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2021年5月1日

【土曜日とさしつかえ】

 半分が過ぎようとするところで、五月の始まり。その午前の、ちょうど中休みの時に地震があった。最初はヒヤッとしたけれど、揺れは滑らかに、ごく緩やかな勾配を下るようにして止んだ。私は「大丈夫そう(よかった)」と思うと同時に、このあと教室に戻って、授業を再開することが「億劫だな」とも感じていた。揺れたせいなのか、別に理由があるのかはわからないけど…。わずかな危うさを孕んだまま、音だけ認めながら、過ぎ去るまでもう少し、あともう少し長く、、という気分のフェーズに触れてしまったみたい。

 簡単に、やる気をなくす。ゴールデンウィークなのに…緊急事態とか、仕事や授業とか、制限されたり、関係なかったりする状況の最中、私はただ何となく困った顔をしています。だけど、遊ぶ気も働く気もない気分と、書くこととは妙にフィットするような気がして(気がするばっかり)、休むでも励むでもなく、それとなく言葉が出てくるのを待って過ごそう、とか粗末な予定を立て始めたりして…

 再開するも、ぼんやり頭で終業を迎えた。おいおい。天板の再塗装によりツルピカの、「らしく」なった控え室のテーブルで、買ってきたコンビニ弁当を食べて、午後のしばらくを過ごした。ついこないだ、板が運ばれてきた時「でけー」と驚いたほどのデカさも普通になった。夕方近くまで、しゃべってつぶすのも慣例になりつつある。

 夕方近く、急に雲行きが怪しくなって、今にもバラバラと降り出しそうな空模様だった。だったけど、バラバラと降り出すことはなく、ただ怪しいまま、それで濡れずに帰宅することができた。できたのに、頭が痛くなってきて、帰ってからしようと思っていたことをやめた。リセット。しょうがないけど、抗いたくもあり、シャンプー、ボールド(洗剤)、ティッシュペーパー、その他諸々、同時に切れた生活用品の買い出しメモを呪文のように唱えてから、日没と溶け入るように、目を閉じた。

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