【紹介】ネタ曲っぽいのにネタ曲じゃない神曲「たすけてドラえもん」

初めましての人は初めまして。
ボカロPをしている導天使と申します。
本日は、私が作った曲ではないですが、おすすめボカロ曲について紹介していきます。

その第一弾として、黒田亜津さんの「たすけてドラえもん」を紹介したいと思います。
とはいえ、曲についての説明をするわけではなく、自分が好きだなと思ったところをただただ書き連ねていくためだけのものになります。

まずは、曲を聴く前に動画のサムネから、この曲はどういう曲なのかとぜひ想像を膨らませてみてください。


Windows付属のペイントで描いたかのような、ユルいドラえもんの絵も相まって、なんだかネタ曲のように思えたのではないでしょうか。

ただ、この曲にはそういったネタ曲の要素はなく、いたって真面目な、いやそれ以上に感動する歌詞が待っています。
歌詞全文をwikiより引用します。

たすけて ドラえもん
ぼくもうダメかもしれない
たすけにきて ドラえもん
セワシは ほっておいて

失敗ばかりの 毎日
好きな子には
無視される
昨日はバイトで55回
店長に怒鳴られた

どこでもドア 出してよ
どこか 遠くに
行きたいんだ
まあ君は もうここには
いないわけだけど

たすけて ドラえもん
ぼくもうダメかもしれない
どんどん 自分のこと
キライになっちゃうんだよ

大人になったら
何でも 正解が分かると
思ってたけど
そういうわけじゃないんだね

せめて夢の中くらい
ヒーローに なりたいな
ネトゲでも 神になれない
ぼくじゃ 世界は救えない

タイムマシンを出してよ
あの頃に 戻りたい
ダメダメなぼくだったけど
心から 笑えてた

たすけて ドラえもん
ぼくは 何もできないよ
履歴書の長所欄に
書くことが 何もない

それなりにがんばって
きたつもりだったけど
やっぱり 未来の道具なしじゃ
主役になれない

(間奏)

失敗ばかりの毎日
好きな子にも
無視されて
きみはバイトで55回
怒鳴られたりもするだろう

でも人は そんなことで
人をキライには ならない
ヒーローって強いやつの
ことじゃないだろう?

さよなら のび太くん
きっと きみは大丈夫だよ
勝ち負けばかりの世界
たまには 負けもいいだろう

さよなら のび太くん
きみは 人に笑われても
人を 笑うやつじゃない
それって すごいことさ

さよなら ドラえもん
今ぼくに 必要なのは
どこでもドアじゃなくて
ドアを開ける勇気だ

ダメなぼくだけど 今日は
がんばってみようかな
昨日よりも ちょっとだけ
自分を好きになれるように

四行の詩のまとまりが何回も繰り返されています。
曲の構成自体も、Aメロ→サビといった展開がずっと繰り返されています。

まず、ネタ曲かと思って聴き始めたところに聴こえてくる哀愁漂うハーモニカの前奏からまず心を奪われます。
とにかく、歌詞が刺さるんですよね。バイトで55回怒鳴られるというのは、さすがにネタ要素だとは思うのですが、こうしたのび太君の心情が自分たちの実際とも重なる部分を感じますね。

サビに入るときにはいつも「たすけてドラえもん」というところで入っていきます。
ドラえもんの内容については私も詳しくは知らないのですが、おおむねのび太君がドラえもんに泣きついて道具による助けを求めるといった展開が常であったかと思います。
つまりは、完全に何か他のものに頼っている、何とかしてくれるだろうという思考が中心になっているわけです。

その中で、ラスサビに入る転調後に出てくる文言が「たすけてドラえもん」から「さよなら のび太君」そして「さよならドラえもん」になっていきます。
「今ぼくに 必要なのは どこでもドアじゃなくて ドアを開ける勇気だ」
この歌詞からも分かるように、つまり、人からの助けではなく、自分で進んでいくということが大切だということが伝わります。
そして、その過程としてドラえもんのいうような「たまには負けもいいだろう」や、「それってすごいことさ」というように、のび太くんを肯定している手紙が綴られています。

「ダメなぼくだけど」というのは、決してのび太くんだけの持つ感情ではないと思います。
今の世の中を見ても、その生きるハードルの高さであったり、求められる普通のハードルであったり、なかなか厳しいものがあります。だからこそ自分を卑下したり、自分の価値を見出せなかったりします。
けれど、この曲では最後「自分を好きになれるように」と、自ら努力する勇気を振り絞ろうとしています。
これは、現実においてもすごく重要なことだなと思います。
自分自身を肯定するのも一つの勇気だと思います。でも、その勇気がなければ何も行動は起こせません。「なんとかなる」でなんとかなったとしても、その過程において一体何の価値があるといえるのでしょうか。

すごく感動する曲ですが、それと同時に勇気ももらえる曲だと思うので、ぜひ聴いてみてください。

今後も、自分の好きなボカロ曲など様々紹介していけたらと思っていますのでよろしくお願いします。

導天使


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