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番外編~転校したてのソーラン節

 今考えたら一体あれは何だったんだ?という出来事を思い出したので、番外編として書いてみた。
 いじめに遭って転校した先の公立中学校では(たしか)6月に運動会があった。転校したのは5月なのでもうすぐに迫っていた。

 3年生はソーラン節を踊ることになっていた。ソーラン節は小学生の頃に一度踊ったことがあるだけで振りも違うし急に飛び入り参加するには無理があった。そんなこと誰でもわかるだろう。

 だた、最初か2回目の授業で背の順の列に混ぜられ急に「踊ってみて」と言われた。頭の中には「?」のみ。踊れるか!(踊れるわけないだろ)そう思った。案の定踊れず、周りをちらちら見ながらなんとなくの動きを真似するだけ。しかもソーラン節って速い。そんな追いつけるような振りではない。
 1曲通して終わってどうしたんだったか・・・ここから記憶がないんだけれども、おそらく列から外れてみんなが躍っているのを見ていたように思う。あの時先生は何を思って私を列の中に入れたのか、大人になった今でもわからない。

 結局運動会は欠席した。運動会の一週間ほど前に家で小指を盛大にぶつけ(イライラしていたり落ち着きがないと今でもよくやる)「小指が痛いので休みます」と言った。まあ本当は出席してもできる競技がないからなんだけど。
 
 小学校卒業以降、運動会というものには、私立中学に通っていた1、2年の2回しか参加したことがない。文化祭はこれもまた私立中学の2回と、高校1年の時には通信制ながらも全日制コースだったので参加し計3回だ。その後単位制に移ってからはそのような行事は無かったので参加していない。当たり前のように運動会、体育祭、文化祭ができる生徒たちにはそのありがたみが分からないかもしれないが、今でも行事帰りの生徒たちを見ると切ない気持ちになるし、そのような話題が友達や職場の人間の間で出ると気まずいなと思ってしまう。聞かないでほしいし、勝手なのは承知だが話してほしくもない。部活の話も同様だ。

 そのような気持ちを抱える人間を増やしてはいけない。そう思うから私は「いじめに遭うことの悲惨さ」を伝えている。

 ソーラン節について思い出したのは、それを題材とした舞台を見たからなのだが、終わった後に友達が「ソーラン節でもイケメンが躍るとかっこいいんだね」と言っていてなんだか笑ってしまった。
 
 今日はここまで。

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