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最初から高得点を狙おうとしない
仕事の初め、初めての経験、初めての技術等、何をするにしても「初めて」はあります。「初めて」が無い人なんてこの世にいません。
その際、なかなか行動に移せない人は初めてであったり、経験が少なかったりする自分を見ようとすることなく何がなんでも
「高得点を取らなければならない」
と誤解しています。
そもそも乳幼児から大人、老人にいたるまで、初めての物事で完璧に何かができる人は殆どいません。いるとしたらそれはアニメかドラマの世界だけです。経験が浅い状態で、理解が伴っていない状態でも同様です。
だからこそ、それでも受注し、お客さまの満足度を満たせるような、あるいは了承し、上司の目的を達成できるような仕事の仕方が求められます。
すなわち、徐々に点数を積み重ねる仕事のしかたが問われるわけです。
しかし、行動できない人はその発想がありません。
最初から「褒められたい」「怒られたくない」と言う感情的な側面が優先されたり、自尊心が肥大化しすぎて自分で自分の行動のハードルを上げたりしてしまうのです。
たとえば、ソフトウェア開発であれば、
プロトタイピング
スパイラル
アジャイル
などのシステム開発モデルを採用するまたはウォーターフォールと組み合わせるとか、個人の作業であれば、
進め方
成果物
状況報告
などに分割して段階的にコンセンサス(合意形成)をとりながら一歩一歩地固めをしながら進めていけば、ほぼ確実に失敗することはありません。
たとえば、進め方については簡単な手書きでもいいので、ワークフローを作って
「このように進めたいと思っていますがよろしいでしょうか?」
(進め方のコンセンサス)
と聞けば良いだけですし、それが了承された場合は
「では、一応本当にその進め方で問題がないかを確認いただくために
1ページあるいは1割ほど進んだ時点でお見せしに来ますので、
内容検めていただいてもよろしいでしょうか?」
(成果物のコンセンサス)
と言って、早期に認識の誤差がないことを確認しつつ慎重に進めれば良いのです。
たったそれだけ。
そこに高度な技術的ノウハウは一切ありません。
そのうえで、ごく一部の成果物とはいえ、合意していただくことができれば、
「では、この通り進めさせていただきます。
ただし、最後になってから大幅に期待値から乖離していた…と言うのでは
お互い困ることになってしまいますので、いくつかマイルストーンを設け
させていただいて中間報告できる場を用意してもよろしいでしょうか?」
(状況報告のコンセンサス)
と言って、少しずつ進めながら慎重にチェックし、齟齬がないことを確認しあいながら進めていけば、最後に高得点で終了できるのは言うまでもありません。
仕事の依頼者(お客さまや上司)はいわば答え合わせの相手です。
彼らから出てくる指摘は『答え』そのものです。
その答えを完成してから聞くのではなく、完成前にあらかじめ聞けるのであればこれほど楽な仕事はありません。それでも失敗してしまうのは、途中で発生する"指摘"や"要望"を「面倒なクレーム」程度に受け取ってしまうためです。これはB2Bによって相手の期待に応える仕事では致命的な感性です。
もちろん、何でも言いなりになっていればいいわけではないため、「契約」や「進め方のコンセンサス」において、互いが不利益を被らなくていいように様々な制約を設けておく必要があるのは言うまでもありません。
仕事と言うのは、"相手の望む"答えに近づける問題集を解くのと同じです。
受注生産が基本のB2B系ソフトウェア開発を中心としたIT企業の一員であれば、仕事の大前提にこのことが刻まれていないとおおよそ高得点は狙えません。むしろ、サービス業であればどの業界でも一様に同じかもしれません。
それだけに、どのような条件下であっても最初から高得点を狙うのではなく、最後に高得点で終わるために必要な手順を作り出し、様々なニーズに応えられるビジネスマンおよびエンジニアになれるようにしましょう。
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