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原作ファン、アニメファン、そしてアニメから入った原作ファン

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原作つきアニメに対して、原作が好きという立場から感想を述べる人がいる。原作を知らず、ただアニメが好きという立場から感想を述べる人もいる。インターネットでお互いを容易に観測できるようになった昨今、両者は対立したりしなかったりする。

さらには数としては結構多いはずなのに、意外に話にのぼらない第三勢力も存在する。それは「アニメがきっかけで原作にハマったファン」だ。

アニメ放映中に一週間が待てなかったか、終了後にひと段落ついてからか。いずれ、それまで縁がなかった原作に手を取るなら、アニメに好感を抱いてのことだろう。
それが原作にハマって、アニメはいかにうまく映像化したか/どこが削られたり設定が改変されたりしたのかを改めて知り――両方好き! のままならいいのだけど、稀に「原作を知ってしまうとアニメはちょっと……」となったりする。
でも、原作と出会うきっかけを作ってくれたという事実が、積極的に批判することをためらわせる(そもそも人や物を安易に批判してはいけない)。ので、最前線に出てくることはあまりない。

二期がいまいち盛り上がらないと言われる原因も、ここにあるんじゃなかろうか。
つまり、二期が制作されるとはアニメが成功したということだ(最初から決定してた場合もある)。それをきっかけに原作履修したファンもたくさんいるだろう。
すると一期ではアニメからの初見だった視聴者が、今度は原作ファンの目線でアニメを観ることになる。当然「ここを観たい」「あそこを観たい」「あんな風に作ってほしい」というハードルは高くなる。製作サイドがどれだけがんばっても、この視聴者心理はいかんともしがたい。

私が最近アニメ⇒原作ルートでハマったのはあfろ先生の「ゆるキャン△」で、すっかり原作世界の虜になってしまった。なので今は二期と劇場版が怖い。饅頭は怖くない。

逆に、原作ファンからアニメ……というか派生展開のほうのファンにクラスチェンジするパターンもある。
これは派生展開の方がよほど面白かったのかもしれないけど、アニメ放映時期くらいが原作の面白さのピークで後はぼちぼち不満が生まれ始めてたりすると、「つまんなくなった原作よりアニメのほうがいいじゃん」ってなったりもしてしまう。悲しいことに。

その作品にハマったきっかけは何か、というハッシュタグが流れてくることがある。ルーツは大切だ。その作品が自分にとってどういった意味を持つのか、原作あるいは自分の中で核となる媒体との距離感は。必ずしも公にする必要はないが、自分なりに考えをまとめて消化しておきたい。そうでなければ、きっと私は作品を楽しむ上でしこりを残したままだろう。

……そういえば、世の中には「原作もアニメも出演声優あってのもの。イベントやラジオが楽しめればそれでいい」という第四勢力もいるなあ、と今気づいた。この話はまた今度(しない)。

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