中根すあまの脳みその191

リボンは良い。
リボンはとても、良い。

2年くらい前だろうか。
大きな赤いリボンを頭に付けたら(脳内イメージはドラミちゃん)、なんていうか、こう、すごく楽しい気持ちになれるのではないかと思い立った。そのまま某有名通販サイトにアクセスして、赤、リボン、でかい、で検索、トップに出てきたものを即購入した。ありがたいことに翌日には手元に届き、さっそくつけてみる。
なぜ今までつけてこなかったんだろう、と不思議に思った。それくらい、しっくりきたのだ。
リボンをつけると、自分という人間がキャラクター化されるような気がする。それが、いいのだ。

赤だけでは飽き足らず、緑、水色、黒、白と、増やしてゆく。私の暮らしの中でそれは、ぐんぐんと存在感を増していった。色、柄、大きさや形、ひとつとして同じものはないのに、なぜだか、全部おんなじ愛嬌がある。いうなればそれは、アイドルがふいに飛ばしたウインクのような、ずきゅんと胸にくる可愛さがある。ときめきを感じる何かがある。
不思議だ。もとは細長い紐なのに、あの結び方、あの形にデフォルメされることによって、特別な可愛さが生まれる。一体だれの発明なんだろう。

私は、自分ではない何者かになれると、そんな気持ちにさせてくれるものが好きである。
洋服や化粧が好きなのはそのためだし、よりそういった要素の強いものを選ぶ。
例えば、ボーイスカウトの男の子が着ていたシャツ、アメリカの兵隊さんが訓練の時に着ていたアウター、りんごの形のショルダーバッグ、キラキラのラメが入ったマスカラ、星空の柄のカラーコンタクト。自分の存在がフィクションの中にあるような、そんな気がしてきて愉快なのだ。リボンもその類のものであるように感じる。
でかいリボンをつけていれば、難しいことを考えていても、その存在に和める。安らげる。
私今でかいリボンつけてるしなーーーって。
強いのだ、リボンは。

最近、アクセサリーに加工されていない本物のリボンを、髪の毛に直接結びつけるのを始めた。手間はかかるが、その日の気分によって長さや形を変えられるのが良い。るんるんできる。
自分自身をるんるんさせられる術があるというのは、強いと思うのだ。

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