2015年6月15日

【月曜日と女子大生】

3年生11人と4年生3人と10回目の月曜日。今日は彼女たちそれぞれの「とある日」を書き記してもらうことにした。20か21か22歳。今日までのいつかの一日を選ぶ必要がある。

3限の終わりに提出してほしい旨を告げ、私はそれまでの90分、教室のあちこちでカタカタ鳴るタイピングの音に耳を澄ましながら、PCに向かう彼女たちの横顔や背中に時々目をやって過ごす。途中、Y衣が体調不良で欠席するとK純から報告があった。

4限の始まりに回収できたのは7人分。教卓に伏せて積まれた7枚にさっと目を通し、日付順に並べ直してから、iMac20台がコの字に並ぶ教室の中央に置かれたデスクの周りに彼女たちを呼び集める。そして、古い順に読み上げた。目的は特になかった。

「何でこんなことを?」という各々の疑いや狙いから広がる緊張感だけ想定していたつもりだったけど、作為のない、素直な言葉に殊の外感動を覚え、同時に、「そのまま」だからこそ滾るものをどうにかする必要があるのかわからなくなって、「もう一回読むね」とか「逆からもね」とか、、

それから、思い出せるだけのワードを列挙してみることを提案。教室に備え付けのホワイトボードの前にわらわらと集まり、適当なスペースを見つけて板書する10人の後ろ姿を眺めながら、「これからどうしよう?」とぼんやり思ったのは、この後の数十分というより、これから先のもっと長い時間のこと、、彼女たちのなのか、私自身のなのかもよくわからないけど。

Y莉とS帆とM里、今日は欠席のようだ。ホワイトボードは文字でびっしりになった。重複するワードや唯一の言葉をピックアップして、それらをネタにおしゃべりして、その間にはまだ書き続けている学生もいた。授業終わりに3人分の提出があった。

夜遅く、「2010年5月29日(火)の日記」が添付されたメールが届く。Y衣からだった。私は「受け取りました。これに関連する授業をまた後日計画しています。書いたことを温めておいてください。」と返信してから、「これからどうしよう?」と考えたけど、やっぱり「何の」がぼんやりするから考えに至る訳もなく、とりあえず今日を書き記して、残りわずかとなった今日を凌いでいる。

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