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コミュニケーションは、職場環境から改めなければ危ない!

というお話です。

いえね。

私たちIT業界に入ってくる人たちって「技術、技術」って念仏のように呟きながら、みなさん飛び込んでくるんですよ。スイマセン、嘘つきました。そんな気持ち悪い人たちは、若干名除いていないと思います。

ですけど、ソフトウェアを作ることとかそういうのって、所詮

 作業

なんですよ。仕様が無ければ作れないし、設計しなければ作れない。仕様書作るか、設計書作るかは関係ない。プロセスとして、仕様を決めることや、設計することは絶対に必要です。そうしないと「何を作る」「どう作る」が全く無いって状況になるからです。

これがたった一人でできる仕事だったり、ごく少数で行えるのならいいのです。というか、そこに着目して、アジャイルって出来たんでしょうね。少数だったら、アレさえできれば開発できそうですもんね。

そう、アレ。

プログラミングがどうこうというレベルではなく、その作業をビジネスに昇華させるために必要なアレです。えぇ、コミュニケーションです。

以前にも、なんとなく思い付きで「大事だぞー」って話はしましたが、それを裏付ける調査が、実は国を挙げて行われているんです。

職場のコミュニケーション

ここに1つのデータがあります。

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年齢層別に見ると、20歳未満は70.6%、20代が64.5%と、若い年齢層の方が、良好な人間関係が仕事の意欲を高める上で重要と考えていることが分かっています。この結果は、職場における人のつながりが良好であることが、人々、とりわけ若者が、仕事に対する意欲を高める上で重要な要素であることを示唆しています。

また「勤め先企業の業績についてどのように認識しているか」を尋ねた結果を「職場の人間関係に満足しているか」との質問に対する回答別に見ると、「満足している」と感じている人の23.7%が自分の勤める企業の「業績が上がっている」と回答しており、「満足していない」と感じている人の17.0%を上回っています。

これ、実は内閣府の「国民生活白書」で調査、アンケートされたものらしいですよ、奥さん。「あー、暇なんだー」って顔するのヤメテ。せっかくここで活きてるんだから。

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自らの職場について「部下や後輩を育てようという雰囲気が強い」あるいは「仲間と協力して仕事をしようという雰囲気が強い」と感じている人は、こうした雰囲気が弱いと感じている人より企業の「業績が上がっている」と回答する割合が高いことがわかります。

さらに、3年前と比べてこうした雰囲気が強まったと感じている人は弱まったと感じている人より企業の業績が上がっていると考える割合が高い傾向があるようです。

統計的なデータなので、因果関係というにはやや結びつきが弱いかもしれませんが、相関関係としては成立しているように思えます。


7人に1人が職場に相談相手がいない!

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職場での相談相手は平均で5.8人とあるのですが、一人一人で見れば相談相手が多い人もいれば、少ない人もいます。そのような中、相談相手が「全くいない」と回答した人は全体の14.6%と、7人に1人が職場において相談相手を持てていない状況にあるのだそうです。上司、何やってんの?

そういえば、私にも長く相談相手がいませんでした。

だって、私より物知らないんだもの。知らない人に「教えてください」って言えるわけがないですよね。人生相談的なものならまだしも、上司に相談するって言ったら、まずは「仕事」に関することでしょう。

日本中、世界中探せば、私よりすごい人なんてたくさんいますけど、すくなくとも今の会社を含めて、過去2社…なので、かれこれもう15年近くは、私から相談できそうな相手がいませんでした。ただの知識であれば、今どきググればいいだけなので、相談する必要性すらありませんし、むしろググっても出てこないような経験則に基づく内容だったりすると、その人の純粋な力量や培ってきた経験が問われますもんね。それが、少なくとも私よりは不足していたのでしょう。

なので、私もこの14.6%の中の一人と言うことになります。

職場で仕事や生活の悩みを相談する相手について見ましたが、仕事を円滑に進めるためには、相談…とまではいかなくとも、同僚と気軽に助け合うことも重要でしょう。ですが、職場で互いに助け合う雰囲気を感じるか尋ねたところ、「感じない」と回答した人の割合は18.3%と、職場に相談相手が誰もいない人(14.6%)と同じ程度いることが分かります。

