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明日に繋がるキャンセル電話の受け方 飲食店の場合

新型肺炎コロナウィルスの影響で混乱した状況が続き、予約キャンセルの電話が続いているお店が多いと聞いています。

私はホテル旅館業の経営支援の仕事をしていますが、今はどの地域も、宿泊も宴会もレストランも、キャンセル続きの大打撃です。ホテルはブッフェ形式でのサービスも多いためにオペレーションの変更も緊急的に迫られ、柔軟な運営力も同時に試されています。

本来なら繁忙期になるはずのこの時期に、予定していた売上が溶けてしまうのは非常に痛手ですが、ここは思考のスイッチを切り替えて、このような閑散とした時に私たちサービス業は何をするべきか?何ができるのか?を考えていきたいと思います。

売上を伸ばすキャンセルの受け方

ところで、キャンセルの電話を受けるときに、みなさんのお店はどのように対応されていますか?

キャンセルですね、わかりました。
仕方ないですよね、またの機会にお待ちしております。

これは少しもったいない対応です。お客様との会話をもう少し多くしてみるのはいかがでしょうか。

団体キャンセルの場合

団体予約のキャンセルの場合は、幹事様と直接お話しされると思います。

まずは、キャンセルではなく、4~5月への日程の変更をご提案してみましょう。謝恩会など季節の行事は厳しいかもしれませんが、同窓会など内輪のお集まり等の場合、ご調整してくださる方もいるかもしれません。

あるいは、店側からこんなおススメもできます。

キャンセル、承知いたしました。
ところで、もしよろしければ、幹事様が2-3名の少人数でお店にいらっしゃいませんか?実は今、食材の○○が旬を迎えていて、すごく美味しい時期なんです。この時期だけ特別にご用意してお待ちしておりますので、よろしければ。
(で、いつこれますか?と予約に繋げる)

ワンドリンクとか、クーポンとかではなく、旬のものをあなたに出す特別感を伝えて、コミュニケーションするだけです。

もちろんそこでご予約いただいたり、お店にお越しいただいた場合は、落ち着くお席をご用意して、お料理やサービスにもちょっと気合いを入れて対応します。
自粛状態が終息したとき、「次こそ、ここで宴会をやろう」「この店はがんばってるな」と思っていただくためです。

個人のお客様の場合

個人のお客様でしたら、

キャンセルですね、かしこまりました。
ところで今回のご予約は、お祝い事かなにかでしたか?

と、予約していた理由を聞きます。
もし卒業、合格、就職、進学、進級など理由を教えてもらえたら、お祝いの言葉を伝えましょう。

それはおめでとうございます!
今回お食事にいらしていただけないのは残念ですが、進級の頃には状況が落ち着いて良いスタートとなりますよう、祈っています。新しい生活に慣れた頃に、またご予約してくださいね。

などです。

例えば同窓会とかだったら、「楽しいお集まりが延期になってしまって残念ですね。」などと声がけすることができます。
ご家族の急な病気でキャンセル、ということもあるでしょう。その場合は「それは大変ですね。どうぞお大事になさってください」などど、臨機応変に、自分が言われて心温まる言葉をかけてください。

そのお電話で、さらにお客様から話してくれたり、話が続けられそうなら、

お祝いはご自宅でなさるんですか?テイクアウトでご用意できるメニューもあるのですが、よろしければいかがですか?
お弁当もやっていますので、お夕飯づくりに疲れたときにはお電話くださいね。

などと続けられるかもしれません。

こういった状況では、お客様も好んでキャンセルしているわけではありません。それに、お客様のお話を聞いたり、おすすめしたりするトークはコストがかかりません。

まずは相手の気持ちに寄り添った言葉で、情のふれあいを大切に、お客様との関係をつなげることを意識してみてください。キャンセルの電話であっても、用件だけで終わらせず、会話をつなげてみることをおすすめします。

反応がなかった場合でも、メモを残す

ご提案してみて、少人数のご予約やテイクアウトへの反応がなかった場合も、心のこもった声掛けは忘れず、お客様から聞いた情報は、お名前、電話番号とともにメモを残しておきましょう。

もし次にご来店いただけた場合、「あの時のお客様ですね。お子様の合格・進級おめでとうございます」など、時期が過ぎてからでも言えるかどうか、その一言が、ファンを作ります。

また、企業の宴会や会合なら特に、状況が落ち着いた時に店側から幹事様へ連絡してみてください。いわゆる営業ですが、こういった行動が実を結ぶことは多いです。

売上を伸ばすキャンセルの受け方、いかがでしたでしょうか。

コストをかけずに今すぐ工夫できることだったので、長い文章となりましたが書かせていただきました。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今できる、未来の売上につなげる施策

