中根すあまの脳みその34

わたしの初めての単独公演の日から一週間がたった。
新型コロナウイルスの影響で予定通り行えず、無観客で開催しその模様をライブ配信でお届けするという、なんとも寂しい事態になってしまったが、結果的に最高で約70もの人に見ていただけたようで、会場に観客を入れて開催するよりも多くの人に私の「高校生芸人としての最後の姿」をお届けできたことになる。会場に足を運ぶ予定のなかった人や、はたまたただの通りすがりの人にも気軽に見てもらえたのかなと思うと、この判断をしたことに少しばかり自信が持てる。

私は、「終わりよければすべて良し」という言葉が嫌いだ。
と、言うか納得できない。
今回の単独公演も、多少のミスやアクシデントはあれど、無事に幕を閉じることができた。
配信の方法などなにもわからないままライブ配信を決め、ちゃんと最後まで進行が滞ることなく終えられたのは奇跡に近いと思っている。
実際、本番直後の私は達成感と高揚感に包まれたし、やってやったぞと少々大きな気持ちにもなった。浮かれていた。
だが、本番直前までの私は、まったくもって褒められたものではなかったのだ。

もともと私は「行動力だけおばけ」で、モチベーションが高い時に行動力がおばけのようにあって、やりたい!と思ったことに対して、何も考えずに突き進んでしまう癖がある。
そして私は「ポジティブとネガティブの差おばけ」でもあるので、やりたい!私ならできる!とお得意の行動力で突き進んだ次の日には、無理!私にはできない!とネガティブモード(強)が発動していたりするのだ。
単独公演の準備期間、私のそのダブルおばけ要素には随分と苦労させられた。
映像の脚本を、私ならできる!と2本書くことに決め、書き始めると自分の実力のなさを痛感し、無理!私にはできない!と3日間布団にこもったこともあれば、演技力頼みのネタを、私ならできる!と書き上げ、練習してみると自分の演技力のなさ、殻の破れなさを実感し、無理!私にはできない!と練習をボイコットしたこともある。
振り返れば振り返るほどに思い出される、私の悪行の数々…今回関わってくださった方々には本当に頭が上がらない。
あっそうだ忘れていた。わたしは「頑固おばけ」でもあるし「甘ったれおばけ」でもあるので、ネガティブモード(強)が発動した時にはすべてのおばけが集結し、無理!私にはできない!できないからやらないぞ!絶対にやらない!でもしょうがないよね?だから許して?、という気持ちになる。最低怠け者ダメ人間だ。こうなってしまったときに多くの時間をロスし、今回も準備全般がギリギリになってしまった。
ぶっちゃけると、全然稽古ができないまま本番に臨んだネタもある。直前に詰め込みすぎたもんだから、声も枯らした。こんなのプロではない。
ガラス製でいてその上に剛毛が生えているような、傷つきやすいんだか、図太いんだかわからない私のメンタルに、必要以上に振り回されてしまった。
怖いのは、本番の馬鹿力でなんとかなってしまったこと。その結果に満足しようとしていたこと。
「終わりよければすべて良し」、ではない。
これからは、自分の弱点を熟知した上で攻略し、「始めから終わりまでどう考えてもすべて良し」を目指したい。目指すのだ。

さあさあさあ、おら、成長するど!!
(ちなみに今はポジティブモード(強)発動中である)

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