もうすでに、職場の雰囲気が「いざとなったら助け合う」って感じではないんです。他人の足を引っ張る人…もいるのでしょうけど、それ以上に、80%以上の人が「自分さえよければ、それ以外は一切したくない」と言う姿勢であることがよくわかります。

また、相談や助け合いまでいかなくても、上司に報告し、部下に指示を出す、他部門の人々と連絡を取り合うなど、様々な形態のコミュニケーションがなされていますが、後述するように、社内コミュニケーションが「全く取れていない」「あまり取れていない」と感じている人の割合が26.6%と、約4分の1の者はコミュニケーションが不十分と感じています。

これで大きなビジネスは成立するのでしょうか…。

比較的個人業務の営業職なら…いやでも、お客さまと会話できなさそうなので、とても務まると思えません。今起きた問題というわけでもないでしょうから、10年以上前からどんどん侵食していた…と仮定して、以前から、100名以上が総当たりで行うエンタープライズ系のシステム開発なんて、トラブル続きで目も当てられないような状態になっていたのは、このせいかもしれません。


…とまぁ、このように、職場での助け合いやコミュニケーションの状況から見た人のつながりが弱いと感じている者が多数を占めるわけではありませんが、そう感じている人も決して少なくないと言えます。

そしてその1つ1つが慢性的なコミュニケーション不足を生み出し、機会を得ることがない従業員は、コミュニケーション能力を育むことができずに、社内外で大きな問題を起こすことにつながっていきます。

たとえば、昨今問題視されつつある、新人や若手の「電話の取次ぎ」

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今や、若者は「やりがいを感じない」仕事の中に電話の取次ぎを含め、それらをやるくらいなら転職をしたいと感じている人が35.5%もいると言うのです。

これは、私も少しびっくりしました。

確かに、電話の取次ぎだけを仕事にしているようではやりがいは感じにくいかもしれませんが、少なくとも

 ・会社の顔である
 ・ビジネスコミュニケーションのイロハが学べる
 ・ビジネスコミュニケーションの慣れを修得できる

という意味で、すごくありがたい仕事(と私は新人の時に教えられたし、今でもほぼ間違いじゃないと思っている)ので、新人に限らず、苦手意識がある人は全員、その苦手意識がなくなるまで、徹底してやるべき!とさえ思っているんですけどね。

実際、電話を取るまでの時間、待たせる時間、応対、言葉選びなど一つひとつが丁寧で、相手に不快感を与えないようにふるまえる人って、やっぱりスマートですし、仕事の成功率がめちゃくちゃ高いんですよ。そりゃそーですよね、ものすごく色々なことを考えているし、マルチタスクで相手に配慮しているし、そんな人が仕事のできない人になるわけがありません。

私に言わせれば、「超仕事のできる人」って、電話の応対が完璧な印象があります。天才肌の人の模倣は…そもそもそのプロセスや思考を言語化することが難しいのでできないかもしれません。ですが、コツコツと経験を積んできた結果、パーフェクトに電話応対がこなせる人の模倣は、努力次第でなんとでもなります。私もそういう人達からどんどんノウハウを盗んできたので、間違いありません(教えてもらったことは一度もないんですけどね)。


職場内のコミュニケーションは不足している

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企業の従業員に、社内でコミュニケーションが取れているかどうかを聞いてみると、「十分取れている」「大体取れている」と回答した人の割合は合わせて45.9%と、約半数に上っています。一方で「あまり取れていない」「全く取れていない」と回答した人も合計で26.6%おり、約4分の1が「社内コミュニケーションが不十分」と感じています。

私も、今の職場では全然取れていないと感じています。

先日も、こんなことがありました。

私は新人教育の責任者をしているのですが、実際に教育する講師を私一人で担っているわけではありません。教える側の育成にもなるので、各技術部から講師を招聘しているのです。ですから、私の直属の部下と言うわけではないところがミソです。

だと言うのに、私の知らないところで、私の承認も指示もなく、勝手に各技術部の上司が講師役の社員たちに指示を出し、勝手に作業していました。

あらかじめ準備作業すること自体はなにも問題ありません。

ですが、その活動予算を会社に事前申請しなければならないのに、「いつやったか」「誰がやったか」「なにをやったか」「本当にそれは必要だったのか」を責任者に確認することなく、勝手に進めておいて、後になって「やったので金をくれ」を言い出したわけです。たったこれだけで100万以上の経費が上積みされました。

