いてくるでしょう。

そう、チャンピオンデータは闇夜に立つ灯台と同じなのです。

もし、新しいことを始める際に不安に駆られたときは、周囲にチャンピオンデータがないか探してみましょう。妄信するのは危険ですが、足元を照らしてくれる程度の希望を持ち続ける助けにはなるはずです。


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