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個人事業主日記 2021年12月1日

7月に会社を辞めるときに自宅へ持ち帰ってきた私物あれこれ。時間があるときに片付けようと思いながら12月になってしまった。もう大掃除じゃん。

「時間があるときに」なんて飲み会の「行けたら行く」と同じで、受け身の姿勢で時間のほうから都合よくオイッスしてくれることなどまずない。能動的に時間を作らなければならない。

しかし考えてみればこれは、ありがたいことなのだ。時間はあり余っていたのかもしれないのだ。7月の時点では正直、わからなかった。まだ半年も経っていないので胸を撫で下ろすには早いのだけれど、今のところ暇を持て余すようなことはほとんどない。

とはいえ、四六時中、起きている時間はぜんぶ仕事をしているのかといえばもちろんそんなことはない。息子が園から帰宅すれば息子との時間が始まるし(仕事していることもあるけど)、休日は基本的に家族との時間である(仕事していることもあるけど)。

となるとそういったいわゆるオフの時間に片付ければいいじゃん説もあるが、息子がいるときにはたして片付けられるだろうか。「これなに?」「これなに?」「これなに?」「これなに?」「これなに?」「これなに?」「これなに?」「これなに?」「もうあきた、あそぼう」進むどころか散らかる一方である。

これは独立というより在宅勤務スタイルについてよく言われることだけれど、一日が「仕事と家のことだけ」になった。通勤時間はなくなり、たしかに時間はできた。生活と仕事がとけあっていけばいいなあ、と思いながら独立して、これはこれで達成していると言えるのかもしれない。ただ、自分の時間というものが入る余地の大部分は消えてしまった。

佐藤雅彦さんが広告クリエイターとして多忙を極めていた頃、一日一問、数学の問題を解いていたという話を聞いた。忙しいときこそ、仕事だけじゃないことを続けるのはとても大事だと。すごくよくわかるし、おれもそうありたいと思う。でも正直なところ、これ以上どの時間を削ればいいんだよ、とも思う。

育児を削るという理屈にはならないし、睡眠を削るのは家を燃やして暖を取るようなものだ。睡眠は大事だと以前よりよく寝るようになってしみじみ思う。仕事の質だけじゃなく量も違う。オードリー・タンが「問題が起きたらとにかく寝る、すげえ問題だったらすげえたくさん寝る」的なことを言っていたから間違いない。2021年、オードリー・タン以上に説得力のある人、ほぼいない。

さて、じゃあどうするかといえば、やはり仕事なんだと思うのだ。仕事の時間を削るというよりは「それも仕事の一部にする」という理屈。職業柄、すべてのインプットはいい仕事につながるし、心身のコンディションを整えるのもいい仕事につながる。だから仕事。この理屈でいえば育児も、睡眠すらも、仕事と言えるのかもしれない。いやいや、それはさすがに人生が仕事に浸食されすぎかもしれないけれど。

でもこのまえ、やはり「書く」ことを生業としている友人とこのような話をしていたとき、彼もまた「仕事の書きものの息抜きに自分の書きものをしている」と、いうようなことを言っていた。やっぱりそうだよね、それだよたぶん。

趣味と公言してきた演劇鑑賞、これも仕事と言えそうだ。育児とコロナでもう何年もまともに劇場へ行けていない。行きたいなあ。平日昼の公演があるとたいへん行きやすくて助かります。ウィークデーマチネクラブ。君も入らないか。よろしくどうぞ。


【11月にお目見えしたお仕事】

RAVISSANT SEEMORE

https://r-seemore.com/

オーダーメイドドレスの新ブランド立ち上げに際し、コンセプト「ヌードよりもあなたらしく。」ほか、コピー全般お手伝いしております。

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