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2020年スーダン水害情報の詳細

2020年スーダンの水害による被害報告

2020年7月から9月にかけてサブサハラ地域は豪雨に見舞われ、各地で水害が発生し甚大な被害をもたらしている。
スーダンの被害情報は OCHAによると以下の通りです。

・水害での死者 155
・被災者 875120人 (そのうち1万5千人は難民)
・家屋の全壊 82468
・家屋の半壊 92556

被害が大きかったのは北ダルフールと首都ハルツームです。

北ダルフールは豪雨による被害ですが、ハルツームではナイル川の増水によってダムの放流を行ったことが原因だと住民は話しています。
ですのでハルツームの被害地域はジャバルアウリヤダムの近くに集中しています。

蚊の増加による感染症の拡大

水が引かずに残ったままになっていた影響で、蚊が大量に発生しています。
OCHAの試算では、約450万人が蚊を媒介にした感染症の危険度が高まっているとしています。

現在、マラリア患者が11000件と例年の2倍ほどに増加。
さらに西ダールフールではチクングニアの症例が248件。
北部州では100件のウイルス性の未知の病気が発生していると言われています。

このように溜まった水による蚊の大量発生の影響で危険な感染症が広まっています。

汚染水の流出

スーダンの13州で実施された水質調査の結果、井戸や溜池の30%ほどが汚染されており水質が悪くなっているとされています。

これは汲み取り式のトイレから排泄物が流れたことや家畜が流され死に腐敗したことなどが原因とされています。

このような汚染された水を使うことでコレラや下痢などが増加しており、1000万人の人々が汚染水による危険と隣り合わせにいるとされています。

学校教育への影響も拡大

2019年1月から始まった民主化革命とコロナウイルス、そして今回の水害によって1年半ほど学校が閉じたままになっていましたが、10月22日より順次学校が再開されるようです。
しかし、以下のように学校にも被害がでています。

水害による校舎の被害
・校舎が損壊 559
・校舎を避難所として利用 63
(西ダールフール州32校、ハルツーム州12校、センナール州8校、北ダールフール州8校、南コルドファン州1校、紅海州1校、カッサラ州1校)

校舎の損壊や避難所として使われている状況に加えて、インフレによる経済状況の悪化によって13万人以上の学齢期の子ども(6~16歳)が学校に通えなくなるという試算がでています。

被害現場に支援に入って

現地のNGOと協同してハルツーム州の避難所となっている学校で炊き出し支援等を行いました。

政府や外部団体による物資の提供などの緊急支援は避難所を中心として行われているうです。ハルツーム州の避難所は12校あり、すべての避難所に電話で確認したところ食糧や衣服などの物資は十分に届いているとの返事がありました。

しかし、大量発生する蚊の対策が不十分なようで、蚊の対策グッズの要望が届いています。

また、一部の避難所では授業を行う教室と避難している人が使う教室とが混じった状況になっており、完全再開ができていません。

↓避難所として使われている教室


また避難所だけに支援物資が集まっており、「避難所が一番潤う」という逆説的な状況が生じています。

物資が供給される状態が続くと、避難所からでることが難しくなるというジレンマを抱えています。

一歩外に出るとインフレによる物価高によって困窮した人が苦しんでいます。そしてそこにカメラは届かないのです。

皆様からの温かいサポートは、日本に憧れを持ち、日本に留学する夢をもつスーダン人の若者が日本語を学ぶ活動に使わせていただきます。