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【#19】「投資」と「投機」、「形成」と「運用」の考え方(中編)

〈この記事を書いた人〉
福田浩樹(ふくだひろき)
1990年生まれ。大阪府出身。大学卒業後、医療機器商社に就職し病院の移転に関わるコンサルティング業務に携わる。その後、成果主義の営業に憧れ大手の住宅販売の会社に転職。しかし、軍隊式の企業風土に馴染めずわずか半年で退職することに。その後、少しの引きこもり期間を経て、再度成果主義の営業マンとして挑戦することを決意。投資用不動産の販売会社に就職し、全くの未経験ながら試行錯誤の末、独自の営業スタイルを確立しトップ営業マンになる。2022年4月に独立。新たな不動産営業の形を作るべく日々奮闘中。

今回は前回に引き続き「投資」と「投機」、「形成」と「運用」の考え方という内容について書いていきます。

前回は「投資」と「投機」の違いについて書きました。
どちらが良くてどちらが悪いということではないですが、それぞれの性質を理解した上で自分が今から投資をしようとしているのか投機をようとしているのかを判断できるようにはなりたいものですね。
今日はそれを踏まえた上で「形成」と「運用」の話を書いていきます。

資産運用と資産形成の大まかな違い

前回も少し書きましたが、僕がお客様とお話しする際に良くする質問の1つに「資産形成と資産運用の違いはご存知ですか?」という質問があります。
「投資」と「投機」の違いとも一部では共通する考え方ではあるのですが、混合して考えている人が結構多い印象があります。

かなり大雑把に言えば、
・資産形成=資産の「量」を増やす
・資産運用=資産の「質」を高める

という分け方が出来ます。

資産形成は文字通り資産を「形成」するわけなので、資産を作っていく作業のことを言います。
その最たる例が貯金であり、「毎月このくらいは貯金に回そう!」と決めて貯蓄している人は「銀行預金を使って資産形成している」という状態になります。
対して、資産運用は形成した資産を上手く働かせよう(=運用しよう)という話になるわけなのですが、1つの例として投資用の不動産で説明してみます。

運用の例

例えば、2,000万円という現金を持っている人(=既に2,000万円の資産を形成し終わった人)がいるとします。
この現金2,000万円は銀行預金に入れておいても今の日本の低金利の状況下においてはほとんど増えません。
しかし、この2,000万円を現金から不動産という形に変えるとどうでしょうか?
都内の不動産であれば毎月約7万円の家賃収入が見込めるので、2000万円の価値のある不動産から毎月7万円、つまり年間84万円の収益が見込める資産に変わります。(細かい諸条件、諸経費などは省いて説明しています)
これが10年続けば単純計算で840万円の差が出てくるわけで、結構大きな差になってきます。
同じ2,000万円でも銀行預金として持っているのか、不動産として持っているのかでお金自身の働き方が変わる良い例ですね。

資産を作る為には順序がある

では、誰でも今すぐ運用すれば良いのか?と言われるとそういうわけではありません。
物事には順番というものがあり、上記でも書いた様に資産を「運用」するためにはまず「形成」している必要があるんです。
資産を堅実に形成するには長い時間をかけて少額の資産をコツコツと積み立てることで資産を大きくしていく必要があります。
資産を形成出来たら次は運用に回します。
資産運用の世界においては資産が多ければ多いほど有利で、少ない予算を上手く運用しようとしても成功するケースはごく稀です。
例えば100万円しか予算のない人と1億円の予算がある人では1億円の資産がある人の方が圧倒的に有利です。
理由としては1億円の予算がある人は100万円を使って運用する手法を100通り試せるからで、当然運用に成功する確率は上がってきます。
こういう状況を作るためにまずは資産を大きく形成する必要があるということなのですが、残念ながら形成する作業は時間を必要としますしかなり地味な作業なんですね。

銀行預金が強かった時代もあった

手法としては先ほども紹介した銀行貯金が一番多くの人に使われている手法です。
恐らく資産形成をしているという自覚なく使っている人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、およそ30~40年前の銀行預金の金利は7%でした。
金利7%とはどういう数字かというと、先ほどの例で言えば2,000万円を銀行預金に単に預けておくだけで10年後には4,000万円に増えているという数字です。
対して現代の銀行預金の金利は0,001%です。2,000万円を同じように10年預けても2,000円増えるだけです。
同じ手法で資産を形成しているのに経済状況や景気、為替の影響などの変化によってここまで大きな差になるのが資産形成の難しいところであり面白いところです。
今の60~70代の世代の方々が「銀行預金が一番安全」というのは銀行預金が資産形成の手法として確かに有効だった時代を経験しているからなんですね。
まあ、ここは専門的になりすぎるのでまたの機会に解説するとして何にしても時代にあった手法で資産を形成していく必要があることは間違いないでしょう。

結局、資産運用とは?

少し話が逸れました。本題に戻すと、まずは時間をかけて堅実に資産を積み立てて形成することが大切なわけですが、最終的には形成した資産を運用していく必要があります。
運用とは要は「お金をどう配置するか」です。
例えて言えば、あなたが軍隊の総指揮官でお金を兵隊だと考えてみて下さい。
自身をすぐ側で守る側近達、自分たちの城そのものを守る部隊、守りにも攻めにもどちらにでも状況に合わせて対応出来る部隊、完全に相手に攻め込んで前線を突破する攻撃的な部隊、奇襲をかける特殊部隊などがあるとして、ここに手持ちの兵隊をどの様に配置するのかという話ですね。
守ってばかりでは勝てないですし、攻め一辺倒になるのもリスクが大きすぎるわけです。
1つ間違いないのは兵隊の数が多い方が有利になるということです。
だから、まずは兵隊集め(資産形成)に注力して欲しいんですね。

上記の例を資産に直すと
・側近達=預貯金
・城を守る部隊=生命保険や個人年金
・攻守に働く部隊=不動産や外貨
・攻撃的な部隊=株やFX
・特殊部隊=暗号通貨やその他の投機的な商材

といったところでしょうか。
もちろん、生命保険、不動産や株と一括りに言っても各商品でその性質は変わってきます。
まあ、これは部隊に配置された兵隊達の個性みたいなもので、その部隊に配置されたからと言ってその役割を必ず全うできるものではないと考えて下さい。(優秀な兵隊も入ればサボりがちな兵隊も様々いるわけですからね。)

まとめ

少し今日は記事が長くなりました。
覚えていただきたいポイントは
・まずは資産を形成する必要がある
・形成した資産を運用に回してく
・運用とは「どの投資が良いのか?」という投資商品選定ではなく、「資産をどう配置するのか?」という観点で行う

ということです。

こういう目線で世の中の投資詐欺のニュースを見てみると、その詐欺商材(=特殊部隊)そのものが悪いと言うより、そもそもその特殊部隊に兵隊を振り分けすぎた配置ミスがなければ防げた被害なんじゃないの?ということが見えてきます。
そういう観点からニュースを見てみて欲しいですし、この記事をきっかけにご自身なりの資産形成と資産運用の考え方を整理してみて下さい。

次回は仕事における形成と運用の話です。
是非、楽しみにしていて下さい!

ではまた!

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