こういった時期に私たちサービス業がやりたいことは、まずはお店としてお客様の気持ちに寄り添うこと。次に、今日明日の売上ではなく、長い目でお客様との関係性を意識すること。

さて他には、どんなことが上げられるでしょうか。

ぽっかりとあいてしまった時だからこそ、普段できなかったようなことに着手できます。ゆっくり思考する時間も持てます。今は、回復したときに存分に発揮できるよう、力を蓄える時です。

ホームページのPR強化、ウェブやSNSでのプロモーション計画、スタッフの教育、帳票や伝票など事務作業の効率化・・・今だからこそ、できることを考え、切り替えて行動していきたいですね。

しもつかれブランド会議の活動に賛同してくれる飲食店・サービス業のみなさまへ

ここからは、しもつかれブランド会議(※)の活動に賛同してくださっている街の飲食店・サービス業のみなさまへ、無料相談会(座談会・グループコンサル)のお知らせです。

あなたのお店ではこれから何ができるか、どんな優先順位で行うかを、一緒に考えてみませんか?

しもつかれブランド会議では、地域のつながりと活性化を大切に、メンバーひとりひとりが今自分にできることはなにか?を考えて行動しています。それぞれが知り合いのお店に声をかけに行ったり、その情報を周りに伝えたり、テイクアウトをしたり、大食い選手権(!)を発動したり・・・。

私はずっとホテル業に携わり、全国のホテル旅館の経営改善を仕事にさせていただいた経験から、今の私ができることは、このような低迷期にサービス業はいかに乗り越えるかを一緒に考えることだと思って、このメッセージを書いています。

座談会で私からは、これまでのホテル業や経営改善業務の経験から、売上低迷期にやりたいサービス業のあれこれ的な内容をお伝えさせていただこうと思っています。例えば、

〇売上が低迷しているホテル旅館の共通点から考える、大切なこと
〇景気が低迷したときの経営の捉え方
〇空間を販売するホテルは売上計画をどう考えるか
〇ホームページ・SNS・ウェブサービスの活用について
〇ウェブ発信で伝えるポイント
〇サービスレベルの高め方

など。ご参加のみなさんからは店舗運営で感じている課題や最近の動向などをお伺いし、この騒動が明けたときに強い店舗体質になっているためには自分の店舗は何をしたらよいか?など、前向きな気づきのある時間にできればと考えています。

今できることを考える、店舗体質を強くする座談会

ご希望の店舗様向けに以下の日時で開催いたします。

日時 : 2020年3月25日(水)15:00~16:00
料金 : 無料(事前予約制)
場所 : じねんじょの里(小山市高椅1955 http://daichi.jpn.com/)
参加条件:以下いずれか
〇しもつかれブランド会議の活動を応援してくれる方・店舗様
〇来年のしもつかれウィークに参加したいと興味を持っている店舗様
〇今回の企画に興味を持った、何か事業をされている方
〇しもつかれブランド会議代表の青栁さんの活動に賛同している人
企画 : しもつかれブランド会議
予約方法:しもつかれブランド会議メンバーに直接お声がけいただくか、須田のFBまで直接メッセージください。https://www.facebook.com/hsuda3

ホテル業経験からの話が多くなるとは思いますが、例えば飲食業でなくても何か事業をされていて、この内容に興味がある方はお知らせください。
※小規模で開催します。
※当日、じねんじょの里さんは定休日です。

ご希望の方は、しもつかれブランド会議メンバーに直接お声がけいただくか、私のFBまでメッセージください。
https://www.facebook.com/hsuda3


※しもつかれブランド会議とは、栃木県栃木市を拠点に活動する地域活性プロジェクトです。http://shimotsukare.fun/

<プロフィール>
須田浩巳(すだひろみ)
栃木県小山市生まれ
横浜みなとみらいにあるホテルに入社。ベルサービスで館内を歩き回り、本革パンプスが2か月で穴があいてしまう日々を過ごす。1日の接客数2000人以上、研修実績100人以上、国賓級ゲストアテンド経験多数。
マーケティングスキルを高めようと創業期のホテル運営会社に転職し、ブランドの立ち上げと7棟1200室のホテル新規開業を担当、販売促進にて15億の事業規模へ成長させた。事業の安定にはシステム活用が必須とわかりホテルシステム開発会社へ。予約システムの企画に携わり業界シェア第1位に成長。その後はサービス現場、新規事業立上げ、システム活用、Web活用のスキルを活かしてホテル旅館専門の経営支援会社にて、金融機関経由で依頼される事業再生支援から有名ブランドホテルの品質向上案件まで、多数の事業調査や経営改善に携わる。
2018年フリーランスに転向。サービス業が働きやすくなるアドバイス、Web活用、ホームページ制作、ライティング、研修講師など。

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