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「自立型組織として、個人と組織のビジョンを考えられる社員を育てる。」社員全員にコーチングセッションを実施するスープカレー屋・Suage Japanのビジョンとは?

2018年5月に設立し、都内3店舗に北海道スープカレー「Suage」を展開する株式会社Suage Japan。

着々と店舗や社員を増やし、事業拡大を行うSuage Japanで、組織人事戦略の策定や改善など、組織・人材開発に関する責任を担っているのが本橋 竜太(もとはし りょうた)さんです。

本橋さんは、大学時代にコーチング(※)を学び、先日「国際コーチング連盟(ICF)」の認定資格も取得したプロのコーチでもあります。
2022年2月からは、人材開発の一環にコーチングを導入するというSuage Japanの目指す組織像を伺いました。

※コーチング:目標達成や思考整理について、コーチとの対話を通したセッションで自己実現や目的達成を自発的にできるようサポートを行うこと。


本橋 竜太(もとはし りょうた)
Burger King Japanにて、CTT(Company Training Trainer)として、全社における採用・育成・人材開発に従事。その後、Seven Rich Group 飲食事業部にて、組織・人材開発責任者として、事業部内のブランドを跨いだ組織人事戦略の策定から改善を行う。同時に、ライフコーチとして個人、社内外組織問わず、幅広いクライアントに向けたコーチングを提供中。国際コーチング連盟認定コーチ(PCC)。

スタートアップのフェーズならではの、自分たちで組織を作っていけることが今のSuageのやりがい

ーー学生時代からアルバイトをしていたBurger King Japanで顧客満足度全国一位の店舗のマネージャーを学生時代から任されていたという経歴を持つ本橋さんですが、外資系の大きな組織から、どういったところに惹かれてSuage Japanへ転職したのでしょうか?

僕が入社したのは2021年の3月。当時のSuage Japanは2店舗を展開している頃で、これから拡大していけるフェーズかつ組織を自分たちで作っていくところに惹かれました。また、事業部長である竹下遼さんがコーチングに価値を感じていて、コーチングの技術を飲食企業の中で応用していく方法を模索させてもらえると思ったのも大きいです。

ーー本橋さんの具体的な業務内容を教えてください。

Suage Japanと同じくセブンリッチグループの飲食事業に属する「なんとかプレッソ」「パンとエスプレッソと自由形」を運営する株式会社じそく1じかんを含めて、飲食事業全体の組織の土台を整えることを行っています。ビジョンミッションバリューの策定や、社員・バイト育成制度や評価制度の策定、採用も行っています。そうした組織の土台を昨年から整えてきましたが、今年の2月からコーチングを活用したプログラムも社員向けに実践していきます。

ーー現在のSuageの社員さんにはどんな方がおられるのでしょうか?

社員数は現在6名で、平均年齢29歳の若い組織です。今年の春には学生時代からバイトをしてくれていたメンバーを1名、新入社員として迎える予定です。社員の全員が飲食経験者というわけでもなく、経験者と未経験者の比率は1:1です。

ーー社員の方々のモチベーションはどういったところにあると思いますか?

圧倒的なクオリティを誇るSuageブランドや、0から全員で創り上げていくフェーズである点がモチベーションであり、やりがいだと思います。
大規模チェーンの飲食店では、仕事内容のルーティーンや縛りが多くあり、自分で考えて決められる余白が少ない。Suage Japanはスタートアップなので、これからの可能性を一緒に生み出せ、バリューを発揮すればするほど自分自身と組織に強いインパクトがあるのでは?という期待を持って入社してくれています。

ーー特徴的な社員さんがいれば教えてください。

創業初期から遼さんと共にSuage Japanを作ってきた初期メンバーが社員の中に2人いて、その3人がいるからいまのSuage Japanがあります。1人目が全店舗の統括マネージャーである梶さんで、2人目が池袋店の店長のりささん。

左:統括マネージャーの梶さん、右:池袋店の店長、りささん

遼さんを含めた3人は北海道出身で、かじさんは元々遼さんの学生時代の野球部での対戦相手だった、という学生時代からの長い関係。前職は炭焼きイタリアン酒場の店長で、遼さんがSuage Japan創業時に声をかけたことをきっかけに、現在は統括マネージャーとして全店舗の売り上げの最大化をサポートしています。
りささんは、Suage札幌本部のオーナーが運営する旅行代理店で働いていた、という経歴で、以前は飲食の仕事とは全く関りがなくて。
東京でSuage Japanを立ち上げるときに札幌本部から来てくれ、現場のオペレーションからホール・キッチンの仕事に、発注やシフト作成をこなし、現在は池袋店の店長を担っています。2人ともとても頼もしいのはもちろん、持ち前の明るさでその場をパッと賑やかにしてくれるので、Suage Japanらしさを作ってくれていると感じます。

ーー採用の際に重視していることはどんなことでしょうか?

色々な観点がありますが、一番は自分の人生についてどれだけ考えようとしているか、です。
さまざまなものを0から創り上げているSuage Japanでは、細やかにルールやマニュアルとして決められていることの方が少なく、自分で考え動いていくことが最も大切です。何も考えずにただ働くということは厳しく、そうなると自身がSuage Japanで働く経験が、自分の人生でどう活きているかという問いに対して明確な答えを持っていない人は難しいかな、と感じます。

たとえば将来飲食店を経営したいといった目標や、接客業を磨きこんな自分になっていたいと言った明確なものを持っている方にはとてもあっている職場だと思います。

ビジョン・ミッション・バリューは企業としてのコンパス

ーーそうしたSuage Japanメンバーの理想や行動指針がビジョンミッションバリューに掲げられていると感じます。これらはどういった思いから策定したのでしょうか?

