私的正月アイディア特番 豊田市民がトヨタの未来を考えてみた

一年の計は元旦にあり、ということわざがあります。数日遅れではありますが、それに乗っかって、一年と言わず、百年に一度の大変革が訪れるという噂の、車社会の30年後を夢見てみたいと思います。

自動運転の技術が進み、完全にコンピュータ任せで出発地から目的地まで移動できるようになる、と言われていますが、どうでしょうか。バスのような、共用で運行するエリアが常に同じ目的で使われる車は、それでも構わないのでそうなる可能性は、確かに高いと思います。しかし、ひとは多様なので、新興国にはバイク天国になる国もあれば、車社会へと移行する国もある、などと国によって移動手段の差が出ているように、自分で運転したい!というひとも残るでしょうし、年配者のように運転がおぼつかなくなると、完全な自動運転を自宅周りでお願いしたい、というひともいるでしょう。30年というスパンで考えると、そうした個人の要望にそれぞれ応えた車が受け入れられるように思います。なので、100%完全な自動運転社会、というのは考えにくいです。

自動運転技術と肩を並べるくらいに進むと思われる技術がもうひとつ、電気自動車です。すでに「充電させてもらえませんか?」の番組で、あちこちで善意の充電をさせてもらいながらバイクで三重県を巡り、お伊勢さんや鳥羽水族館を巡るのをお正月に見ていた方も多いかもしれません。

そのくらい、バイクではもう実現化がされていますが、四輪車のほうでは今一つ盛り上がらない2020年、今この時。それは、自宅で四輪車の充電を出来るようにしようと思うと、家の改修をしなくてはならず、外で充電できるスポットも探さないと無い、という状態が、買おうかと考えているひとびとのネックになっていると思います。

この電気自動車については、従来のガソリン車よりも使う部品が減るので、ガソリン車だけの小さな部品を扱っていた会社が、電気自動車の時代になるとつぶれてしまう、という問題もあります。しかしながら、石油にだけ頼る社会は、中東で最近懸念されているイランとアメリカとの戦争が始まりかねない状態があったり、世界中のひとびとが車社会になり、ガソリンを多用するといずれ枯渇するという現実があったり、太陽光などのクリーンエネルギーが求められる時代に逆行するということもあったりで、こちらにも問題は多くあります。

トヨタを含めた、自動車産業は必ずこの難題に立ち向かわなければならない必然性があるので、どう、その問題をクリアするかを、必死に考えていることと思います。電気自動車という理想と、燃費効率の良いガソリン車という現実の間で、そのうち家をひとびとが改修するきっかけが訪れたり、エコ志向の若者たちがクリーンエネルギーを選ぶようになったりすることで、ゆるゆると選択されて変わるものなのかもしれません。

今日、新聞を読んでいて「おっ、未来が現れた!」と感心した記事がひとつありました。日経MJの記事で、韓国のソウルの地下鉄で、植物工場が出来たというものです。植物工場もだいぶ、葉物野菜の効率の良い生育が出来るようになったらしく、加えて、露地野菜ではPM2.5など有害物質の飛来が気になるひとびとのニーズもあり、商売の見込みがあるようです。

ならば! 世界中の、トヨタを含む自動車産業も、使い古した工場で植物を育てたらいいじゃない! と正月にふさわしいビックビジョンを思いついてしまいました。

ただ、現時点での植物工場の技術では、露地栽培並みに栄養価が高くおいしい農作物となるかどうかは難しい段階のようです。私が住んでいるトヨタの本社がある豊田市は、ふつうの農業がすでに盛んなので、植物工場をわざわざ作る必要は無いかもしれませんが……。ジャパンクオリティ、トヨタクオリティの先端技術を活かした植物工場を、もしもトヨタが先駆けて作ったら、とても大きな時代のターニングポイントとして世界に認識されるように思います。(心の声:もう、おうちを作るトヨタホームはあるんだから! 植物のおうちを作っても大丈夫だよ!)

ゲームの「デトロイトビカムヒューマン」で、人間にとってはディストピアとして描かれていた、機械化だけが進んで、人間と自動車産業の次のビジョンが見えないとデトロイトはこーなる、という批評性に満ちた内容でしたが。

最近は、廃墟巡りが盛んになっているので、観光地としてつぶれたデトロイトの工場の敷地を使い、そのなかの再利用可能な工場を植物工場に変えて、そこも農場兼観光地にしたら、ディストピアにはならず、農地&観光地として人気になるのでは? なんて考えてしまいました。

30年後。トヨタは、植物工場初のコメの栽培を成功させて、漢字の「豊田」の意味にふさわしい企業になっていたら、とても面白い未来だな、と思います。

以上、この「トヨタ」と「豊田」をひっかけた語呂遊びがしたくて、世界のビッグビジョンまでぶっ飛んでしまった、30年後を夢見た数日遅れの元旦の計をぶちかましてみました~。


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