中根すあまの脳みその102

梅雨が明け太陽が輝き出したこの時期に、テストとレポート提出のダブルパンチを正面からくらい、鼻血を出しながら必死に耐えているのが大学生である。
かくいう私も、容赦のない過密スケジュール
により、深夜に白目をむきながらパソコンの画面とにらめっこする日々が続いている。

だが、しかし。
私は今、とても幸せである。

私の文章を欠かさず読んでいる物好きの皆様はきっと、この後、課題に対する愚痴がまわりくどい論説のような口調で長々と並べられるとお思いだろうが、それは残念ながら検討はずれだ。なぜなら私は今、とても幸せだからである。コロナ期間は私を、忙しければ忙しいほど元気になる、特異体質に変えてしまったのだ。

そもそも学校に行けるだけでありがたいのである。広大なインターネットの中を血眼になりながら探し回らなくても、テストや課題の情報は先生が直接伝えてくれる。zoomで気まずい沈黙に耐えなくても、教室で同級生たちと会話ができる。ああ、なんて幸せなんだろう。
家に閉じこもって鬱憤ばかりを積もらせていた去年の夏に比べたら、この忙しさはもはや天国である。
どんなにテストの範囲が広くても笑顔で対策をするし、どんなにレポートのテーマが難解でも喜んで図書館へ行く。もちろん、やることが多くて、さすがに多すぎて、辟易することもあるけれど、その度に去年のことを思い出す。忙しさに身を任せていられることほど幸せなことはない。

これは、あの特殊な1年間を過ごしていなければ絶対に辿り着かなかった思考である。もちろん、世界をまるっきり違ったものに変えてしまった某ウイルスには恨みしかない。これからもそれは変わらないだろう。だって、まだ世界は元に戻っていない。戻る兆しもない。だけれど、それでも私たちは生きなければならない。変わってしまった世界を嘆いていても仕方がないのだ。その中に希望を見出さなければならない。

忌み嫌っていた忙しさを愛せるようになったこと、その点に関しては今のおかしな世界に感謝である。そんな悠長なことを言っているが、私のレポート戦争は終わっていない(テスト戦争は何とか終わった)。嬉しい悲鳴をあげながら、この夏を過ごしたいと思う。

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