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「人らしさ=価値」を支えるデジタル化【ピクニック勉強会 第3回】

8/6(土)は、Akoさん主催の「日本語ピクニック」の第3回勉強会。
今回のテーマは「日本語教育のデジタル化を考える」でした。

講師は、中央省庁ITマネジメントのスペシャリストとしてご活躍の新徳雅隆先生。

今回は家族の予定があり、リアルタイムで参加できなかったのが悔やまれますが、録画視聴で拝見しました。心に留まったことをピックアップして書こうと思います。

人らしさは価値

2時間の講義の中で一番印象に残ったのは、新徳先生のこの言葉。

「自分しかできないことは時間をかけていい」
「それ以外のところを徹底的にデジタル化する」

これは、メンバーのあかねさんが「1人1人に合わせた授業を作るので、授業準備に時間がかかってしまう」という困りごとを受けての言葉です。

私も準備に時間がかかるというのは、この仕事をし始めたときから、ずっと悩ましい問題でした。これから先も仕方ないことだと。だから「そうそう!」って首がもげそうなほど同意しながら聞いていました。

それで、新徳先生の言葉で気づきました。

授業のデザインこそが価値だ

ってことに。

どんな授業をしたら生徒さんが喜んでくれるかな?
どんな活動を入れたら覚えやすくなるかな?
こんな素材を使ってみたら面白いかも!
この生徒さんにはどんな教科書がいいかな?

などなど。こういったことを考える授業準備は確かに時間がかかります。でも、それは人しかできない。そしてそれが教師それぞれの色になるってこと。

そんな「人らしさ」はデジタル化しにくい部分だということです。

人らしさが求められない部分はデジタル化で効率化

「本当は『教える』…これだけに集中したいのに全然時間がない。休みもない。」

これは、日本語学校で常勤をしていた時の心の嘆きです…

生徒指導
成績管理
テスト作成
面談
非常勤の先生とのコミュニケーション
新任の先生のフォロー
教科書の発注
書類作成

など、授業以外にも色々な業務があって目が回りそうでした。

特に1年目の頃は、要領もよくつかめていなかったので、よく夜更かしをし、準備がままならない。自信もないし、授業が上手くできずに落ち込んで、負のループにはまっていました。

そして、2019年からオンライン個人レッスンをするようになってからも、忙しいのは変わらず。教師たるもの、こんなもんだなと思い込んでいました。

でも、今回の話を聞いて「今までの業務もっと楽になってたかも」と感じました。

「楽になってた」というのは、具体的には2つあって

①デジタルツールを使う
②得意な誰かに頼む

ということです。

以下に日本語学校とオンライン個人レッスンでできそうなことをいくつか考えてみました。

***

①デジタルツールを使う

【日本語学校の場合】
・授業に使えるもの
例 Googleクラスルームで連絡周知
  Googleフォームで宿題を出す
  Googleジャムボードでグループワーク
  授業のスライド共有

・成績管理、生徒情報管理
例 Excel (勤務当初は紙で管理していた…)

・非常勤の先生とのコミュニケーション
例 slackで情報共有
  zoomでオンラインミーティング

・新任の先生のフォロー
例 YouTubeなどの非公開リンクで研修作成


【オンライン個人レッスンの場合】
・授業に使えるもの
例 Googleフォームで宿題を出す
  授業のスライド共有
  zoomのホワイトボード
  Googleドライブで資料共有

②得意な誰かに頼む

【日本語学校の場合】
★業務委託する、担当者を雇う
・パソコン関係→エンジニア、IT業界
・書類作成→オンライン秘書

(なかなか人件費の関係で難しいところもあるかもしれませんが…)


【オンライン個人レッスンの場合】
・HP、ブログ作成
・SNS運用
・ECサイト作成
・動画編集

ココナラ、ランサーズ、クラウドワークスなどのサービスを利用してみるなど。

***

以前、ブログを作ってみたことがあります。デザインはあれがいいかな~ここのフォントは、画像はこうした方がいいかな~なんて色々考えながら作っていました。そうすると、時間なんかあっという間に過ぎて、肝心な

・ブログ記事
・問い合わせフォーム

などの準備ができずに終わっていました。本当にもったいなかった。

そして、ブログだけではなく、YouTubeやSNSの更新も同じで、編集やデザインにこだわりすぎると動けなくなってしまうと思います。

確かに自分で試行錯誤して、研究しながら取り組むことも大切ですが、やはり「授業の質を高める」という点からみると、ずれてしまいます。

この秋、息子が幼稚園に入ることになったので、私もこれから個人で本格的に活動していきたいと考えています。その上で

何をやって
何をやらないか

これを意識して限られた時間を有効に使えるようになりたいものです。

デジタル化は日本語教師の強い味方だ

今までの業務をデジタル化するのを「デジタイズ」
そしてその業務をさらにツールを活用し変革させるのが「デジタライズ」

今回初めて知った言葉です。

【日本語教育をデジタライズする】

って聞くとなんだか難しそう。でも、今の日本語教育業界(学校でも企業でも個人単位でも)は、まだ足りない気がします。少しずつでも導入していけるといいなと切に思います。

もっと授業に集中できたり、新たな授業スタイルを生み出したり、自分の価値を高めたり…デジタル化はきっと教師の味方になるはずですよね。

今からできることは

・デジタルツールの情報収集、使ってみる
 (今回の講義で出てきたFigmaをさっそく使ってみたい!)
・仕事のフローを見直す
 (業務委託できそうなことをリストアップ、クラウドソーシングサービスを見てみる)

だと思います。

今回も自分のことを振り返るきっかけになりました。またモチベーションが上がりました!あとは自由な時間がもっとほしい…!!!(切実)

新徳先生、ピクニックのみなさん、ありがとうございました!




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