Suage JapanのVMV

ビジョンミッションバリューは企業としてどこに向かっていくかというコンパスになるものです。
これからSuageをさらに強い組織として作っていく際に、メンバーそれぞれが同じ方向を向いていけるようにという思いで決めていきました。僕が入社して一番最初にとったアクションでもあります。

ーービジョンミッションバリューを決めるのは簡単な作業ではないと推測します。実際にはどうやって決めていったのでしょうか?

事業部長である遼さんが潜在的に大切にしているもの、Suageや働くメンバーへの想いを聞いていき、キーワードを出して落とし込んで行きました。
ビジョンは、企業(Suage Japan)が目指す理想の姿、ミッションは、 Suage Japan組織全体の使命、バリューは、働くメンバー一人ひとりの行動基準・価値観としています。

ーービジョンミッションバリューに込められた思いを教えてください。

僕も遼さんもメンバー全員がSuageのスープカレーを本当に美味しいと強い自信を持っています。一度食べてもらえればSuageの美味しさを実感してもらえると思いますがSuageも含め、スープカレー自体がまだまだ日常に定着している食べものではないのが現実です。

そこで、Suage Japanが目指すビジョンである「スープカレーを、特別な日常食へ」を達成するためには、「ご飯何食べようかな?」と考えたときに「スープカレー」という選択肢を新しく作り出す必要がある、と考え、私たちのミッションは「人々に「新たな選択肢」を創り出す」になりました。
バリューには、そのために、何を考えて働けば良いのかを掲げています。

お客さまやメンバーに興味を持ち、自分から声をかけたり働きかけたりする「Open & Connect」。目の前のお客さまがどうしたらスープカレーを「新たな選択肢」にしてくれるのか常に考え問い続ける「Keep Asking」。自分が迷っていたら背中を押してもらえるような関係性をつくる「Push the Back」。
この3つのバリューを「Anytime, Each Other.」いつでもお互いができるように、考えてメンバー一人ひとりが動けた時に、「特別な日常食」のビジョンが達成できると思っています。
スープカレーを新たな選択肢として根付かせるのは簡単なことではないですが、逆にメジャーではないものの価値を創り出していけることのやりがいをとても感じています。


コーチングを通して、組織と個人のビジョンがクロスするところを自分で見つける


ーー今年2月からコーチングを社員向けに行うとのことですが、Suage Japanの入社のきっかけでもあった「コーチングを活用した飲食企業」にはどんな可能性を感じていますか?

社内で行うコーチング施策の内容は、1年間月に1回ずつ、僕から社員それぞれにコーチングセッションを行っていきます。目的は社員の成長促進で、自身の視座やどう成長していきたいかに気づき、今の現在地と、行き着きたいところとの乖離に自分自身で気づくことが狙いです。いままで飲食店でコーチングを1年間やり続けた会社は恐らく日本になく、初めての試みになっています。
入社して以来、組織としてのビジョンを考えて土台を作ってきましたが、組織が前に進むためには、働くメンバー一人ひとりの個人のビジョンもとても大切で、自分自身の目指す方向がわからないと組織自体も自分ごと化できません。

コーチングを通して自身が内省し、個人のビジョンと組織のビジョンがクロスする点を見つけるためのコーチングを行っていきます。そうすることでSuage Japanで働く意義が自身で言語化でき、組織全体として底上げされると思っています。

ーー人材開発責任者である本橋さん自身がコーチングを行うということで、社員の方が「コーチングではなく評価面談なのでは?」と感じてしまう懸念があると思います。社員にコーチを行うにあたって意識していることはありますか?

コーチングを導入するにあたって「ただの面談じゃない」という認識をセットアップすることはとても大切なことです。
今回は社員にはなぜコーチングを行うか、について「個人の成長を促すアプローチ」ということを事前に伝えて、コーチングというもの自体についても説明を行い、また、人事の評価者から僕は外れ、なんでも言えるという状態もこのために作ってきました。その状態が揃って、一対一の対話の中で自身の無自覚や無意識、感情感覚に触れていくことができると思っています。

また、社員がコーチングを受けることで今まで気づかなかった自分の想いや希望に気づき、Suage Japanで働く以外の選択肢を見つけることになる可能性もあります。そのリスクについても遼さんと事前に話していて、その社員が自分と向き合った結果の選択肢なら、前向きな結果だと僕たちは捉えています。まずはコーチングを通して自分と向き合い、そのうえで組織のビジョンやミッションを自分ごとに置き換えて動けることが理想です。


ーーコーチングを行う意義を組織全体で共有しているのですね。最後に、Suage Japanを今後どんな組織にしていきたいかを教えてください。

社員一人ひとりが自立した人として、主体的に会社や個人のことを考えられる「自立型組織」になっていくのが目標です。
そのためには定量的な評価や管理のステップが必要だと考えていて、チーム全体で考えきる力ややり切る力を付けた上で、なぜSuageで働いているのかに意味を見出し、自分の与えられたミッションを自分の言葉で言語化できる社員を増やしていくことが僕のミッションです。

それをクリアした先に、Suage Japanが日本を代表する飲食のフラッグシップ企業になれると思います。

ーーありがとうございました。日本ではまだ珍しい、コーチングを取り入れた飲食企業としての挑戦、今後どうなっていくかとても楽しみです。

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