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【変更管理②】識別および記録の重要性

変更管理の基本的概念でも説明しましたが、変更管理の大きな流れは、

依頼する

アセスメントする

承認する

対策(実装)する

対策内容が妥当であることを確認する

と言う流れで進んでいくようになっているとお伝えしました。そして同時に記録化していく必要があるともお伝えしました。上記の流れは、その記録の中で、変更依頼の状態(ステータス)が変化する分岐点と言っていいでしょう。

これらは正しく管理されていなければなりません。
「変更管理」と言うくらいですから、当然と言えば当然です。

では、なぜ管理するのでしょう?

「トレーサビリティ」が大事なのは確かです。おそらくは管理する理由の第一義と言っていいと思います。ですが、記録して管理する理由は、それだけではありません。

何においてもそうですが、わざわざ「記録」して「管理」するのには、いくつかの不変の理由があります。

 ①トレーサビリティ(現状の確認と、経緯の把握)
 ②情報の再利用/再活用性
 ③多くの濫立する情報の整理(識別)

今回はこの③について深掘りしていきたいと思います。

プロジェクト活動の進め方…すなわち、戦略に従って各変更依頼を一意に識別することが重要です。たとえば、

 「アレ、どうなったっけ?ほら、アレ、昨日昼頃のヤツ」

識別できる名前や番号などがなければ、呼称で呼べません。これでは、コミュニケーションが成立しません。それに、「A、B、C…」「1番、2番、3番…」と言ったように識別されていなければ、情報の整理もできません。全く異なる変更依頼に対して、全く異なる対策を間違えて行ってしまうような単純ミスも起きかねないのです。

情報を記録化して、識別し、整理することは、こうした無駄なミスの低減にも影響を与えます。これは「ミスを減らす」「ミスするリスクを減らす」効果に大いに影響を与えます。無駄なミスを減らすことは、スケジュールへの負担をも減らしてくれますし、結果として無駄な残業も減ります。

スケジュールやコストに良い影響を与えると言うことは、自社の利益に貢献すると言うことであり、またお客さまの予算を無駄にしないと言うことでもあるのです。これは様々なものと自分との間におけるWin-Winとなるであろう思想の大前提です。

記録化することを面倒くさがる社会人は多々いますが、日頃から記録化もまともにしない/できない社会人を、私は「一人前」とは呼びたくありませんね。


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