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決戦の時。7/18


最終成果物はこれだ。

柱の割り箸に、輪ゴムを巻きつけ、そのばねで弾いて飛ばす。シンプルなものだ。

角度をつけるための土台にはスタイロフォームを用いた。

飛ばす方向をわかりやすくするため、赤色の矢印をつけた。

チャームポイントとしてモグラを、ピンはやすりで鼻がき、滑らかなトリガーにした。









測定会当日。

次々名前が呼ばれる中、緊張が走る。

とんでもない飛距離を見せる先人たち。

俺、大丈夫かなあという不安。






「大丈夫だよ。」






えっ?






「あんだけ頑張ったし、いけるよ。」







どこからか、声が聞こえる。




だれ?






「俺だよ。お前がもってるソレ。」



なんだ、飛翔体カタパルト君か。


君は緊張してる?大勢の前で飛ぶことになるけど。


「してるよ。けどさ、おれらならいけるよ。今までお前、頑張って作ってきたじゃんか。」


まあ、そうだよな、、。






「坂田。」






先生が俺の名前を呼んだ。

俺の番だ。

若干不安だけどさ、俺、頑張るよ。



「おう、頑張ろうな」







結果は4メートル。



よくやったよ、お前たち。




「俺のこと、忘れないでくれよ。」





忘れるわけないじゃないか。あんなに一緒にいたんだぞ。



「でもお前、もう測定会は終わったんだ。俺を使うことなんて、ないだろ?」



まあ、、。



家につき、飛翔体とカタパルトを棚の上に置いた。
こいつらを使うことは、もうないだろう。




「なあ」





なに?










「また俺のことで、遊んでくれよな。さよなら。」








飛翔体カタパルト、、、













別れ際に「さよなら」なんて
悲しいこと言うなよ。








俺は悲しみを唄いながら、このNOTEを綴った。





ありがとう、全ての飛翔体カタパルト。




前期授業編、終劇。




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