事後報告による請求なので、もう本当に必要だったことなのかもわからず、私は責任者としての管理・監督ができない状態になってしまっていました。

彼らは、組織を蔑ろにし、自分たちが「正しい」と思ってさえいれば、何をしても許されると思っているのです。まぁ、今の会社はそもそも経営層が甘やかす社風なので、これで問題視されることはありません。いつまで経っても、このようなコミュニケーション不良による、マネジメント障害が起こり続けることでしょう。

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次に、職場内でどのような相手とのコミュニケーションが不足しているかを尋ねたところ、「部署を超えた社員同士のコミュニケーション」と回答した割合が65.3%と最も高く、次いで「経営層と一般社員とのコミュニケーション」63.8%となっており、ともに6割を超えています。

また、「同じ部署内の上司と部下のコミュニケーション」を挙げた者の割合が40.0%「同じ部署内の同僚同士のコミュニケーション」と答えた者の割合が26.8%となっており、同じ部署内であってもコミュニケーションの不足を感じていることが分かります。

まさに先ほどの問題が、ピンポイントで問題視されていますね。

少なくとも、私は「基礎」もロクに修得していない人間に、基礎を「応用」するスキルが身につくとは思っていません。このような基礎中の基礎を疎かにするような組織、人材を重宝しようと言う気にはなれませんね…。絶対誰かと問題を起こす未来しか見えてきません。


たまたま、今いる企業にそういった問題を抱えている部署が多いと言うだけで、こうした問題はどこの企業でも大なり小なりあるのではないでしょうか。IT化が進む中、そもそもコミュニケーション形態自体も変わってきています。

最近では新型コロナウイルスの問題もあって、WEB会議などのコミュニケーション手段が急速に浸透しつつあります。この状況の変化についていけない団塊の世代以前の人たちとのコミュニケーション格差はますます広がっていく可能性も懸念されます。

コミュニケーションとは、突き詰めてしまえば

 劣化、欠損なく相手に伝え、相手から伝わる「情報の伝達」
 伝わった情報を、齟齬なくお互いに保有する「情報の共有」

の2つのスキルのことです。世の中で一般に言われるコミュニケーションテーマの内容は、その本質に対する具体的なアプローチにすぎません。ビジネスにおいては、

 「話し方」「聞き方」「書き方」「読み方」

この4つを手段として修得しておけば大抵のことは解決できます。ですが、どんなにこれら4つの手段を身につけても、『相手のレベル』を無視すれば、100%失敗します。

大人の目線で小さな子供を説得しようとしても無理であるように、常に相手のレベルに合わせた手段の選び方をしなければなりません。

そうしないと組織活動、チームワークは決して成立しないのです。

にもかかわらず、新人たちはその登竜門である「電話の取次ぎ」にやりがいを見出すことも無く、上司は部下から見ると「相談したい相手」と認識されない程度でしかなく、職場の多くはロクにコミュニケーションの重要性を感じないようになってしまっている。


これでは、大きな仕事を達成するのは不可能に決まっていますよね。私だって、1億程度の仕事なら難なくできると思いますが、100億の仕事を一人でやれと言われても、それは不可能です。大きな仕事を成し遂げるためには、必ず多くの人材が必要になってきます。

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最後のボスを倒そうと思ったら、ソロってわけにはいかないんです。仮にパーティ組んでても、指示(コマンド)がなければ、キャラは動けないんです。

まず、職場においてもう少しコミュニケーションの重要性を見直してみてはどうでしょう。

別に、無理やり会話しろってわけじゃないんです。

私がオススメしたいのは

 ①自分の仕事と関係ある人を特定する
 ②その人たちから、絶対に質問されなくていいように配慮する

この2点です。この2点を意識して仕事に取り組んでみてください。「相手に疑問に思わせない」「相手に悩ませない」「相手にわざわざ質問に来させない」そうやって相手の負担が減るようにと常日頃から考えるようにしていると、『どんな情報を整理しておくといいか』『どんな情報の伝え方が最適か』と言ったことを考えるようになっていくでしょう。

結果、必ずコミュニケーションの取り方、その手段、内容の試行錯誤に行き着くはずです。

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