個人事業主日記 2021年7月16日
12年3ヶ月勤めたT.C.Pを退社し、コピーライターとして独立した。39歳にして人生初のフリーランス、個人事業主になった。
生活と仕事がとけあっていけばいいなあ、とここ数年思っていて、個人事業主というのはまさに、個人と事業がとけあうありかたなんじゃないかなと。すべてがひとつの営みとして織り上がっていくような感覚。まだなんともいえないけれど、そんなことを想像している。
ここは、個人日記のような、業務月報のような、きっちり分けない感じで書き記していこうと思っている。個人と事業がとけあう個人事業主日記みたいなもの。
最初なので、どうして今、独立したのかという話を書いておく。
コピーライターというこの職業を選んだときからずっと独立したいと思っていた。そのことを周囲にも特に隠していなかった。ただ、すぐにでもというつもりはなく、いつかそんなタイミングが来たら、ぐらいの感じ。そのうち勤務先での自由裁量をだいぶ手にしてしまい、わざわざフリーランスにならなくても十分フリーダムでは?という考えも、最近はあった。
それが昨年の末ぐらいに、自分はコピーライターとしてもっと成長していかんと今後やばいんじゃないかという危機感をおぼえて、じゃあ成長するためにはどうすれば、と考えたときに、独立がひらめいた。ふと、独立が目的じゃなくて手段になったと思った。あ、今なのかも、と腑に落ちた。
以上が、今年の春に勤務先に対して行った説明である。
嘘ではない。けれど「独立が目的じゃなくて手段になった」というのは、いかにもきれいに言語化しました感が否めない。よくやっちゃうやつだ。
独立準備を進めたり、周囲に伝えたりしながら数ヶ月が経った今あらためて考えてみると「やっぱり、独立したかったから、したのかもしれない」という気持ち。独立、手段じゃなくて目的だったのかもしれない。というかたぶん、どっちもあるし、目的も決してひとつじゃない。独立も、成長も、成長の先にある何かしらも、家族との時間や自分の健康も、すべて目的群としてごっちゃになっているというのが、正直なところだ。
ただ、たしかに言えるのは今「コピーをがんばるぞ!」と強く思っていることで、付けるかどうか悩んだ屋号にコピーと入れて付けたのもそのへんが理由だったりする。
そして、コピーをがんばることと、冒頭に書いた「生活と仕事がとけあっていけばいいなあ」が、自分のなかでは強く結びついている。
10年以上前にコピーライターの前田知巳さんが「よい書き手になるためには、よく生きるしかない」というようなことを書いていたのを読んで、当時いたく感銘を受けたのだけれど、この年齢になってひしひしと、ひりひりと、身にしみている。まじでよく生きるしかねえ。
もちろん、とけあうといっても、ずっと仕事してるとか、だらだら休んでるとか、メリハリのない日々をおくりたいということではなく。家族と過ごす時間と睡眠時間をがっちり確保しながらやっていきたいと思います。とりあえず前よりちゃんと寝るようになって頭痛と口内炎の頻度が激減しました。ヘルシーでプロダクティブでロングライフ。これでいきます。よろしくどうぞ。
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