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学習者にとってのコンシェルジュになる【ピクニック勉強会 第6回】
9/28(水)は、Akoさん主催の「日本語ピクニック」の第6回勉強会。
今回のテーマは「日本語教師のための文法講座」でした。
講師は、仲山淳子さん。
日本語ブラッシュアップトレーニングを書かれたベテランのフリーランス日本語教師の方です。30年以上、留学生やビジネスパーソンの学習者にかかわってきたということを聞いて、私もこつこつこの仕事が続けられたらな…と思いました。
試し読みを見てみると、「は」と「が」の誤用、受け身、使役、自動詞・他動詞などを取り上げているということでしたが、これらは学習者にとってはもちろん、教師も教えるのが難しい部分!!今までの苦い授業を思い出したのでした…
近いうちに読んでみたいです!
前置きが長くなりましたが、今回は改めて「て形」を考えるということだったので、講座の感想の前に、自分のて形の教え方を振り返ってみようと思います。(今回もリアルタイムで参加できず悔しかったです…)
日本語学校で教えていた「初級前半 て形」
当時の使用教科書は「みんなの日本語」(て形はL14以降)でしたが、クラス担任だった時、導入順序は変えていました。
流れはこんな感じでした。↓(L14~L16)
①「~てください」でイメージしやすくする
②て形の作り方と練習 (Ⅱ→Ⅲ→Ⅰ)
③「~てもいいですか」/「てはいけません」
④「~て、て」
⑤「~てから」
⑥「~ています」
(動作の進行・習慣/継続・結果の状態)
日本語学校だったこともありますが、教師がよく使う「~てください」「~ではいけません」や生徒がよく使う「~てもいいですか」を先に。
それから④、⑤で週末や1日に何したかなどの話しやすいテーマの会話によく出そうなもの、最後に色々な使い方がある⑥「~ています」を練習するという流れです。
「~てください」はにぎやかなクラスだと、みんなで簡単なダンスやラジオ体操をしたりしました(笑)
・右/左を見てください
・足を上げてください
・手を高く上げてください
・回ってください
などなど。これがメインになるのではなく、あの時ちょっと楽しかったな~と思い出してくれたらモチベーションが保てるかなという感じでさらりとやります。(て形の歌もしかり)
体を動かしてから、て形の作り方を。
動詞のグループの導入は、私の場合はⅡ→Ⅲ→Ⅰでした。でも、仲山さんや参加者のくみこさんの話で、一番活用が色々あって大変なⅠからやって、Ⅱって簡単だよね!というのもいいよってことで、どちらでもよさそう。確かに最初に難しいものをやっておけば、モチベーションを保つのにいいなと感じました。
練習例は以下の通りです。
①学習者にグループⅠ~Ⅲまでの動詞をいくつか挙げてもらう
②グループⅡ…「ます」を消して「て」にすることを説明。
③グループⅢ…「します」→「して」「来ます」→「来て」のみ。
④グループⅠ…一緒に歌を歌う。きらきら星が多かった。
特別な動詞も忘れずに。(見ます、借ります、行きます…)
⑤スライドを見せる
・「ます形」が書かれた動詞を順番にて形に変えて言ってもらう
(全体で確認→個人に当てる)
こんな感じでみんなの日本語L14~16までを進めていました。本当ならまだ
~てくれる/もらう/あげる
~てしまう
~てある/ておく
~て、(理由)
~てみる
~いただく/~くださる/~てやる
など学習者が目が回りそうなくらいたくさんありますよね…
て形の活動例
③「~てもいいですか」/「てはいけません」
1) ペア「教室・美術館・電車の中・図書館・公園・川」などの公共の場のカードを用意する。
2) カードから1枚引いてA・Bに分かれて会話をする。
例
A:川で花火をしてもいいですか
B:はい、いいです(してもいいです) いいえ、してはいけません。
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④「~て、て」
1) ペアでもグループでもOK
★先週の週末にしたことを「~て、て」で話してもらう。
2) グループの場合は自分のことを言う前に、前の人が言ったことを覚えておいて、言ってみる。
例
Aさん:日曜日、図書館に行って買い物に行って帰りました。
Bさん:Aさんは日曜日、図書館に行って買い物に行って帰りました。
私は、映画を見て、お菓子を作って、宿題をしました。
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⑤「~てから」
★朝or夜のルーティーンについて話す
1) ペアでもグループでもOK
Aさん:朝起きて、トイレに行きます。
Bさん:トイレに行ってから、顔を洗います。
Cさん:顔を洗ってから、着替えます。
Dさん:着替えてから、コーヒーを飲みます。
Aさん:コーヒーを飲んでから、朝ごはんを食べます。
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⑥「~ています」
例:習慣・継続「~ています」の活動
★最近続けていることを話す
A:Bさんは休みの日はよく何をしていますか。
B:そうですね。(ゲームを)よくしています。(スプラトゥーンが大好きです。) Aさんは?
A:私もゲームが好きです。(最近どうぶつの森でよく遊んで)います。
講座での内容はかなり深かった
2時間の講座を拝見したところ、うまくまとめられないほど、「て形」って奥が深いな…と圧倒されました。今うまく教えられるだろうか。
大学生~日本語学校ではずっとみんなの日本語でした。今改めて教案を見返してみると、これは不自然だったなとかつまらなかったかなとか反省点ばかりがよみがえってきます…震
今回このnoteで活動例として出さなかった「て、~(理由)」の用法が講座の後半に出てきたのですが、やはり難しいし、しっかり教え方などを復習したいところです。
講座を見ながら考えていた例文は
・夫が誕生日にディズニーランドを予約してくれてうれしいです。(念願!)
・息子が野菜を食べなくて、困っています。(うちの3歳息子!)
・強い風が吹いて、芝生が飛んでいった。(先日の台風で庭の芝生が…)
のような
★後件に気持ちが来る
★自然な成り行き
だったのですが
★誘発の使役
例 100点をとって両親を喜ばせた
妹を叩いて泣かせた
は盲点でした。
日本語学校にいたときのことを思い出すと、「から」「ので」と何が違うのと言われて戸惑ったり、宿題に作文を書かせて非文だらけで滅入ったり…
今回、て形について考えなおすいい機会だったので、本当にありがたかったです。次教える機会があれば、自信を持って教えたいなと思います。
学習者にとってのコンシェルジュになる
仲山さんのこの言葉を聞いて、すごくいいなと思いました。日本語の世界に誘い、丁寧に案内していくような感じ…なんだか素敵だなと。
自分も畑違いの前職にいたときに「日本人なら日本語くらい教えられるでしょ」って言われたときに愕然とした経験があります。でもコンシェルジュのように的確に学習者の語学力を伸ばしていくのは、専門性がないと、やはり難しいこと。
私は当時何も言い返せない弱々だったのですが、今ではもっと胸を張っていたいし、その専門性に恥じないように日々の努力をしていかなければならないですね。
そんなコンシェルジュになるためにできることは「柔軟性を持つ」ことだと思います。
最近はよく、行動中心アプローチがいいとか文法積み上げはちょっと…などの話をよく耳にします。でも絶対にこれがベストなやり方だ!というのはない気がしています。
教師がこの学習者はこうしたら伸びるという軸ももちろん必要ですが、それ以前に、学習者1人1人の求めている授業、やりたいこと(文法か会話か語彙か…など)を見極めて総合的に判断する。教え方もやり方も柔軟に変えていける、それが大切なのではと講座を見て感じました。
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